鬼人討伐
壁越しに鑑定すると、微かなに感じる魔力は、探していた残滓と一致した。
「ん?コレって、生島じゃん!」
強奪して沢山ある筈のスキルは、強奪と鑑定のみ、魔力は前回から少しアップの41、カンタンに捕獲出来る。
ゆいは日本語で、
『あれ?もう戻ってたの?私独りじゃ不安だからさ、こっちに来てよ、鍵掛けてないから!』
仲間が戻って来たのと勘違いした演技で、生島を誘い込む。
直ぐに、ノックも無しにドアが開いた、
『お前、皮付きだな?独りが不安なら!俺が可愛がってやるぜ!折角女になったんだから、俺の役に立たせてやらぁ!』
生島はゆいを押し倒・・・そうとしたが、結界で弾かれた。
『舐めた真似してんじゃねぇ!オモチャにならないんなら死んじまいな!』
生島は、ゆいの擬装したレベル9を信じて、スキル強奪を行使した。
『うっ、なんだ?急に真っ暗に・・・』
バタリと倒れ、ゆいが鑑定すると、死体になっていた。
「あれ?チュートリアルの解説の人?強奪されそうになったら、強奪スキルを逆に強奪するって設定にしてくれたのになぁ。死体の処理頼まなきゃ。」
セットして置いた録画の魔石をロックして、宿屋の主に事情を説明して自警団を呼んで貰った。
自警団より先に、長風呂の男子メンバーが帰って来た。
「コレって生島?あぁ確かに、あのトラップの残滓と同じ魔力だな。」
ボルが魔力を確かめると、全員頷いた。
少しすると、自警団は騎士を伴って到着した。ゆいは、過剰防衛で咎められることを心配したが、
「冒険者の方々ですね?私は騎士隊の者です。この鬼人、お尋ね者と思われますので鑑定させて下さい。」
ゆい達の返事は必要無かった様で、言い終わる前に作業を始めていた。
10分程、呪文を唱え続けて大きく深呼吸、書類に何か書き込むと、
「有難うございます。エルフの里から手配依頼があった鬼人に間違い有りません。遺体はこちらで処理致します。こちらを冒険者ギルドにお持ち下さい。成果の実績と報酬が与えられます。」
サッと書類を手渡すと、自警団達に指示して、遺体を運び出した。
翌日、あまり良く眠れなかったゆいは、眠い目を擦りながら、隣室に朝を告げた。
「あぁ、悪い、なんかさ、あんな悪人でも、同級生だったからさ、死んじゃったのは、結構ショックみたいで、たぶんさっき寝付いたみたいなんだ、メチャ眠い。」
大欠伸しながらフカヒレが起きた。
何となく『俺も』という仕草で3人も起きた。ドヨンとしながら朝食を済ませ部屋に戻る。
何故か全員ゆいの部屋。
「出掛ける支度しないの?」
「こういう時にはさ、めちゃオシャレして気分晴らすのか良いよね!」
8つの目がキラキラと輝いた。
ベッドいっぱいに洋服を並べて4人で会議。一揃え決まってめでたしめでたしかと思ったが、予選だったらしく、同じ会議があと2回。3つのコーデで決勝戦やっと決まると、ゆいは鏡の前で拘束された。
ボルの厳つい手が繊細に化粧筆を走らせると、
「ハーフアップが良さそうだね?」
ブイヤが髪を梳いた。
トムとフカヒレは髪型に合わせて、
「それなら、リボンよりバレッタが良くない?」
と、4人がかりで、ゆいを磨き上げた。
「ハイ、出来上がり!」
と、並んで鏡を見つめながらボル。
「あと、コレね!」
トムとフカヒレが厳選したバレッタをブイヤが髪につけて完成。
「早く、自分で出来る様になってね!」
トムが微笑むと、
「理想は、おはようの時にこうなってて欲しいな。」
フカヒレはハードルを上げた。
4人の支度を5分程待って、ギルドに向かう。騎士から貰った書類を提出すると、
「お話は伺っております、先ずは報奨金でこちらです。実績は報告済みですので、今日の手続きは有りません。それから、罪状一覧です。救いようの無い悪人ですね、個人的にも討伐して頂き感謝申し上げます。」
罪状一覧から、追っていたエルフも死亡して居るのが解ったので、ミッションクリア。
「エルフの里からお礼をしたいと里長一族がこちらに向かっています、出来ればお待ち頂きたいのですが・・・」
断り切れず、半日ほど待って里長達と面会、お礼の品を大量に運んで来たが、
「ギルドから報酬を貰ってますから気にしないで下さい。」
と、言ってもやはり断り切れず、シルクと闘う時には協力する約束と、緊急連絡の魔道具を貰って解放。やっと王都に戻る事が出来た。




