↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食欲の魔女と底辺OLのダンジョン飯テロ配信~「赤字ならクビ」と言われたので、ポンコツ魔女に飯を食わせてブラック企業の売上を超えます~  作者: ダニエルさん
第2章:Sランク配信者なんて無理無理無理! でも、魔石採掘部門にはいきたくない!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
119/122

第69話「限界OL配信者が運命の扉を叩こうとしたらGGKに阻止された話」 2/2

「あ、コレならできます」


 私はうずまきクッキーのことを思い浮かべながら、指先で紫色の闘気を渦巻かせた。


「そうそう、それだね。偉いじゃないか、ツッコちゃん」


 フリードは私の頭にぽんぽんと手を乗せた。


 私はフリードの顔を見上げた。


 フリードは少しはにかむように微笑んだ。


 イケメンであった。


 私の胸に何かが刺さった。


 ――ズッキューーーーン! 私のハートが射抜かれましたよ!


 イケメンはさらに左右に手を動かす。


 優しく撫でる。


 指先がかすかに耳に触れる。


 私の心臓が射抜かれる。


 手の動きに合わせ、二本、三本。


 ハチの巣のように貫かれていく。


 ――ズキュキュキューーーーン! 私のハートがハニカム状態でもうもたーーーん!


 私は顔を真っ赤にし、指先に紫色の闘気を渦巻かせたまま体を縮めた。


「それでね? ツッコちゃん。極端に熱い場所や寒い場所では、外気から体を守るために全身をこういう風に包むんだよ?」


 フリードの指先でパチパチと弾けていた灰白色の闘気が、少しずつ音を小さくしていく。


 指先から手のひらへ。


 手のひらから腕へ。


 肩から胸元へ。


 薄い灰白色の光は流れるように広がり、やがてフリードの全身を包み込んだ。


「ツッコちゃん? ちゃんと見てる? ほら、こんな風に全身で循環させればいいんだよ」


 私は顔から手を離し、しゃがみ込んだままフリードを見上げた。


 フリードの全身が薄い灰白色に輝き、その光が体の表面を流れるように動いていた。


 ロマンスグレーイケメンであった。


「おっふ」


 私は息をするのを忘れていた。


 目をそらすように体を縮こまらせた。


「コツは簡単で、指先でやっていた動きを全身に取り入れればいいんだよ? って、ツッコちゃん聞いてる?」


 イケメンは腰をかがめ、丸くなった私の顔を覗き込んだ。


 私はさらに体を縮こまらせた。


 ――イケメンヤバいです。今までの所業がなかったことになるくらいカッコいいです。今更だけど恥ずかしい。穴があったら入りたい。


 私は指先から闘気をあふれさせたまま膝を抱きしめ、体をさらに小さくした。


 ――端から見ればアルマジロのようなものだろう。まん丸なアルマジロ。


 ――そうだ! 私はアルマジロだからイケメンオーラから身を守るんだ!


 私は己の身体を一つの大きな球に見立てた。


 指先で作っていた紫色の渦を、そのまま体全体へ広げるように意識しながら、さらに丸くなる。


 目の前が淡い紫色に染まった。


「……ん?」


 私はうっすらと目を開けた。


 自分の腕を見る。


 薄い紫色の光が腕を包み、その表面をゆっくりと流れていた。


 私は目を大きく開き、丸めていた体を少し緩める。


 足も同じように紫色に輝いていた。


『ああ、初めてにしては上手じゃないかぁい』


 イケメンがニチャリとした粘り気を含んだ声を漏らした。


 私はゆっくりと顔を起こすと、紫色の闘気をまといながらイケメンを見上げた。


 イケメンはそこにはいなかった。


『殺してくれと懇願してくれと叫ぶ辛さ』で、私の中のNo.1ガンギマリストだったダイくんを超える、ガンギマった上半身裸の何かがそこにはいた。


 そのガンギマった何かは首から下げた十字架に手を添える。


 十字架が淡い灰色に輝いた。


 それと同時に、ガンギマリの全身から灰白色の光があふれ出す。


 ――このガンギマリ……発光するの!?


 十字架が強く輝き、霧のような灰色の粒子へと変わった。


 粒子がガンギマリの全身を包み込む。


 霧が少しずつ形を成し、黒色の鎧へと変わっていった。


 肩。


 胸。


 腕。


 腰。


 脚。


 次々と漆黒の装甲がガンギマリの全身を覆っていく。


 私の目の前でブラックアーマーガンギマリストが爆誕した。


 その爆風に吹き飛ばされるように、私のハートのときめきは霧散した。


 ――顔が良くてもガンギマリはガンギマリなんだよ。何度も騙されちゃダメだよ? 私?


 そのトキメキと同じように。


 私の全身を包んでいた紫色の闘気も、ふっと霧散した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。