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学校祭の翌日

 ゆいは、睡魔に襲われ一瞬意識を失った気がした。はっと気が付くと、学校祭の片付けをしていた。かなりの時間を過ごしてきた筈だが、元の世界での最後の記憶、学校祭の翌日だった。状況把握が追いつかず、取り敢えず、平静を装ってみた。

 ゆい以外でも、何やらソワソワしている人達もいて、鑑定してみる。アッチの世界が夢ならば、鑑定なんて出来る筈も無いが、ソワソワ組は魔力やスキルの保有状態がアッチと同様に見え、平常組は『ログアウト済み』と見えた。


『ねぇ、念話、通じてる?』

スープメンバーに呼び掛けた。

『おお、オンラインだぜ!』

トムが即答、郁も含めメンバー全員と繋がっている。

『アッチの世界の姿と能力のままだな、きっと、そしてコッチの元の世界の元の時間に帰って来たんじゃないかな?』

フカヒレの推測に皆が同意した。

 現状把握にソワソワしているうちにチャイムが鳴った。下校前に『ログアウト済み』の数人に、何か変わった事が無かったかを聞いてみた。

「寝落ち?一瞬夢を見た感じで、『本編へ進む』『ログアウトする』って二択を迫られてさ、ヘンな感じになってさ、何となく、ログアウトを選んだ様な気がして、多分ホントに一瞬だったと思うんだ、普通に掃除してたから。」

全員似たような反応だった。アッチの共用言語のエルフ語は当然通じない、

「有難う」

と言っても、

「えっ何か言った?」

理解した反応では無いし、勿論念話も通じない。

 本編に進んだと思われる人達で性別がそのままの人達は、見掛けは元のまま。元の世界での、唯一は罰ゲームの様にセーラー服を来ていたので、今も着ていてある意味妥当と言えるが、性別が変わった人達は、今の性別に合った制服で直前のチュートリアルの時の姿だった。チュートリアルの記憶をしっかり持っているし、鑑定するとアッチで身に付けた魔力やスキルを保有している。エルフ語、念話共に通じる。


 取り敢えず下校。駅に向かいながら現状を整理する。ログアウト組は、チュートリアルの記憶は無いし、唯一がゆいになったのを不思議に思っていない。と言うか、元々ゆいだったような反応。着ているものは女子の制服だしまだ確かめていないが下着も合った物を着けている筈。生徒手帳には、『奥野 ゆい』と記載され定期券も同様だった。


「ゆい、鑑定出来るよね?」

制服でロリ巨乳美少女に磨きが掛かった郁が駆け寄った。

「鑑定って?」

「ドラッグストアで検査薬買うより正確でしょ?」

「あ、あぁ。アッチじゃ妊娠してたもんね。」

郁の額に手を翳して軽く魔力を込める。実は、周囲を大雑把に鑑定した時点で、結果は解っていたが、好ましい結果じゃなかったので念のため、詳細を視る。更に念入りに、腹部に手を翳して魔力を込めた。

「3ヶ月ね、性別はまだ解らないわ。それともしかしたら双子かも。どうするの?」

「どうって?」

「今ならまだ中絶出来るでしょ?」

「えっ?産むよ、勿論!」

ゆいは反応に困ったが、本人がそう言うなら祝福するしか無いだろう。アッチなら父親は王になった宏だが、コッチでは誰なんだろう。

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