サムライエルフ
ミンシルは仮登録なので欲張らず、バイト感覚の報酬しか受け取っていなかったので、どこに行っても仕事には困らない。ヒューマンが好む細身の長刀を操るため、『サムライエルフ』で通っていた。
1回目の途中で別れたミューミュや委員長がそこの集落に居なかったので、ゆい達に会える可能性は無いと思ってはいるが、新たに訪れるギルドでは必ずスープの情報を確認する。
ツェーべのギルドでいつもの様に日雇いの仕事を探していると、
「ミンシル様ですね?臨時メンバーではなく、正規メンバーとしてのスカウトされていますが、如何でしょうか?」
受付嬢は数枚の書類を持ってミンシルに声を掛けた。
「あっ、俺、冒険者登録済ませて無いんだ。これから王都に行って手続きするんだ。それから、一応『スープ』ってパーティーに所属してんだ!この世界だと会えて無いんだけどな。」
「異なる世界からご一緒の方々でしょうか?」
「ああ、そうだ。」
「スープの皆様と再会出来たら即復帰と言う条件を追加した契約も出来ると思います、是非こちらだけでもご覧ください!」
半ば無理矢理渡されたのは、スカウトしているパーティーの資料。逆エントリーシートと言えば良いのか?パーティーの紹介で所属メンバーとそのレベルや戦闘傾向、直近3年間の稼ぎと今後の見込み収入等々が記載されていた。取り敢えず受け取って、仕事探しはやめて、王都に向かう事にした。
王都に到着、関所に並んでいると、
「私、ギルマス秘書の桜花と申します。サムライエルフ殿とお見受け致します。こちらからどうぞ。」
VIP専用ゲートに案内された。
「いや、特別扱いされても・・・」
「冒険者登録をしていない事を理由に、大きな仕事を断られたって情報が入っていまして、ギルドと致しましては大きな損失と考えております。是非早急に手続きし、ご協力お願いします。」
断れる雰囲気でも無く、元の列に戻るのも面倒なので、秘書に連れられVIP専用ゲートから入り、ギルド本部に直行した。
無事登録を済ます。前回レベルを隠して悪目立ちを避けたが、ソレが災いして盗賊達のターゲットになってしまったので、今回は正直に測定されたが、214からのスタートで少し上がって216の筈だが!ギルドのレベル計は16の表示、二桁しか見えなかった。
それでもギルドとしては流出を避けたい為、住居を斡旋。引退した冒険者が住む寮で暮らすことになった。簡単に夕食を済ませ、新居となった寮でぐっすりと眠った。
ギルマス秘書の筈の桜花は、ミンシルに張り付き、臨時メンバーのブローカーの様に仕事を斡旋する。受け入れるパーティーとしても、貢献度の高い仕事でそれなりに実入りが良いし、ギルドオススメの助っ人付きなので先を闘う様に請けていた。
「お陰でCランクに上がれたよ!早速貴族街で呑むんだ!一緒に来てくれるよね?」
断れる雰囲気では無く、高級な店が立ち並ぶエリアに向かった。
男4人で祝盃を挙げ、普段とひと桁違う料理を楽しんだ。
「勿論、次も行くよな?」
やはり断ることご出来ずに同行した。
「えっ?ここって!」
「ああ!独身男の夢のパラダイスだ!ミンシル殿には一番人気の娘を頼んである!存分に楽しんでくれ!じゃあ俺も行くな!」
ロビーに残ったのは、ミンシルと黒服のオジサンと、服か下着が解らない透け透けを着た娘だった。黒服が指示すると、透け透けはミンシルの腕を取り、個室に連れて行った。




