第14話「イケメンパラディンと限界リスナーがガチバトルした話」2/2
フリードが双剣を地面に走らせ、リーベに向かって走り出した。
ガリガリと地面を剣で削りながらリーベに近づいた。
地面を擦り上げながら、土煙を起こし、リーベの前まで近づいた。
長身の男がリーベの足元から蒼剣で切り上げた。
リーベが両手を大きく上下に振るった。
リーベの周りを鞭が蠢き、リーベを包みこんだ。
「双蛇の巣でぃ!」
『甘い! 甘いよぉ! どうしてそんな物でボォクの剣に対する愛を超えられると思うんだぁい?』フリードは蒼と黒の双剣を振り続けた。
キンキンと金属音が響いた。火花が散った。
金属音はキキキキキキキと、小刻みになった。
火花が大きくなりダンジョンを照らし始めた。
「くっ……! そんなに死にてぇならわっちの取っておきを食らわせてやらぁッ!」リーベが両手を左右に伸ばすと、大きく振りかぶった。
まっすぐと腰を落とし地面をふんだ。
双鞭がフリードを包みこんだ。
『フフフ……ハーハッハッハァッ! なぁんだい、これはぁ!? すごく! すごぉく! 気持ちよさそうじゃないかぁい?』フリードは双剣を鞘に納めた。
「気持ちいいだって……?」リーベは大きく息を吸った
「くらってから後悔しなぁ! 八岐大蛇の揺り籠ウウゥッ!」リーベが両腕を交差させた。
リーベの鞭が作る球体が縮んだ。
フリードは鞘に納めた双剣を握ったまま動かなかった。
「高速の七十二連撃だ! この距離だと避けられねぇぜぇ!?」リーベは両手が白くなるまで握り込んだ。両腕には血管が浮き上がり、手のひらから血が出ていた。
『剣を……』フリードは剣を握る手の力を緩めた。
『剣を、剣を……』双剣を握り込んだ。
『剣を、剣を、剣を、けぇんをォォォォ……』双剣を抜いた。
激しい金属音が響いた。
『剣を、剣を、剣を、けぇんを! けんを、けんお、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪ォォッ! するほどォッ! 剣を嫌悪するほど愛し! 愛され! 振り続けたボォクの嫌悪がァッ!』
金属音が激しくなり、鞭が象る球体が鞭状に戻っていった。
『たかだか七十二連撃程度に負けると思うかぁい!? 愛が足りないんだよぉおおお! 嫌悪するほどの……』
フリードの剣が双鞭をはじき飛ばした。
『くるくるくるくるぅっ!」
フリードはその場で沈み込み、体をひねると体を大きく回した。
「狂おしいあぁいがあああッ!』
フリートが回転した。
無数の蒼と黒の閃光が走った。
『「双剣極、八十八ヶ所廻り」だぁい』
フリードは回転を止め、双剣を下におろした。
リーベはつられるように両手をだらりと力なく下ろした。
双鞭が手を離れ、カラカラカラカラと乾いた音を立て、地面を転がった。
『もう終わりかぁい? どうしたんだぁい? だぁい、だぁい……』フリードは双剣を振り、両肩に乗せてトントンと肩をたたいた。
リーベはゆっくりと膝をついた。
「リーベさん……?」私は両手を握りしめた。唇が震えた。
「die……」フリードが剣を鞘に納めた。
リーベの体に、十を超える斬撃の跡がゆっくりと浮かび上がった。
体が裂けた。
真っ赤な血が噴き出し、あたりを濡らした。
おびただしい量の赤い血溜まりを作り、その上に鈍い水音を立てながら横たわった。
「LOVE美さぁああーーんッ!」私は血溜まりを気にせずリーベにすがりついた。
限界リスナースクワライドLOVE美こと、リーベ・クレッセンは狂人による強靭な狂刃によりピクリとも動かなくなった。
その隣で剣を嫌悪する狂人の高らかな笑いが響き渡っていた。
=============【作者より】
読んでいただきありがとうございました。
書きダメは以上です。今後は週2ペース程度。
場合によってはもう少し多めに更新します。
LOVE美は強かったですが、それ以上にフリードが狂っていましたね……
次回、ツッコは! LOVE美は! どうなってしまうのか!?
今回はドイツ語講座もLOVE美語講座もなしです。ごめんなさい。
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