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食欲の魔女と底辺OLのダンジョン飯テロ配信~「赤字ならクビ」と言われたので、ポンコツ魔女に飯を食わせてブラック企業の売上を超えます~  作者: ダニエルさん
第2章:Sランク配信者なんて無理無理無理! でも、魔石採掘部門にはいきたくない!

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第54話「食欲の魔女がDIEヌードルをキメて焔の洞窟を駆け抜けた話」1/2

 私は天井を見上げた。


「あー……シェリーさんを家に誘うかぁ……」


 ——上司を家に呼ぶことなんて考えたことないからなぁ……クソ上司(ロクディモント)を家に呼ぶ……ないな。裏山に埋めるのですらイヤだ。家が腐りそう。


 そのとき、ぐぎゅるるるるる~ん! という音が家を揺らす。


「エスルス? お腹空いた?」


 私は視線を下ろし、エスルスを見つめた。


「もちろんだとも!」


 エスルスはにこやかだった。


「めんどいから今日もカップラーメンでいい? 疲れた」


 私は座布団を枕にして寝そべった。


「ええ……カップラーメンかい? あれは固くておいしくなかったからなぁ……」


 エスルスは眉を顰め、左右に揺れた。


「おい、食欲の魔女。あれはテメェが我慢できないって一分も経たずに食っちまうからだろうが。カップラーメンは悪くねぇよ」


 セラが肩をすくめた。


「エスルスさま、カップラーメンは待たないとおいしくないですよ」


 フリードは人差し指をすっと立て、諭すような笑みを浮かべた。


「ボクを待たせるなんて食べ物のくせに生意気なんだよ」


 エスルスは不満げに頬を膨らませ、そっぽを向いた。


「じゃあ毎日冷ややっこでいいな。時間かからないし」


 私は顎を引いて半目でエスルスを見上げた。


「勘弁してくれよ。おいしいものを食べるためなら待つよ。ガマンできる限りね」


 エスルスは手をわさわさと動かして不機嫌そうに空をかいた。


「それで一分持たない気がするんだけど……まあいいや。とりあえずセラ取ってきてくれる?」


 私は寝そべったまま片手を気怠げに横に振った。


「任せときな!」


 セラが立ち上がるとドスドスと足音を鳴らしながら、キッチンにつながる廊下の方に歩き出した。


 しばらくしてセラが、カップラーメンが大量に入った袋と、お湯の入ったポットを持って戻ってきた。


「ほら、どれにするよ? 醤油味、とんこつ味、カレー味……あと激辛DIEソース味があるぜ?」


 セラはカップラーメンを机に並べていった。


「おい、ちょっと待て金髪ゴリラ。一番最後のはなんだ」


 私は体を起こし、机に身を乗り出した。


「あん? 知らねぇよ。あったやつ持ってきただけだろうが。ツッコが買ったんじゃねぇのかよ」


 セラはカップラーメンを手に取ると私にパッケージを見せる。パッケージにはDIEヌードルという商品名と、以前購入したDIEソースのキャラクターであるダイ君が『殺してくれと懇願するほどの辛さ』というセリフを添えられ、ガンギマっていた。


「それは僕が買ったやつですね……」


 フリードのきれいな瞳が輝いた。

 ——うわっ! まぶしい瞳! 相変わらずイケメンです!


『すごく楽しみにしてたヤツだぁい』


 そして、瞬時にガンギマった。


「そうですか……」


 私は目をそらした。

 ——フリードはこういうやつだよな。イケメンなのにすぐに株を下げてくれるから私も平静を保てる。ストップ安万歳!


「それ、ボクもちょっと食べてみたいな」


 エスルスが小さく息を飲んだ。


「本気で言ってるの?」


 私は上体だけを起こし、怪訝な顔でエスルスを注視した。


「味覚の探求心にはあらがえないんだよ」


 エスルスはニヤリと不敵な笑みを浮かべ、あでやかに舌なめずりをした。


「じゃあ作るぜ? 人数分まとめて作っちまうからな」


 セラはプラスチックの包装を破り、蓋を開ける。中に入ったかやくや、スープの素などを取り出す。


「かやくとスープは先入れなのか」


 セラはパッケージを確認しながら準備を進める。


「DIEソースは後入れみたいだね」


 エスルスはDIEソースの袋を手に取っていた。ダイ君が相変わらずガンギマった表情で舌を出していた。


『はやくするんダァイ!』


 フリードが両手で机をたたいた。


「落ち着けよ。目が怖えんだよ。お前」


 セラはポットの給湯ボタンを押し、お湯を注いでいく。湯気が室内に立ち込めた。セラは三分のタイマーをセットする。


 カップラーメンの蓋をして、三分待つ。


 ピピピピッ! とタイマーが鳴った。

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