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第5話「食欲の魔女をフライドチキンで昇華させて限界リスナーを爆誕させた話」1/3

「みなさん、『ツッコのダンジョン配信脱力解説講座、飯テロもあるよ』第1回は以上で終了しまーす。ご視聴ありがとうございましたー!」


 私は満面の笑みで配信装置に向かい、手を振った。背景では「ジジュウ……」と白煙を上げながら岩肌を溶かすアシッドスライムが映っていた。


「こらこらツッコ、現実逃避をしてるんじゃないよ? さっきも伝えた通り、スライム種は核を貫く角度さえ間違えなければどんなものでも倒せるんだよ?」


 スクワライドLOVE美:大丈夫なの!? アシッドスライムって本来こんなところじゃ出ないし、通常Cクラス配信者が倒すモンスターでしょ?


 スクワライドしか勝たん子:しかもそんな短剣じゃ危ないわ! 無理はしちゃだめよ!


 エイト:ツッコには無理無理w 腕が溶けてBANされるよw やめとけやめとけw


「ほらー、解説のエスルスさん! みなさんもこういってますよ? 無理せず堅実にいくっていったじゃないっすかー!」私は全力で世論に乗っかった。


 ――エイト……柳井は今度会ったらしばくけどな!


「何を言ってるんだい? ボクは堅実に行くなんて一言も言っていないよ? スライム+αで無理はしないといったんだ。これはスライム、無理でもないよ。さ、やるんだツッコ。君ならできるよ?」エスルスは肩をすくめて、手のひらをカメラの画面に向けた。


 スクワライドLOVE美:ツッコって子そんなにすごいの?


 スクワライドしか勝たん子:わからないわ! 配信実績が少なすぎる!


 スクワライド推して参る隊A:ダメよ! 調べても吐瀉物みたいなぶりっ子動画しか出てこないわ!


 スクワライド推して参る隊G:ホント! 吐瀉物ですら可愛いくらいのひどいのしか出ないわ!


 スクワライド推して参る隊L:この子情報がなさすぎるのよ。もしかして意図的に情報隠されてる!? まさか国家配信者!?


 エイト:吐瀉物wwwwww 国家wwwww 皆さーん俺の動画の方がすごいですから今度きてくださーい!


「おーい、さらッと私の黒歴史発掘してディスるのやめてくださいー。あと、私の動画ってそんなにゲロっぽいですかね……普通に凹むんですけどー」私は左手の手袋の指先を右手で弄んでいた。


 スクワライドLOVE美:……もんじゃ焼きっておいしいわよね?


「あぁあ!? フォローになってないんだよぉおおおお!」私は手袋を地面に叩きつけた。


「LOVE美さん! もんじゃ焼きっていうのは何だい!? それは美味しいのかい!?」エスルスは色めき立った。


「そこにのっかんじゃねーよ! お前は!? それよりホントにこいつ上から刺せば大丈夫なんだろうな!?」私は切れた。アシッドスライムを指さした。


 スクワライドLOVE美:ヤダ、この子、気だるさMAXの限界女子がキレ芸かますなんてギャップ萌え要素あるんじゃない?


 スクワライド推して参る隊X:いやー、流石にそれはちょっと違う気が……愛嬌はあるけど。


「ツッコ……大丈夫だよ? ボクがキミをだますと思うかい? トンカツも、もんじゃ焼きも食べていないというのに?」食欲の魔女は涎を拭った。


「あんたは食欲には素直だからね……わかったよ! やってやるよぉ―――ッ!」


 ――ここまで人が集まっている中でアシッドスライムを倒したらバズる! 腕が溶けたらBANだけど、ワンチャンセクシー部門の撮影は避けられるかも!?


 私は禍々(まがまが)しい臭気を放つ黒紫色のアシッドスライムを見た。赤黒い核が見えた。


 目を凝らしてよく観察した。


「確かに突起が出ているような気がする……あれ?」


 私は目をこすった。アシッドスライムの黒紫色の体の奥、核の部分から外に白い線が真っすぐ伸びていた。


 よく見ると、核の突起からまっすぐに伸びていた。


「エスルス……白い線を突けばいいのかな?」私は剣を構え、息をのんだ。


「うん? 白い線? よくわからないけど突起の直線状からまっすぐ行けば大丈夫だよ?」エスルスは腕を組み、顎を乗せ、画面に集中していた。


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