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ゆいの女子力

 その後はハプニング無しでカヒサーに到着。火葬場でミンシルを骨にして貰う。

 最後に棺を開けてお別れをすると、ミンシルの指輪が輝いた。


「ゴメン、ゆい。折角作ってくれたキャミ、アレ着けていたら死なずに済んだのにね。ゆいは大丈夫だろうけど、あたしがアレ着けると、余計ペッタンコなのよね!男子の視線がゆいのおっぱいに釘付けなの羨ましかったんだ。もし生まれ変わるんなら、巨乳になりたいな!じゃぁね、元気でね!」

遺言の術が指輪に込められていた。

 メンバーそれぞれに遺言を遺していたが、どんな内容だったのかは、各自の胸に納めておく事にした。


 因みに、男子達に遺されたメッセージは、

『ゆいを宜しく!フラれても気にするな!』

これも口外したく無いだろう。


 遺骨をアイテムバッグに納めて一段落。厩に預けていた馬車を引き取る。預かり費用は本来先払いで10日分で金貨7枚払って居るが、ツェーべ経由で王都に行って合計27日間経過しているので、17日分、金貨17枚が請求された。盗賊討伐の戦利品で乗ってきた馬車は馬込みで金貨52枚で引き取って貰えたので、35枚のプラスになった。


 特に目的は無いので、適当に宿を選んだ。襲撃からの重たい空気は解消には至らなかったが、遺言でかなり軽くなっていた。

「アレでまだ気が済まないのって、異常なのかな?」

ミンシルの命を奪った盗賊達は、極刑に至らなかった者も狂い死に、若しくは廃人となり、関係した者も重い罰が与えられている。

トムは、

「個人的には納得なんて出来ないけど、元の世界じゃぁ自分の力で復讐なんて出来ないから、怨禍の焔が使えた事を感謝した方が良いんだろうな。」

ブイヤは、

「悪趣味って思われそうだけど、アイツ等がのたうち回ってるの、ずっと続いて欲しかったな、ただどんだけやったって満足出来ねぇけどな。」

ボルもフカヒレも同意の表情、

「良かった、私だけが残酷かなって・・・」

語気を強め、

「だから、絶対に死なないでね!」

「ああ、安全重視でいこう。出来る事はしっかりやってな。」

ボルの決意に全員が賛同した。


 ゆいは、独りの部屋で布団に潜る。元の世界では当たり前に独りだったが、チュートリアル以降、いつも誰かと一緒だった。どっちを向いても壁なので、天井を見上げて睡魔を待ったが一睡も出来ないまま日が昇ってしまった。


 ゆいは、眠い目を擦りながら、隣り部屋をノック。直ぐに開いたドアの向こうはどんより。どんよりのまま、食堂に向かった。

 取り敢えず、胃袋を満たすだけの食事を済ませ、ゆいは、タンクトップに防御力をエンチャントする作業、男子達はギルドに行って依頼を見繕う。


 ゆいの作業は既に一度成功しているので、淡々と処理、洗い替えを含め4人分3着ずつで12着を午前中に完成させた。


 昼過ぎに戻った4人は揃って大荷物を抱えていた。

「先ずは腹ごしらえ!」

フカヒレが屋台グルメをコンプリートしたようなご馳走を広げた。

「飲み物もデザートも有るぞ!」

対抗するようにトム。

 ちょっと無理矢理明るく振る舞ってランチを楽しむ、いや、楽しい振りをした。


 午後は買い物に繰り出す事にするとブイヤは、

「じゃあ、部屋で待ってるぜ。」

「えっ、このまま出掛けないの?」

ゆいが首を傾げる。

「ソレじゃゴミ出しも禁止でしょ?普通の洋服もってないの?」

「コレなら普通?」

ユニフォーム的なシャツを出した。

「他に無いなら仕方が無いね、あと、すっぴんも駄目だから!」

「お化粧なんて、ミンシルにして貰っただけだから、急に言われたってムリムリ!」

「じゃあ、メイクは手伝う。アッチでは、それなりに頑張ってたから。」

ゆいは、ミンシルが用意していたメイク道具を出すと、鏡の前で拘束されてしまった。

 ブイヤが鏡の中のゆいに頷いてメイクアップ完了、着替え待ちで隣に移動した。


 ものの数分で着替えたゆいがノックすると、

「もう済んだの?女の子の着替えって時間掛かるもんだよ!」

「えっ?だって、着るもの決まってるし。」

4人は呆れて顔を見合った。

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