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王族達の期待

 王国が一枚岩であれば、近隣諸国との力関係は圧倒的で、闘いが起きる心配は殆ど無いが、継承争いで国力が落ちたり、最悪3分割してしまい、内戦に力を削がらてしまえば、国境のパワーバランスは微妙になり、今まで王国の上から目線に不満を抱えている国は、千載一遇のチャンスと捉える可能性は高いだろう。

 面倒な事に、王子達の母親はそれぞれ違う王妃で、それぞれの実家を核に推し勢力が集まりつつある。危惧されている、3分割の恐れが高まっている。

 王は王子達に、今後の展望を語らせたが、母の実家を含めた推し貴族達の甘言で緩く育ってしまった様で、3人揃って3分割止む無しと考えていた。

 王子を集め、王位継承を討議させたが、意見は全くの平行線、歩み寄りのカケラもなく、結論に至る事は不可能と思われた。


 王子達の討議を切り上げた翌日、王家から重大な発表が二日後の正午にあるとの発表があった。第一王子を継承者に決定する発表との予想が主流だった。

 城の広間には、王族と上位貴族が集まり、城前の広場には、拡声装置が配備され中に入りきれない貴族達が城下のあちこちの街頭拡声器には平民達が詰め寄せた。


「只今をもって、我が甥であり、大公家長男の宏に王位を継承する事を、ここに宣言する!」

まさかのダークホース、しかも継承者の発表ではなく、現時点での王位継承だった。自身の亡き後では、継承者を決めていても、スムーズには行かない事を想定していると思われる。

 更に念入りな事に、3王子はそれぞれ自分の母親ではないの実家の養子となり、また別な王妃の実家から妻を娶らせた。具体的には、第1王妃の息子が、第2王妃の実家の養子となり、第3王妃の実家から妻を娶る。3つの勢力を政略結婚で結び、表立っての闘いを未然に防ぐ事と、王子推しの貴族達を撹乱する事が目当て。目論見通り、各王子派はどこに着いて誰と組むのかバタバタと探り合い新王に対する不満を上げる事も出来ずにトントン拍子で宏王が誕生した。


 即位の儀式が計画された。宏は同時に結婚を発表したいと先王に相談した。

「今、大公邸に逗留している娘は、椿嬢の替え玉と申してなかったか?」

「はい、実際は、聖女とも呼ばれる冒険者です。」

聖女としての活躍、ホンモノの椿嬢との歳の差、継承問題が解決して政略結婚の必要が無くなった事、椿の実家里塚家も乗り気では無い事を強調して、イクシーとの結婚を主張、渋る先王に、

「その、実は、あの娘の操を・・・」

既に関係を持ってしまった事を告げ、何とか同意を得た。


 翌日、宏は王城にイクシーを呼んだ。対外的には椿嬢としての行動なので、王命に従う。お供は最小限てよいとされ、メイドのゆいと護衛は5人だけ。実質、スープメンバーでの登城となった。


 城では、豪華な宴会の支度が整っていた。通常、メイドや護衛の席は無い筈だが、それぞれ用意してあ 鍵り、しかも上座の方だった。王家で手配したお迎えの馬車での登城なので遅刻ではない筈だが、テーブルは、王族や国の重鎮達でほぼ埋まっていた。

「椿様はしばし、コチラで。」 

イクシーは控え室に呼ばれ、ゆい達は席についた。 

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