トラブル
仲良く交際していたある日、珍しく沙奈がプンスカしていた。
「…どうしたの?さーなちゃん?」
沙奈は、ムッとした感じで紫色と赤色の歯ブラシを手に持っていた。
「歯ブラシ?」
「うん、そうだよ!この赤い歯ブラシは、杏ちゃんのなのっ!濡れてないでしょ?わたしのは、このパープルなのね。昨日杏ちゃん泊まったよね?杏ちゃんに言っておいて。間違えないでって」
「あー、うん。わかったよ」
「よろしくね」
沙奈は、潔癖だから他の人との歯ブラシ共有は、できない人間だ。
幸い、沙奈はいつも歯ブラシを持ち歩いているので、新しい歯ブラシをせっせと出していた。
そして、古い歯ブラシは流しを擦ってさよならしていた。
そして、事件は大ごとにならなかったはずだった。
しかし…
また杏が沙奈の歯ブラシを使ってしまったみたいだ。
「もう、杏ちゃんってば!」
沙奈がどこかに電話をかけていた。
「沙奈?どこに電話してる?」
「もちろん杏ちゃんだよ」
…
「でないと思うよ?文章で送ったほうがいいかもね」
「うん、そうする」
沙奈は、杏にクレーム文を送っていた。
しかも、結構長々と。
杏が後でみたらびっくりするだろうな。
僕が気をつけてみておけばよかったんだけど…
杏って、いつのまにか歯ブラシ終えてるんだよね。
二人が大喧嘩しないといいけど…
僕は、とりあえず歯ブラシを四本常備することにした。
赤と紫と青と白を。
赤は、杏。
紫は、沙奈。
青は、友樹。
白は、奈留だ。
僕は、四人の好きな色をきちんと把握している。
とりあえずは、沙奈が落ち着いてくれてよかったんだけど…
今度は、奈留が杏にプンスカしていた。
もぅ…
杏は、自由気まますぎるんだよなあ。
赤い髪を嫌がる奈留。
そして、とにかく赤い髪がわたしなのと、赤髪を絶対とする杏と奈留に、僕はとあるものをプレゼントをすることにした。
二人には、色違いの同じものをプレゼントした。
奈留は、名案だよ!と、喜んだ。
でも、杏ちゃんが受け入れてくれるかな?と、ちょっと心配していた。
奈留の予想通りに、杏は少し渋っていたが、これもありなのかな⁉︎って少しだけ受け入れていたようだ。
こうやって過ごしていると、友樹が一番だれとも揉めないよに思える。
が、しかし…
結構な問題児の友樹。
なかなか、僕を振り回してくれるんだ。
この間、奈留から生理がひどくて辛いと連絡がきた。
でも、その数分後には友樹から駅前にいるから今すぐ来てって言われたりするんだ。
僕は、最初奈留の家に向かっていた。
でも、その連絡がきたもんだから、僕は慌てて駅に方向転換した。
生理痛よりも、遊びを選ぶんだね?って?
まぁ…奈留はどうせ家にいないのを僕は、知っていたんだ。
そして、急いで友樹と合流して、僕の部屋でまったり映画鑑賞をした。
奈留は、大丈夫なのかって?
うん、もちろん大丈夫だ。
僕には、わかるし…
なんなら、奈留は生理中ほとんど寝ているから大丈夫。
ほとんどというか、めっちゃ寝る。
——
「この映画面白いね」
「うん、そうだろ?友樹が好きそうだなって思って、チェックしておいたんだ」
「優しいなぁ。大好き」
「僕も大好きだよ」
優しく僕は、友樹を抱きしめた。
——
そもそも…僕は、はじめ奈留と交際していた。
でも、いつのまにか四人になっていたんだ。
僕は、四人ともが同じくらい大好きだ。
だから、これからも誰か一人を選んでってことは、ないと思う。
四人も、それはわかっていると思っていた…のに。
続く。




