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勇者パーティー

 勇者パーティー。

 そう呼ばれた僕たち五人は、色々と敵の多い立場でもあったが、明確に人類でもトップの強さを持った面々の集団だった。

 その二人の今のステータス値がこれだ。



 ◆◆◆◆◆


 名前:リーシア

 種族:人種

 称号:『勇者』


 攻撃力:2067

 防御力:1532

 魔法力:1317

 俊敏性:1843


 スキル:

 『聖剣』『自然治癒』


 ◆◆◆◆◆



 ◆◆◆◆◆


 名前:ラルム

 種族:人種

 称号:『勇者の祝福』


 攻撃力:2067

 防御力:2201

 魔法力:517

 俊敏性:1543


 ◆◆◆◆◆



 非常に二人のらしさが出ているステータス値だ。

 リーシアは僕と同じバランスタイプ。ラルムは騎士らしく、攻撃力の値と防御力の値が非常に高い。


「全然成長していない!?」


 だが、僕が言及するのはそのステータス値の高さではなく、あまりにも変わっていない二人のステータス値についてだった。

 二人のステータス値は僕の記憶にあるものとそんなに変わっていなかった。

 ほとんど成長していない。


「……、い、いやぁ」


 僕の言葉にリーシアがそっと目を逸らす。


「レイが死んでから、戦ったりとかしないからぁ……」


「ラルムは……?」


 まぁ、リーシアはちょっとわかる。

 でも、ラルムに関してはクネパス王国の最前線で戦っていたのだし、ステータス的な成長もあるのでは……?


「……その、私もレイが死んでから成長はしなくてぇ。戦ってはいるのだけど、それが成長にはなかなか」


「えぇ……」


 まさか、二人がこんなにも成長していないとは思わなかった。

 

「まぁ、……僕は弱くなっているから人の言えないけど」


 とはいえ、より酷いのは僕だ。一年前と比べると、遥かに弱体化している。

 スライムの体は色々と便利で、スキルの数も増えた。

 だが、やはり絶対的なステータス値が低い。低すぎる。これが僕の前世のステータス値だ。



 ◆◆◆◆◆


 名前:レイ

 種族:人種

 称号:『勇者の寵愛』


 攻撃力:1821

 防御力:1532

 魔法力:1867

 俊敏性:2143


 固有スキル:

 『空間操作』


 ◆◆◆◆◆



 すべてのステータス値が四ケタ。バランスよく全項目高い。

 これが僕のステータス値だった。

 僕の基本的な戦闘スタイルは俊敏性の高さを中心に、近接遠距離どの距離でも効果的に攻め、空間断絶という即死技も使っていく中々にチートな戦闘方法だった。

 

 それと比べると、今のスライムでの戦い方もチートじみていると思うが、やっぱり物足りなさを感じる。

 オルスロイの戦い含め、僕はこのスライムの体になってからほとんど相手の攻撃を目で終えていないし、体も追いついていない。

 適当に魔法を打っているだけで、速度の遅れも転移で何とか誤魔化しているだけ。


「いやぁ、ステータス値を何とか上げないとなぁ」


「レイはそのままでいいわよ」


「あぁ、そうだな。生きてくれるだけでいい」


「そういうわけにもいかないさ」


 一度、死んでしまったのだ。

 二人が心配する気持ちもわかるが、ずっとこのままと言うわけにもいかない。


「この弱っちいままで魔王軍とは戦えないからね」


「ん?何を言っているの?」


 僕の言葉に対し、リーシアは心底不思議そうに首をかしげる。


「もう私は勇者として戦わないわよ?レイは、人類に裏切られて死んだのよ?私たちは勇者パーティーとして、人類に求められていなかったの。戦う必要はもうないのよ。先に裏切られたのは私たちだわ」


「むっ……まぁ、そうだなっ!また、レイと会えたのだ。それで十分だな。もう魔王のことなんて忘れて、一緒に暮らそうじゃないかっ」


「そうでしょう?ラルムの支持を得られて良かったわ……とはいえ、私としては、貴方がついてくることが嫌なのだけど」


「それはこちらのセリフでもあるが?」


「喧嘩をするのはレイが望んでいないでしょう……後で勝手に現実を知るでしょうし」


「ほぉ?」


「ま、待って待って?!」


 勝手に訳のわからない話を進めている二人に僕はストップをかける。


「魔王軍と戦わずに逃げるなんて……そんなの駄目に決まっているじゃないか!」


 あり得ない想定で、勝手に話を進めないでほしい。

 僕たちは勇者パーティーなのだ。

 

「……それ、本気で言っているの?」


「えぇ、本気よ。一緒に暮らしましょう?」


「えっ」


 あまりに真っすぐな、一切の冗談を感じさせないリーシアの迷いない言葉に僕はただただ茫然とした。

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