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戴冠式

 戴冠式が行われる大広間とは別の広間に案内されると、大公家の皆様は既に着席。ゆいの席は最前列中央に左右1席ずつしかない左側、右側には大公が座っている。指定席なので、落ち着かないが仕方が無い。着席すると、司会らしき人が、ゆいの仕事について説明を始めた。

 この結婚の儀は、大公嫡男の結婚式との事。平民の郁が王妃になるのはムリが有るので、いくは聖女としての実績を評価され、一代限りの男爵に。それでも王妃はムリ。平民の郁に、それ以上はムリなので、大公家に嫁入りし、宏が王位が着いたらその妻が自動的に王妃になると言う辻褄合わせの儀式らしい。ゆいの任務は、教会の結婚式で指輪を新婦に渡す様に、新婦から新郎に贈られる宝剣を渡す事と、新郎の父から、結納的な贈り物を受け取る事とのこと。他の席を眺めると、前から上席で同じ列では中央が上席らしいがゆいの後にはミンシル、そこから5人並んでいる。当然の様に居心地は良くない。一通りの流れと、作法の説明が終わり、新郎新婦の登場を待った。


 2人は入って来ると、祭壇の前に跪く。神官が祈りを捧げ、

「御尊父様、立会人様、ご用意を。」

祭壇の端っこの台から宝剣を取り新婦に渡して、後で跪く。大公も同じ様にネックレスを渡した。

 新郎新婦は向き合って立ち、新婦はまた跪いて、宝剣を捧げる。

「貴方を夫とし生涯を捧げます。私に非がありますれば、この剣で心臓を貫いて下さい。」

定型文らしいが、やけに物騒な誓いを立てた。

「心得た。」

新郎は、ひとことのみ。ネックレスを首に掛けると、2人は祭壇に向かった。神官は、

「ご生家様へ」

すると大公は、懐から目録を取り出して読み上げる。

「本来、新婦のご生家に贈る物だが、諸事情により、冒険者パーティースープに贈呈する!」

現金、宝物等々を読み上げると、小声になって、

「最初から知らせていたら、ここに立ってはくれなかっただろう?決まり事じゃ、受け取っておくれ。」

司会の説明では新婦に贈られる物を代理で受け取る様に聞こえていたが、そう思わせるようにしていたと、後になってからは理解出来た。断っては式をブチ壊しかねないので、不本意ながら、大公の手の平で踊る事にした。


 取り敢えず、無事に結婚の儀を終えた。次に控える戴冠式も、説明を聞くとかなりの上座。王妃の親族席らしい。やはり落ち着かないが、一連の流れから想定していたので、式が進むのをただ淡々と待っていた。


 式を終えて晩餐会。深夜にやっと解放された。ゆいの客間に集まって、精神的疲労を愚痴りたい気分でグッタリしていると。久し振りのあの感覚、脳にテロップが流れて来た。


『帝国の四神器募集、王族を輩出。全てのチュートリアルが完了しました。』


少し間を置いて、


『本編へ進む』『ログアウトする』


の二択、ゆいは

本編へ進んだ。


 

 

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