因果応報(前編)
死亡した筈の生島は、真っ暗で何も聴こえ無い空間に居た。
「畜生!なんで俺が死んだんだ?でも、コレって?」
様子を探ったが、初めに転移した時の様に何も感じ無い。視覚も聴覚でも無く何か分からない感覚が、直接脳に送り込まれたように情報が流れ込んだ。
画面の様な感覚で右上には、
『チュートリアル完了31人、チュートリアル中0人、案内中1人、案内待ち0人』
画面が変わると、
『種族は鬼人です。』
「なんだよ、前は種族が選べてただろ?ま、しゃあないか。」
次へ、を選択。
『性別を選んで下さい。』
生島は、
「元の姿より女になった方が騙しやすそうだな、しっかり復讐させて貰うぜ!」
女性、を選択。
『初期装備を選んで下さい。』
武器や防具等の選択肢から、
「ロクなもんねぇな!コレでいいか!」
と、毒爪。
『チュートリアル期間を選んで下さい。』
選択肢は、1時間から10年迄自由に選択出来る。
「かったるい事、してられっかよ!」
と、1時間を選択。
『設定を受け付けました、鬼人の女性、初期装備は毒爪、1時間のチュートリアルとなります。ステータスを確認して下さい。』
種族 鬼人
性別 女性
年齢 17歳
レベル 1
スキル 毒爪
経過日数 1/1
2度目のチュートリアルをスタートした。1回目と同様、世界の概要や通貨、言語の説明を受け、ステータスを確認すると、
種族 鬼人
性別 女性
年齢 17歳
レベル 10
スキル 毒爪、生活魔法F
経過日数 1/1
『チュートリアルが完了しました、お疲れ様でした。』
と感じ、一気に明るくなった。
視覚がハッキリすると、1回目と同じ、森の中の空きスペース。あたりを見渡しても誰も居なかった。着ているのはゆいを襲って返り討ちにあった時のまま、ブカブカなのでベルトをキツく締め、手足をロールアップ。長く伸びた髪はどう扱うか解らないのでそのまま後に垂らして置いた。
前回は北に向かって、奴隷商に捕まったので、今回は南。獣人の身体能力に物を言わせてガンガン進む、途中で獣人の狩人に出くわす、
「そこの女!何者だ?」
「異ナル世界カラ来テ、寝ル所ヲ探シテル。」
「そうか!俺達の集落にくるか?近くに鬼人の集落は無いぞ。」
「解ッタ、行ク。」
「ここに来るまで、他に会わなかったか?」
「アッチカラ来タ、誰モ居ナカッタ。」
獣人の集落に向かう途中、
「虎鉄さん!あの女、生まれ変わる前に俺達を殺した生島ってヤツです。」
「スキル強奪の?」
「「「はい!」」」
ここで暮らしている、前回生島に殺された3人が自信を持って肯定した。
集落に近付くと、
「この先、身内だけの秘密なんで、ちょっとコレ着けていてくれ。」
虎鉄が目隠しをさせると、
「危ないんで手を繋ぎますね。」
数歩歩きながら、両手両足に拘束のリングを嵌め、集落近くの洞窟で、
「目隠し、外しますね。」
と言いながら、スキル封じの首輪を着けた。
薄暗い洞窟でも、暫く目隠しをしていた生島はしっかり顔が解る位には見えていた。
「お!お前等!あの時の!」
「久し振りだね?その節は、お世話になりましたね、生島君、生島さんの方が良いか?」
「あんたが女を選ぶなんてね、セクハラばっかだったのに、逆に被害者になると思わなかったの?」
「いや、でも、アスリート系とかモデル系とかになりそうだけど、ロリ巨乳って、あんたの好み?」
本人もそのつもりでいたが、鏡を見る機会は無く、胸の大きさを確かめて満足していた。小柄で華奢で童顔に巨乳はアンバランスだが、それなりの需要は有りそうだ。
「首輪は無理に外したらレベル値が10分の1になるから気を付けてね。」
「ふん、10分の1になっても!毒爪でまた葬ってやるぜ!」
「忘れてたけど、手足のリングで自由に動けないでしょ?あと、折角可愛い女の子なんだから、ちゃんと女の子らしい言葉遣いした方が良いよ。」
「チェッ!」
生島は明るい方に向かって走り出したが、思う様に動け無い、スローモーションで数歩歩いた所で、鳩尾に拳が入った。血反吐を吐いて地面に転がる、アチコチ擦りむいて血が滲んだ所を3人で蹴りまくる。気絶してもヒールで意識だけ取り戻して、馬乗りで殴る。
3回目のヒールのあとは、服を剥ぎ取って股を開かせる、交代で揺らし屈辱を浴びせた。
前世の復讐と、溜まっていた性欲を発散させた3人は、手足のリングだけ回収して、ボロボロの生島を森の外に捨てて来た。
一晩夜露に晒された生島は、朝日で目を覚ますと、取り敢えず、獣人の里から離れようと森とは反対方向に歩いた。歩いて歩いて歩き続け、いつの間にか気を失っていた。




