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第5話「食欲の魔女をフライドチキンで昇華させて限界リスナーを爆誕させた話」2/3

 スクワライドLOVE美:ホ……ホントにやるのね……


 スクワライドしか勝たん子:なんだか緊張するわね……


 エイト:無理無理無理無理―――wwww


「えい!」


 私は白い線に向かって真っすぐに突いた。


 驚くほど剣がスムーズにアシッドスライムを捉えた。


 空気の層を撫でるような感じで、


 剣が溶けることもなかった。


 真っすぐに剣が走り、核を両断した。


 アシッドスライムは崩れ落ち、


 核だけが残った。


 スクワライドLOVE美:HA?


 スクワライドしか勝たん子:ま……?


 スクワライド推して参る隊Z:やだ……


 エイト:ラッキーだろ!? 運だろ!! こんなの!!


最高だ(Wahnsi--)ーーーーnn!!』エスルスは立ち上がりのけぞった。安定の脱ワイプだった。


「え……? こんな簡単なの?」私は自分の手を見ていた。足元に落ちたアシッドスライムの核を拾った。ほぼ無傷でキレイに両断できている。


 ――はは……凄い……すごいすごい!


「やった! やったよ! エスルス! 私! 私! アシッドスライム倒したよ! 見てよこれ! 凄いきれいな核だよ!」私は核を拾い上げた。


 満面の笑みでカメラに向けると小さく跳ねた。


 くるくる回った。


 スクワライドLOVE美:ヤダ……あたしこの子スキ……


 スクワライドしか勝たん子:アタシも……


 エイト:おいおい!? たまたまだろこんなの!?


 スクワライド推して参る隊F:ちょっと、エイトとか言う人空気読んで。


 ツッコラーA:ほんとだよぉ……空気読もうよぉ……


 スクワライドLOVE美:ちょっとツッコラーって何よ?


 ツッコラーA:吐瀉物動画で、ツッコが自分のファンのことをそう呼んでたんだよぉ……


 スクワライドLOVE美:あらやだ! ダサ可愛い!


 ツッコラーB:最高同接2だったけど


 スクワライドLOVE美:あらやだ! 不憫……


「ツッコ……よかったね、アシッドスライムの核は結構お金になるはずだよ。何を……何を食べさせてくれるのかなぁ」エスルスは涎を拭っていた。


「やったー! これから吐瀉物扱いした人たちにIPアドレス開示請求始められるわー」私は空を見上げていた。


 スクワライドLOVE美:ちょっと! ツッコちゃん冗談よ。でも、おめでとう。私、見てて涙が出ちゃったわ。さっきも言ったけど、あなたのこと好きよ。これからも応援するわ。


 ツッコラーA:僕もふざけてるわけじゃないんだよぉ。君のことが心配だから……一番目のファンだよぉ。


「み……みんな……ありがとう……私の動画また見てくれるの……?」私は上目遣いでカメラを見つめていた。目は涙で潤んでいた。


 スクワライドLOVE美:は……はーーーーんッ!! とてつもない上目遣いいただきましたーーーーん! キーボードもッ! ターーーーンッ! 至高の! 至高の上目遣い! SHI KO UUUUUUUU!


 スクワライドしか勝たん子:ちょっとLOVE美さん、深呼吸。


 スクワライドLOVE美:ごめんなさい……ちょっと天使が顕現していた気がしたのよ。気のせい……じゃないわーーー! まだいる! 目の前にいる! 映ってる! カメラに! カメラにツッコ(天使)が映ってるわーーーっん! 東京湾わーーーん!


 スクワライドしか勝たん子:あ……ダメだ。エンジン入っちゃった。


 スクワライドLOVE美:投げ銭よ! 天使様にお賽銭よ!


【スクワライドLOVE美さんからウルチャが届きました:500万円】


「おや? ツッコ? LOVE美さんからウルチャというものが来たよ? これは何だい?」エスルスは首をかしげた。


「ウルチャ!? LOVE美さんありがとうございます! 私初めてなんです……ウルチャもらうの……えへへー」私は頭をかいた。


 スクワライドLOVE美:は……初めて!?


 スクワライドしか勝たん子:もうやめてLOVE美さん……他の視聴者が困る。


 スクワライドLOVE美:ごめんなさい……ファン失格ね……


「え……? え!? えーーーーーッ!」私はパソコンを開いて、その額を見て固まった。


 眼を見開いた。


「ご……ひゃ……ごひゃ?」声が出なかった。


 スクワライドしか勝たん子:ちょっとLOVE美さん、やりすぎよ。配信者固まらせてどうするのよ。こんなの放送事故じゃない。


 スクワライドLOVE美:……ごめんなさい。あまりにも天使が可愛くて……でも受け取って? こんなに高額なのは今回限りだけど、先行投資だと思って。


「……お気持ちは嬉しいんですが……私にそこまでしてもらう価値があるとは思えなくて……」私は目を伏せた。


 エイト:ホントだよw 身の程を知れ!


 スクワライドLOVE美:エイトとかいうやつ……いい加減にしな? アタシの推し活の仕方に文句でもあんの!? さぞかし面白い動画作ってるんだろうね!? 今度遊びに行くから覚悟しとけよ、お前。面白くなかったら……ねえ?


 スクワライドしか勝たん子:私も見に行こう!


 スクワライド推して参る隊A:そうね。次はエイトさんの最高に楽しい動画を見に行きましょう?


 ツッコラーA:それはさぞかし面白いんだろうねぇ……?


 ツッコラーB:アシッドスライム素手で倒してみた! とか?


 スクワライドLOVE美:それはツッコ超えね。楽しみだわぁ?


 スクワライドしか勝たん子:あら? エイトいなくなったわよ?


 ツッコラーA:逃げたねぇ。


 ツッコラーD:逃げたわ。ツッコみたいに開き直ればいいのに、メンタル弱者ね。


 私は顔を押さえていた。下を向いていた。


 ――ダメだ笑うな……視聴者が見ている。これはさすがに笑わずにはいられないけど……


「ぐぅ~~~~~!」


 その時、静寂を切り裂くような大きな腹の音が配信内に広がった。

読んでいただきありがとうございます。

次回更新は明日の18時10分です。

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