私服とメイク
商店街に着いて、真っ先に入ったのは衣料品店。ゆいは迷わずに冒険者向けの動き易さや、防具との相性が良い戦闘系のコーナーに向かったが、
「ゆいをちゃんとしたレディにしないと、ミンシルに顔向け出来ないからな!俺達で指導する事にした、覚悟してくれよ。」
ブイヤはファッション性重視のコーナーに引っ張って行った。
4人それぞれのオススメコーデで着せ替え人形にされ、組合せを変えたりしながら大量に購入。女子らしさ重視で、ゆいとしては、もうちょっと、いや、もっと落ち着いた感じが希望だったが全く聞き入れられない。ただ、ミンシルのオススメよりはスカートが長めで露出控え目だったので、ハードルはやや低いのが救いだった。
「あのな、今の俺じゃなく、アッチの虻井弥生の言葉だと思って聞いてくれよ!」
ブイヤは顔を赤らめ、少し怒った様な口調でゆいの手を引いた。下着コーナーまで連れて来ると、
「ちょっと失礼!」
シャツの上から下着の具合いを確かめ、
「今のより、アンダーは5センチ下げて、カップは2つ上、以上!」
そう言い放って、ゆいを残して別の売り場に走り去った。
ブイヤ、じゃなく、虻井弥生のアドバイスで選んだ物は、着け心地良く、無駄な揺れも少なく感じ、姿勢も良くなった気がした。ただ、谷間が余計にクッキリしてしまったが、文句は言えそうにない。夕方迄店をハシゴして、元の世界で唯一が16年間で買った服を遥かに超える量がアイテムバッグに収納された。
お買い物でストレス発散になったのか、また少し場が和んで来た。宿の食堂で夕食を摂りながら、ギルドで請けて来た依頼の打ち合わせ。
Fランクパーティーでは請けられる依頼は限られ、駆け出しパーティー向けの定番、薬草採取を一通り請けて来た。
「この薬草がいっぺんに採れる山に、普段は居ない筈の魔物が出没するらしいんだ。Dランク相当なんで、討伐依頼は請けられないんだけど、偶々やっつける分には問題ない様だから、ココね。明日、朝イチで出て夕方着いて一泊、明後日の朝から登って1日仕事かな?」
薬草と魔物の詳細情報を確かめて部屋に戻った。
男子は昨日に引き続き、自分たちのサイズがどの程度なのかが気になり風呂場で観察。残念ながら他に入浴している者が居らず新しい情報は得られなかった。
ゆいは風呂には入らず、浄化魔法で済ませた。ミンシルとの入浴はまだ少し罪悪感があり、出来れば避けたいと思っていたが、いざ居なくなると、独りで入る気にはならなかった。
寝不足のせいか、少しは落ち着いたのか、買い物疲れなのか、明日の予定をシュミレーションしているうちに、寝落ちしていたようで、朝日に起こされるまで熟睡出来た様だ。
「冒険者の活動だから、服はコレで良いよね?」
ユニフォームっぽく揃えたシャツとスカートを身に付け、
「よし、自分で塗って見るか!」
と鏡の前に座った。
朝食を誘いに隣の部屋をノックした。
「おはよ、ゆい!メイク頑張ったんだ!うん、65点!ちょっと説明するね!」
ブイヤはゆいを連れて隣へ。手直しとアドバイスをして食堂に降りた。




