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魔物寄せ

 予定通りに出発して、予定よりかなり遅れて目的の山に到着。道中、魔物や盗賊に遭遇する事は無かったが、街道を外れると道幅が狭くなり、大きな馬車では対向車に道を譲ったり、轍が合わず路肩に落ちそうになったりしての遅延だった。

 盗賊からの戦利品の方が使い勝手は良かったので、コッチを手放す選択肢も有ったが、ミンシルを殺した連中が乗っていた馬車には乗りたくなかった。少し我慢すればと思っていたが、かなり無理そうなので、この依頼を済ましたら、手頃なサイズに乗り換える事にした。


 テントを張って宿泊。ゆいのテントは独りには広過ぎて、またミンシルが居ない寂しさを噛み締めた。


 翌朝から山登り、ゆいの鑑定と捜索で午前中にはノルマ達成、依頼の他にもレア植物を採取していた。

 偶々倒してしまう予定の魔物は現れ無い。少し登って様子を見る。登っては様子見を繰り返し、山頂に着いてしまった。

 結局、魔物との遭遇は無して中腹まで下りた。暗くなって来たので、テントを張るために照明魔法を使った。すると、魔法に反応して、藪の中から煙が立ち上がる。

「この臭い、魔物寄せ!」

ゆいは水魔法で直ぐに消火したが、煙の臭いは魔物に届いたらしい。


 夕日がほんの少し残っただけの暗さに、大型の魔物がやって来た。

「コイツ、依頼に載ってたヤツじゃねぇ!Bランクは堅いぞ!!」

情報と同じ、爬虫類系だが、トカゲを想定していたのに、ほぼほぼドラゴン。劣等竜だった

「よし、ゆいのバフを試すチャンスだ!」

ボルは、フルパワーで雷土を落とした。感電で動けない劣等竜をトムは竜巻で吹き上げ、落下を待ち受けてブイヤが爪に溜めた魔力を飛ばし視覚を奪った。めちゃくちゃに暴れて突進して来ると、フカヒレが土壁を作ってガード。土壁に突っ込んで動けなくなった所をブイヤが引き裂いてゲームセット。無傷の勝利だった。


 一休みして魔石を取り出す。サイズ的には充分だが、見た目はあまり良くない、討伐の成果品なので取り敢えず持ち帰る。鱗も売れる筈だが、竜巻で傷だらけ、使えそうな物は殆ど無かった。牙と爪だけ回収し、残りは結界で圧縮して埋める。


 魔物寄せが発動したトラップを調査。人為的な物である事には間違い無いが、術者に繋がる情報は得られなかった。


 街に戻ってギルドに報告。

「指定の薬草です、お確かめ下さい。」

金貨1枚にも満たない依頼だが、7件クリアで、5枚ちょい。受付嬢は手際良く処理して、現金を用意した。

「偶々遭遇した魔物を倒したんですけど、コチラは実績になりますか?」

鈍く光った魔石を見せると、

「あっ、出さないで下さい、奥にどうぞ。」

応接室に通された。


「皆さん、パーティーランクはFですよね?個人でもレベル18の方が最上位と登録されていますよね?」

ゆいは、なんとか相槌を打ってやり過ごそうとしたが、魔石は大き過ぎて王都でしか扱え無いと、王都行きを勧められた。どうやら、王都のギルドて抱えている仕事を処理させる積りらしい。


 元の世界に戻るにせよ、コッチで暮らすにせよ、情報と生活基盤が必要。王都なら王国中の情報が手に入るし、ギルドと懇意にする事で、生活も安定するだろう。その辺りも指摘されたので、言われるがままに王都に向かった。



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