それぞれ
ある日、僕は友樹とデートしていた。
友樹は、街ですれ違った可愛い系女子をみて、ほんとうは清楚系女子が好きなんでしょ?と言ってきた。
清楚系もいいけど、ボーイッシュな友樹もかわいいよと、言ったんだけど、友樹はいまいち納得していない。
「そもそも、広夜は奈留ちゃんと付き合ってたでしょ?やっぱり清楚系だよね。」
とプンプンしている。
「もう…いつも言ってるでしょ?友樹には友樹にしかない良さがあるって。」
…
友樹は、奈留に敵意を持っているというか…
友樹は、あまり自分に自信がないみたいだ。
どうしたら、わかってもらえるかな…
——
年末、僕は実家へとかえった。
いつも通りの我が家は、とても懐かしい。
「どう?奈留ちゃんとは、交際順調なの?」
…
「あぁ、順調だよ」
「そう、それならよかったわね。」
…
「うん。」
うちの両親は、僕と奈留との交際を知っている。
幼馴染だし、ずっと一緒にいたから、いずれ結婚もするだろうと思っているはずだ。
しかし、僕に他に三人の女性がいることは、はっきりとは知らないらしい。
でも、なんとなく薄々わかっているっぽい。
でも、それについては本人同士で理解しているなら、いいって感じらしい。
理解力のある両親に感謝だ。
僕が実家に帰っている間は、三人も実家に帰っている。
やっぱり家は、落ち着くーと皆がいう。
でも、なんか違和感あるよねと。
僕の実家と奈留の実家は、近いので、帰りは同じ電車に乗ろうと約束している。
——
約束の日、奈留はおつかれだった。
実家でも、なんか…なんか疲れたーと、グッタリしていた。
「今日は、僕の家泊まる?」
「うん、そうする。なんか疲れたなぁ。家に帰ると、テンション上がって、へんになるんだよね」
「いいじゃない、楽しくて」
「そうかなぁ…」
「そうだよ。てか、ずっと実家にいたから、奈留ロスすぎる。早く電車つかないかなぁ」
「ふふ、わたしもそう思ってたんだ」
僕たちは、こっそり電車でキスをした。
——
しばらくして、奈留は、ため息をついた。
「わたしって…なんでこんななんだろう」
って。
「奈留は、奈留なんだからいいんだよ。だって、僕が愛した奈留なんだから。これからもずっと愛し続けるよ」
……
「ねぇ…もし、もうひとり彼女が増えたらどうする?わたし…捨てられちゃう?」
「そんなわけないよ。たとえ彼女が増えようとも、僕はずっと奈留を愛するよ」
「そっか、ありがとう」
「こちらこそ」
僕は、これからも彼女が増えるかもしれない。
なんなら、減る可能性だってある。
でも、僕の愛した人すべてが大切で愛おしい人なんだ。
僕を慕ってくれるなら、僕は君を…君たちを愛し続ける。
——
四人との交際は、いまのところ順調だ。
でも、たまになぜそうなった?ってことが起きる。
それは、とある休日前夜。
杏から明日遊ばない?って連絡がきたんだけど、いざ待ち合わせに行くと沙奈がいたりする。
沙奈は、申し訳なさそうに
「わたしでごめんなさい」
と謝ってくる。
僕には、ごめんなさいの意味がわからない。
「どうして謝るの?急遽予定変更なんかたいしたことないでしょ?沙奈、きてくれてありがとう」
「広夜は、優しいね。」
「普通だよ、それよりご飯ピザ食べ放題いく予定だったけど、沙奈ソバの方がいいよね?」
「ううん、杏ちゃんと同じでいい。杏ちゃんとどんな感じで過ごすのか、体験したいし。てか、広夜…いつもと服装違うんだね?」
「あー、うん」
「それって、彼女ごとにちゃんとかえてたりするの?」
「うん、まぁそんな感じ」
「大変じゃないの?」
「そんなことないよ?なんなら楽しいし。」
「そうなの?」
「うん、楽しいよ。じゃ、行こうか」
「うん」
僕は、沙奈の手を握りピザ食べ放題へと向かった。
続く。




