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脱走奴隷

 奴隷商から脱走した生島は、森を彷徨い、魔物を狩って飢えをしのいだ。奴隷の首輪に関する知識が無かった為、無理に外したら死亡する事を知らずに壊してしまった。結果オーライ、ニセモノだったのでダメージ無しで奴隷から解放された。

 毎回獲物に恵まれる筈もなく、飲まず食わずも珍しく無かった。ある日、空腹に耐えかねて食べたキノコに毒があった。


 生島が目を覚ますと、どこかの小屋の中。

「あ、気付いたの?おなか空いて無い?」

見知らぬ少女が看病していた。

「ハラ、スイテル」

まだカタコトのエルフ語で答えた。

 森で採れる山菜のスープを飲んでホッと一息。

「お兄ちゃん凄いね、スキルいっぱい持ってるんだね!」

「ドウシテワカル?」

「あたしね、鑑定ってスキルがあってね、その人のレベルとか持ってるスキルとか見えちゃうんだ!凄いでしょ?」

「ソレハ、ベンリダナ。オマエハココ二スンデイルノカ?」

「うん、今はママとお姉ちゃんと3人。パパはカヒサーの病院で働いてるの。」

『そうか、お前の姉なら良い年頃かも知れんな、父親が居ねぇんならゴチになっとこう。』

日本語で話した。

「え?何て言ったの?」

「アアナンデモナイ、ヒトリゴトダ。」

 お喋りな娘は個人情報なんて意識は一切無く、父親は暫く帰って来ない事、生島はレベル38、父は治癒師でレベル60、母は薬師でレベル20、姉が9、自分が6で皆んな戦闘系スキルが無い等々ペラペラと喋り続けた。


 暫くすると、

「あっ、お姉ちゃんだ!」

ガタガタと戸が開く音がして姉が入って来た。

「あら、目を覚めしたんですね!気分は如何?」

『そりゃ最高だぜ!』

姉妹はキョトンとした。

「何処の言葉?私の話し解る?」

「チョットワカル、ハラヘッタ。」

「うん、解った!今日は良い肉が獲れたから期待しててね!」

持っていた袋から肉の塊を出して料理を始めた。

 肉が焼けたいい香りが漂って来た頃、母親も戻って来た。鹿(系の魔物)肉のステーキで満腹になり、倒れた時に食べたキノコの事を聞かれた。

「じゃあコレかしら?」

キノコ図鑑のような物で確認、生島も自信を持って答えられる程ハッキリ解った。母親はソレに合わせて薬草を煎じ、

「熱いうちに、フーフーして飲むのよ!」


 薬湯を飲んで、体調も回復した生島は、市街地に行く方法を尋ねる。歩いて1時間程て街道に出られ、そのまま歩けば2日、馬車なら半日、運が良ければヒッチハイクで行けるかも知れないとの事。

 キノコ毒が抜ける迄3日滞在した。出発の朝、4人で食卓を囲み、昼と夜の分の弁当、保存食の干し肉等々を貰った。

 生島は少し上手くなったエルフ語で、

「何カラ何マデ、アリガトウゴザイマス!」

母親と妹の手をとった。

「また遊びに来てね!」

と、妹。

「ソレはムリかも。」

と、魔力を込めてスキルを奪った。倒れる2人を呆然と見る姉に、

「マズイな、魂ガ抜ケカケテイル、助ケテ欲シイカ?」

「お願いします!」

倒れた2人をベッドに運んだ。2つ並んだベッドの片方に2人を寝かせると、

「別々の方が良くない?」

『コッチのベッドは俺達が使うんだよ!』

何を言っているのか解らない姉は、状況把握が出来ないままベッドに引き摺り込まれた。

 抵抗はしたが、生島の腕力には敵わなかった。諦めた姉が、

「私は好きにしていいから、早くママと妹を助けて。」

「ワカッタ、もう1回ナ。」

無抵抗の姉を舐め回し、気が済むまで揺らし続けた。

「ねぇお願い、ママと妹を!」

声を振り絞った。

「アア、ココに運ンダ時、モウ死デタ、モウ無理。」

「ひ、酷い!」

上に乗った生島を払い除けようとするが力及ばず、3度目の屈辱を受けた。放心状態の姉に、

『色々世話になったな、じゃあな。』

スキルも奪い、飾ってあった見窄らしい暮らしにはアンバランスな立派な剣も奪い小屋に火をつけて街道に向かった。

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