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鬼人とエルフ

 取り敢えず王都に拠点を置く事になったスープは、Cランクパーティーとして、ギルドの斡旋する依頼をメインに受けていたが、表向きは見た目に合わせ、薬草や鉱物採取等の低レベルの依頼を請けて、普通のヒヨッコパーティーを演じていた。


 主な仕事は、出る筈の無い強力な魔物が現れるトラブル解決だった。カヒサーの時と同様に、発生現場に生息する薬草の採取を表向きの仕事として山に登る。薬草を探しているうちに、ターゲットの方から寄って来るので効率良く熟している。

 問題なのは、どの現場でも、魔物寄せが焚かれている事だった。しかもトラップには同じタイプの残滓が感じられた。


 傾向を纒めると、低ランクパーティーが日銭を稼ぐ、薬草が採れるエリアに魔物寄せを焚いて混乱を引き起こしているらしい。

 一般に、魔物寄せを使うのは獣人が主だが、ギルドに出入りしている獣人達にはアリバイがある。


 いつも後手に回されるので、ギルドへの報告に戻らず、発生し得る薬草採取地を調査する事にした。


 馬車で2時間程の山を調査する。異常な出現は報告されて居ないが、魔物寄せのトラップが仕掛けられていて、設置から日が経って居ないせいか、未発動なせいか、魔力の残滓がハッキリ感じられた。

 調べている最中、時限発動で魔力寄せが焚かれた。他の現場と同様、Bランク相当の魔物が現れた。勿論想定された出現なので、準備万端で向かい撃つ。

 サクッと倒し、

「まだ先の山だったら、トラップ仕掛けている犯人と会えるかもだね!」

慌てて山を下りた。


 フカヒレの読みが当たり、次の山から下りてきた馬車から、トラップの残滓と同じ魔力を感じる馬車とすれ違った。直ぐに後を追おうと、馬車を方向転換しようと思ったが、馬車の大きさが災いし手間取っているうちに見失ってしまった。

「でも、大丈夫!馬車にマーキングしておいたから、後で捜しましょ!この山の魔物片付けてからギルドに報告して、さっきの馬車を手配して貰おうね!」


 急いで登って、トラップを発動させ、手慣れた手順で魔物を片付けて急いで下山、流石に現場3つのハシゴでは、すっかり日が沈み、麓で1泊。翌朝街に戻った。


 ギルドで報告すると、ギルマスが信用する上位パーティー(と言ってもDランク)と、自警団、騎士隊に情報共有した。

 翌日、王都の隣、リュタオで該当の馬車が見付かったが、盗難車で犯人は既に居なかった。ただ、犯人は、鬼人の男とエルフの女の二人組という事がハッキリした。


 割とレアな組合せで冒険者に該当するパーティーは無く、鬼人とエルフ両方を含むパーティーも数える程で、全てにアリバイがあった。魔物寄せを焚くのは獣人達の習慣なので、同行していなくても獣人が含まれる可能性も考えられるのが、その組み合わせとなると、王都とその周辺のギルドに登録しているパーティーは一つも無かった。

 やっている内容も内容なので、非合法な連中で間違い無い。犯罪履歴があればある程度の情報はあるが、捕まっていない盗賊の類は当然ながら登録なんて無い。現状の情報で探して行くしか無さそうだ。


 その後も、魔物の発生は散見したが、事前の対処と、発生の恐れのある場所を敬遠する事で、被害は最小限に抑えられた。

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