【06】 ラブホテルに入ろう!
由利は二人を乗せ、
夜の街を走らせた。
やがて民家の途切れた街外れに、
怪しく派手なイルミネーションを輝かせる
一軒のラブホテルが見えてきた。
由利「ここに入るよ」
爽香「えーっ!? 嘘でしょ!?」
丹沢「なんでここなの?」
由利「このラブホテル、プール付きの個室があるんだ」
爽香「嘘っ! そんなこと言って、あたしを無理矢理……」
由利「その部屋が空いてなかったら引き返すから」
爽香「もし嘘だったら、あたし大声出して警察呼ぶからね!」
由利「もし本当にプールがあったら?」
爽香「心から感謝する! 一生感謝するわ! 他に何か望みでもあるの!?」
由利「いや、それで十分だ」
車を降り、
3人はラブホテルのエントランスへ入った。
ロビーにはパネル写真が並び、
空室の部屋がバックライトで照らされている。
爽香はいち早く目当てのパネルを見つけた。
爽香「あった! 本当にあったわ!」
由利「ライトが点いている、空室だ」
丹沢「良かったな」
パネルには
『408号室:プール付き 休憩 17,000円 / 宿泊 25,000円』
と書かれている。
由利は受付カウンターへ向かった。
由利「408号室、休憩で」
受付「1万7千円になります」
由利「カードで」
受付「かしこまりました」
パネルのライトが消え、
鍵を受け取った3人はエレベーターに乗り込んだ。
由利「ここなら個室だから、周りの目を気にせず思いっきり特訓できるぞ」
爽香「すごーい! こんなラブホテルがあるんだ……」
由利「全国を探せば結構ある。この近辺にはここくらいだがな」
爽香「由利さん、なんでこんなホテル知ってるの?」
丹沢「私もそれが聞きたかった」
由利「いや……私も来るのは初めてだ」
爽香「ホントにぃ?」
丹沢「嘘だね! だってここに来るまで他のラブホテルを幾つもスルーして、迷わずここへ直行したじゃないか」
由利「そうだっけ……?」
丹沢「白状しなさい! いつ、誰と来たんだ?」
由利「言えない」
丹沢「『言えない』!?」
爽香「わかった! 不倫ね!」
由利「それはない」
爽香「即答ね。じゃあ恋人と?」




