タイムスリップ?
交代制が定着、狩りをしたりダンジョン攻略をしながら旅を続けて、ローシュクに到着した。
両替を試みるが、断られる。狩りの獲物やダンジョンの戦利品は換金出来たので、元ドワーフ達の衣服を買いに行った。
「皆さん、レトロ縛りですか?」
「何か可怪しいです?」
「私のおばあちゃんが若い頃流行っていた感じですね。」
年配の店員さんのおばあちゃんって、どのくらい前のファッションなのだろう?悪目立ちは避けたいので、流行の変化が大きな女性の分を、今流行りと言うか、周りの人達に合わせた物で揃えた。
女子達が衣類を調達している時、男子は馬車の整備。『整備士』の職業を持った者も居るが、工具もパーツも無いので、馬車屋を訪れた。
「こりゃすげぇな!百年は大袈裟だが、そうなだな、7、80年前の馬車だな!それが現役で走ってるなんて、どんな魔法なんだ?」
「どんなって、気が付いたらロームネンのキャンプスペースに居たんだ。もしかして、古過ぎて直らないとか?」
「今の馬車の部品は使えんな、でも、躯体がしっかりしているから、少し補強すれば充分走るし、領主様んとこなら式典なんかで乗るのに欲しがりそうだな、その辺のヤツなら10台分位で売れる筈だ。」
数台並んだ中古の小型車を指差した。
あまりにも古い型は、ポンコツでは無く、レトロに分類されるらしい。街道が整備され、簡素化された馬車に置き換わり、式典で領主が乗る格調高い馬車が、数十年前のレプリカで、持ち込んだ馬車は、それ以上の価値との事。
修理に必要な工具と素材を購入、『整備士』がパーツを作って、傷んだものと交換した。領主に売り込もうと、馬車屋の主に手数料15パーで仲介を頼んだ。
レトロ馬車は金貨600枚、手数料を差し引いて510枚、馬車屋の主が比較にしてた中古車が50枚前後だったので、ほぼ見積り通りだった。全部売っても良かったが、式典に使うのは1台だけ。200枚の新車を買って、女子達と合流した。
充分な軍資金を得て、男子も衣類を調達、テント等も新調した。馬車以外は、周りと似たような見掛けになってカヒサーに向かった。
ローシュクの領主が、レトロ馬車を購入した噂の速度は、馬車が進むよりも速く、大きな街に着くと、馬車屋が嗅ぎ付けて、商談にやって来る。少し勿体ぶって、手数料を10パーにして大体600から800の利益、都度200枚の新車を購入した。
カヒサーでも1台売って、レトロ馬車は残り1台。何のトラブルも無く通過した。
チーラッソを通過する時、エルフの里だった所に立ち寄った。食堂の店員さんと世間話、いろいろ情報を集めて、
「ここって昔から、ヒューマンの集落でした?」
「あら、お客さん、面白いこと言うのね!ヒューマンって人間ってことでしょ?他もいるみたいに言うのね!お伽噺じゃないからエルフとか獣人なんて居ないわよ。」
委員長の質問は、ギャグだと思われてしまった。
馬車、衣類等は、この世界の昔の物らしいが、第二チュートリアルまでは当たり前だった種族はここには存在していない。また別の設定に居るようなので、第三チュートリアルの可能性も高そうだ。そうであれば、クリア条件が何か調べる必要があるだろう。少なくとも、ここに来るまでには無かったように思われる。
そのまま王都に到着。冒険者以外の職業の人達は、途中気に入った所に定住する事を考えていたが、王都まで全員一緒だった。
最後のレトロ馬車を売って、360枚の高級車と、45枚のオンボロを購入、『整備士』のスキルでニコイチにして、見掛けはオンボロの高性能車に改造した。
それぞれ、自分の職業に合わせて、王都かその近辺で仕事を見つけ、そこに定住する事になった。委員長はギルド職員に、イクシーは、スープメンバーに混じって冒険者登録をした。所持金を均等に山分け。1人金貨130枚ちょっと。新生活を始めるには充分な額だ。




