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ミンシルとの別れ

 晴れて、冒険者登録とパーティー結成を済ませた『スープ』一行は、乗り合い馬車でカヒサーに向かう。

 馬車の中ではゆいが加工した、新作の装備品を解説、蜘蛛の糸で編んだ薄手のインナーに、防御力をエンチャント。防弾チョッキの様な効果と、同じ素材の帽子か髪飾り、靴下か靴、手袋かブレスレットと連携して、覆って無い部分、ほぼ全身が護られる。カラダにフィットするので着心地も良く、着けていても服の上から見ても解らない。ゆいとミンシルはキャミソールにして装着済みなので、ほぼ無敵状態。メンズのタンクトップも購入済みでエンチャント待ち。口にはしないが、目立ち過ぎる膨らみが、やや控え目に見える事やしっかりホールドしてくれて無駄な揺れが軽減されるのでゆいは大満足。


 長旅なので、途中馬を休めたり、夜は走れないから宿泊が必要。カンタンな宿場町が何箇所かある。

 ラビーカーと言う宿場町で一泊。炭鉱もある地域なので、歓楽街が充実している。

「君達、お姉さんのいる店って行ったことある?」

ミンシルの質問に4人とも首を横に振った。ミンシルは後学の為と、無理矢理送り出した。

「ゆいってアレ持ってる?生理用品。って言うか、来てるの?」

「え?あ、あぁ。うん、チュートリアルの時から来てるよ。結界で止めておくから、何も使ってないわ。」

「あたし、幾つか持ってたんだけど、全然足りそうにないの。何処にも売ってないし。」

「アッチで女の子だった彼らはどうかな?もう使わないだろうし。」

「そっか、追い出して失敗ね。」

「結界練習して見る?そんなに難しくないから!」

と、結界の練習を始めた。


 歓楽街に繰り出した4人は、

「俺さぁ、酒はあんまりだし、お姉さんの居る店って、なんか緊張するから、居酒屋みたいなとこの方が良いんだけどな。」

ブイヤの呟きに皆んな同意して、色気の全く無い居酒屋で胃袋を満たした。


 街中に緊張が走る。火の手と共に魔物が現れた。首輪を付けた狼系の魔物は火を吹いて、その火は宿場町を包んだ。盗賊が火事場泥棒として後に控えている。

「ミンシルはガード固めているから、燃えてない所に隠れていて!私は4人を助けてくる!」


 広場には数体の火炎狼がいた。魔物は足止めしているが、回りの火の手はドンドン強くなっていった。

 ゆいは、真上に水魔法を放ち、風魔法で拡散、小さな雨雲を作って消化、火の勢いが落ちた事を確認してもう一発。続いて魔物を射殺す。

「畜生!初心者の雑魚パーティーなんだろ?あんな魔法、御頭だって使えないぞ!」

 盗賊達は危険を察知して逃げて行った。

 魔物と火災は粗方片付いたが、盗賊達の姿は無かった。瞬殺するつもりだった4人が、想定外の抵抗した事と、更に脆弱な筈のゆいが、大技で消火。情報がガセネタだったと地面に唾を吐いた。


「ココはもう大丈夫だよね?ミンシルが心配だから先に帰ってるね。」

ゆいは一足先に宿に戻り、残った4人は鎮火を確かめながら戻った。


 少し前の宿。

「なんだ?もう一人の女はどうした?」

ミンシルが待機している部屋に、見るからに悪人顔の男達。宿屋もグルだっのか、部屋のキーでドアロックを解除して入って来た。

「エルフじゃ金にならん、こっちだけなら殺ってしまえ!」

アイテムでブーストし、レベル100程度になった盗賊達がミンシルを襲う。強化キャミソールが軽く弾く筈だったが盗賊の剣は鳩尾から背中まで貫通した。

 ゆいが駆け付けると盗賊達は窓から逃亡、大量に血を流すミンシルをヒールする。

 ヒールに反応は無く、鑑定すると、

『エルフの死体 死因・毒及び出血多量』

剣を抜き取って鑑定すると、即効性の毒が塗ってあった。


 ボルとトムが戻り、ブイヤとフカヒレも戻った。血の海に沈みそうな2人に愕然とするが、ボルは呪文を唱えミンシルの死体に手を翳した。

「犯人を追うよ。魔力の残滓が見える!」

ゆいも残滓に注視してボルと目を合わせて頷いた。アイテムバッグから糸を出して、ミンシルの血を吸い込ませて追跡に向かう。

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