紅の調べツアー
何とか平静を取り戻したゆいは、改めて、遠征の計画を見直そうと、地図を探した。
「ただいま!」
トム、ボル、ブイヤが帰って来た。
「あれ?サスペンションがどうのって遅くなるんじゃなかったの?」
「あぁ、皆んなでいてもしょうがないからさ、ミンシルとフカヒレが残って、俺達、委員長のとこ行ってきたんだ。」
そう言いながら、小冊子?書類を綴じた物を差し出した。
「紅の調の情報を纏めてくれたんだって。紅は5つでワンセットらしいよ。」
委員長が提供してくれた資料未踏破ダンジョンの一覧で、それぞれ現在到達している最深部までの情報、それらから考えられる最下層までの階数、難易度、神器がある確率がびっしり書き込まれ、高確率なダンジョンを効率的にハシゴする最短ルートもしっかり載っている。宿や、キャンプスペース、ギルドのある街、食料調達出来る所からご当地グルメまで、至れり尽くせりだった。因みに、紅の調べの残り4つが何なのかは不明だが、多分楽器らしい。まぁ、そこまでなら調べ無くとも想像はつくが。
ツアーのパンフレットを見る気分で盛り上がって来たところに、ミンシルとフカヒレも戻り、一緒に旅談議。
「あ、でも、街道が整備された最新の地図貰ったからさ、ルート見直した方が良くない?」
フカヒレは馬車屋で貰った地図を広げ、委員長の資料と見比べた。
「うわッ!元の地図はちょっと前のだけど、新しいルートとか全部朱書きで更新してあるよ!で、メチャ正確。」
委員長オススメルートで見直しは必要なし。温泉やグルメの話しをしながら、近くの居酒屋に向かった。
軽く飲んで早めに帰り、早めの就寝。ゆいは遠足前夜の様に眠れないかと心配したが、割とアッサリ寝付いたらしい。ただ、他の部屋では、明日から暫くは大部屋で雑魚寝の可能性が高い為、イクシー不在で各自で処理していた行為をじっくり堪能して、やや夜更かし。それほど早い出発では無いので、然程影響のない程度で眠ったらしい。
翌朝、大公に挨拶してからの出発。事前に告げてはいたが、
「遠征から貰ったら、また離れを使うといい。」
と、帰って来る前提だった。ゆい達は、定住する気は無いので、宿屋暮らしを続けるつもりで、離れの荷物は引き払っていた。まぁ、無理矢理連れ戻される事は無さそうなので、王都に戻っても、適当に誤魔化そうと思い、何となくお茶を濁して屋敷を旅立った。




