第三チュートリアル?
一瞬、意識が途切れて視界が変わると、いつもの?スタート地点?過去3回とは少し雰囲気が違った。
先ずはメンバー。32人で男子22人女子10人は第二チュートリアル修了時と変わらないが、ステータスから『種族』の項目が無くなって、見た所全員がヒューマン。普通に人間に見えた。持ち歩いていた物はそのまま、シルクのアジトでオリジナルの絹子が抱いていた魔石と、献上したはずの鞘、さらにはその中身の漆黒の剣もゆいのポーチに入っている。馬車も6台あり、全員が乗っても余裕がある。着ている物もそのまま、元がヒューマン、エルフの場合は問題無し。獣人、鬼人、龍人はダブダブだが何とかなる感じ。ドワーフは丈が足りずに困ったが、着替えを融通して取り敢えず解決。
ステータスに『種族』の代わりに登場したのは『職業』、自分を鑑定すると『冒険者』で、スープは全員冒険者。他を見ると『農業』『漁業』『商業』等々、委員長は『政治家』だった。
景色と言うか、その場所は、同一地点にも思えるが、ただの広場だったが、井戸があって人為的に整備されたキャンプスペースになっていた。そこから延びる道路は、ただ踏み固めただけだった凸凹道が、砂利を敷いてある程度は平坦になっていた。
「さて、今回は、第三チュートリアルかな?」
委員長が、状況把握を試みる。意見交換して、前回獣人の集落だった所に向かう。途中、蜘蛛の魔物を退治したが捕らえられた獣人は居なかった。
集落は、同じ場所に有ったが、住民は全員がヒューマンだった。店で買い物出来るか確認すると、
「え?この金貨って何十年前の?大きな街なら両替所があって、今の金貨に替えてくれる筈だな。まぁ取り敢えず、コレに替えてやる。ホントはもっと出さんばならないんだろうが、俺も使えんくなるから、勘弁してくれ。」
金貨3枚に替えてくれた。
宿は大人数収容出来る所は無く、食糧等を買い、元のキャンプスペースに戻ってテントを張った。
一泊して、元エルフの集落だった所に向かった。蜘蛛の魔物を売却して当面の路銀を確保。やはり宿は足りないので王都に向かってキャンプする事にした。
それぞれ同じ職業でグループを作って、どこかの集落に入るのか、取り敢えず王都に向かうのか、決定はせずに、生き当たりばったりにする事にしている。
「流石にアタシの同業者は居ないか。」
何となく、スープと行動を共にしているイクシーがボヤいた。
「え?職業教えてくれないじゃない。」
「ゆいは、鑑定で知ってんじゃないの?」
「嫌がる事は、勝手に見たりしないわ。」
「じゃあ、見てよ、今。」
ゆいが鑑定すると、職業は『娼婦』だった。
「えっと、なんて言うか・・・」
ゆいが反応に戸惑っていると、
「こっちに来て、悪さばっかしてたから、バチ当たったんだろうね。やっぱ、コレはさ、知られたくないんだよね。」
「じゃあ、『冒険者』って言う事にしとこ、元々私達と一緒だから。」
「うん、ありがと。」
第二チュートリアルで、対シルクの共闘でそれまでのわだかまりはかなり軽減していたし、現在の弱い立場を思うと、保護対象にしか思えなかった。
一段落したかと思ったら、
「ゆいはさ、まだ処女なんだね。」
「・・・うん、まぁ。解るの?」
「多分、職業で貰えるスキルだと思う。経験済みかとか、どんなコトが好きかとか、どこが敏感なのかとかね、あと便利なのは避妊かな?」
「いや、便利って?」
「それでね、スープの連中、ミンシル以外は童貞なんだけど、ゆいがキープしている男はいる?」
「いや、そう言う関係じゃないから。」
「じゃあ、アタシが誰と寝てもいい?」
反応に詰まったゆいは、
「そっ、そうだね、私が許可とかっていうのも可怪しいし。」
「ありがと!取り敢えず、今夜はミンシルにしよう。経験者にお任せしたい気分だから。じゃあ、もう一つテント張るから手伝って!」
イクシーの勢いに乗せられ、2人でテントを張った。




