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第5話「食欲の魔女をフライドチキンで昇華させて限界リスナーを爆誕させた話」3/3

 スクワライドしか勝たん子:あらやだ!? お腹の音? ツッコちゃん?


「すまない、ボクだ……もうそろそろ12時だからね」エスルスが顔を赤く染めていた。


「あ……そうか。エスルス、渡したカバンの中にフライドチキンサンドがあるからそれ食べていいよ」私は自分のかばんの中から紙袋を取り出した。


「ん……これかい?」エスルスはかばんを持ち上げた。


「そうそう……それでね? カバンの中に、小さな鉄のケースと、網と、小瓶が二つ入ってると思うんだけど……」


「ああ、あるよ?」エスルスが平たい鉄のケースと金網、そして砕かれた茶色い石と、赤色の石がそれぞれ入った2つの小瓶を見つけた。


「これは何だい?」


「えっと、火の魔石と土の魔石を砕いたもの、火の魔石は燃えないように酢につけてある」


 スクワライドLOVE美:え? 火の魔石って衝撃を加えると燃えるわよね?


 スクワライドしか勝たん子:ええ……普通はそうだけど?


 ツッコラーA:今、酢をかけたって言ったねぇ。酢って酢かなぁ?


「ああ……えーっと、火の魔石って酢をかけると壊しても燃えなくなるんです。仕組みはよくわからないんですけど、おばあちゃんに教えてもらいました。」


「それで、この火の魔石と、土の魔石を混ぜて鉄のケースに入れる。網を乗せて水を少量全体に垂らすと、簡易ヒーターの完成です。ほら、バチバチって言ってますよね?」


「ここにさっきのフライドチキンサンドを乗せると、自宅でオーブンで焼いているように調理できます」


 ツッコが説明すると、フライドチキンの表面がバチバチと油を跳ねさせた。サンドイッチの表面もキツネ色に焼けて行く。


 エスルスはその様子をみて、カメラで自分とフライドチキンサンドが映るように試していた。


 エスルスの目の前でバチバチと音を立ててフライドチキンサンドに火が通っていく。


 エスルスは香りを楽しんだ。


 エスルスは手に持ち一口かぶりついた。無言で咀嚼(そしゃく)する。フライドチキンのザクザクとした音と、レタスのシャキシャキという音が響いた。


 スクワライドしか勝たん子:ちょっとお腹すいてきたんだけど……


 ツッコラーA:これが飯テロ配信かぁ……ダンジョンの中での食事なんて正気じゃないと思ったけど、調理器具のアイディアも含めて面白いねぇ。


 エスルスは目を見開いた。カメラを掴んで叫んだ。


Das Wunder(フライ) des frit(ドチ)ierten H(キン)ähnchens(の奇跡)ッ!!!!』


 スクワライドLOVE美:何事!?


 エスルスは大きく息を吸うと、一息に食レポした。


『衣のサクサクザクザクという心地よい触感の直後、溢れる肉汁という名の魔力の奔流(ほんりゅう)が味覚の深淵(しんえん)を蹂躙する! 魔石たちの力を借りて油の重量感(ゲヴィヒト)を中和し、このfritierten(フライド) Hähnchens(チキン)の味わいをさらに高次元へと昇華(ズブリミーレン)ッ! させているぞぉおお! あぁ、ボクの魂が、胃袋が狂喜乱舞しているよツッコォォッ!』


 スクワライドLOVE美:ちょっとこっちの残念美女も結構いいキャラしてるわね。


 ツッコラーA:銀髪美女×ディアンドルにドイツ語ってキャラ立ちすぎだねぇ。


 ツッコラーB:ホント、クッソウケるw


 エスルサ―A:私、この人推すわ。


 スクワライドしか勝たん子:エスルサ―wwwww


「ん-! 美味しい! やっぱりこの道具サイコー! おばあちゃんの知恵袋様々だわー」私はフライドチキンに舌鼓をうっていた。


「あ! お昼休み後に配信再開しますが、このままつないでいるので皆さんもご飯食べて感想送ってくださいねー!」私はカメラ目線でフライドチキンサンドをほおばった。


 スクワライドLOVE美:ちょっとフライドチキン買ってくるわ。


 ツッコラーA:僕もぉ……


 ツッコラーB:私も


 エスルス―A:私も


 スクワライドしか勝たん子:私も


 =============【作者より】

 読んでいただきありがとうございました。


 ツッコラー&エスルス―爆誕ですね。いや、しかし普通にツッコかわいいなと思ってしまった。限界残念女子を書いているはずなのに……


 次回更新明日118時10分予定です。


 〇今回の声に出して読みたいカッコいい言語・ドイツ語講座ァーッ!


 Das Wunder des fritierten Hähnchens フライドチキンの奇跡!


 Wunderヴンダー 奇跡


 desデス ~の of


 fritierten Hähnchens (フリティーアテン・ヘンヒェンズ) フライド・チキン


 sublimierenズブリミーレン……昇華する(固体から気体への変化、精神的な高まり)


 ä:前回登場した ö に続き、今回もaの上に点々がついている「ウムラウト」の仲間です!


 こちらもドイツ語特有の音で、今度は口の形を「ア」にしたまま「エ」と発音するという、これまた日本語にはない複雑な響きを持っています。


 日本語のカタカナで強引に表記するときは「エー」の音に近くなるので、Hä の部分が「へー」となって『ヘンヒェンズ』になるんですね!


 なお、フライドチキンは、Backhähnchen (バックヘンヒェン)って言ったり、最近のファストフード店だと英語を混ぜてCrispy Hähnchen (クリスピー・ヘンヒェン)と呼ぶ方が一般的だったりします!


 続いて sublimierenズブリミーレン


 ドイツ語だと先頭のsは「ザジズゼゾ」で発音することが多いんです!英語の感覚だと「サブ」って読みたくなりますが、ドイツ語らしさを出すなら「ズブ」になります!


 ただ、これにはめちゃくちゃカッコいい「例外」の法則がいくつかあるので……それはまた今度のドイツ語講座で紹介しますねー! お楽しみに!


 ブクマ、感想、★評価をいただけると執筆の励みになります。引き続きよろしくお願いします。

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