第42話:一理カレン
「はい。お疲れ様でしたー」
そうして一人目のグラドルが撮影を終了した。さすがに人気グラドルらしく胸も大きいし可愛いしで、色々と持っている女性だ。一理カレン。有名なマンガ誌でも表紙デビューしているので、俺も知っていた。ちなみに一理と書いて「ひとり」と読む。
「お疲れ様でしたー。どうだった社長?」
「よかったわよ? さすがに現場慣れしているから私から言うことはないわ」
「あざっす。それでぇ……ッッッ!?」
アマプロの社長に挨拶して、その後一緒にいる俺たちを見て、絶句する。
「しゃ、社長……こちらの人は?」
「今我が社がアプローチしている期待の星。辺根斗レイトちゃん。ジュリアンちゃん。ジュリエットちゃん。グラディオちゃん……よ」
「レイトさんって言うんですか!?」
トップグラドルの一理カレンが俺に詰め寄ってくる。
「えーと。まぁ」
「私とセクロスしませんか!?」
「却下で」
あっさりと俺は無下にした。
「えー。そこはOK出す場面じゃないですか?」
「いや。性病が怖いし」
「失礼!」
「そもそも顔だけで男を選ぶな」
「だって。こんな。カッコイイ男の子初めてだし!」
「ありがとうございます?」
「なのでセクロスしましょう! 社長。この人食べていいですよね?」
「合意の上なら何も言わないわ」
「というわけで許可も取りましたし!」
「俺が納得してねーの」
グイ、と一理カレンを押し戻す。
「そっちの二人ですか?」
ジトーッと一理カレンがジュリエットとグラディオを見る。
「まぁそうだな」
正確にはジュリエットとだけやってるんだが。
「ね~ぇ。一夜だけでいいですから私とぉ」
「社長。止めなくていいんですか?」
「カレンちゃんの気持ちもわかるから何ともね」
「オタクの商品の価値の問題でしょうよ」
「本当にウチに入ってくれないの?」
「日曜日しか稼働できないからしょうがないでしょうよ」
「え? レイトさんがウチに来てくれるんですか?」
「だからソレを今断っているところでな?」
「是非是非! アマプロに所属してください!」
人の話聞いてる?
「私としてもレイトさんに来てほしいなぁ……なんて」
「残念だが」
「ほら、来てくれると色々とお世話できるし」
「だから所属しないって」
「エッチなこともアリだよ?」
「間に合ってるんで」
俺がチラリとジュリエットを見ると、彼女はニコッと笑った。俺が視線を向けた意味は分かってくれたしい。
「今から食事行きませんか? 奢りますよ?」
「いや、親に顔を合わせないといけないから」
「私を紹介してください」
ナゼェ……。
「一理カレンならワンチャンあると思いません?」
俺にしな垂れかかるように、一理カレンは甘えてくる。
「ほら、私エッチな身体してますし」
「ジュリエットの方が大きいからなぁ」
「おっきくなりません?」
なるけどさ。そういう問題でもないような。
「レイトさ~ん」
「じゃ、そゆわけで、お断り申し上げます」
「むー。絶対落としてみせますからね!」
まぁ頑張れとしか言えんのだが。
「さて、どうしたものか」
悩んでいると。
「ミハルカさん! 入りまーす!」
「よろしくお願いします」
現場に挨拶して、ハルカがグラビア撮影に臨む。
「よろしくお願いします」
そうして撮影が始まった。ミハルカというのがハルカの芸名らしい。
「可愛いですよねー。ミハルカちゃん」
一理カレンがそう言う。
「お前から見てもか?」
「ええ、それは、まぁ」
「そうか」
一理カレンに認められるなら相当なのだろう。
「それで、いつまで引っ付いているつもりだ?」
「レイトさんがうんって言うまで♡」
「だからそう言うのは求めてないんだって……」
「一理カレンとエッチできるんですよ?」
「まぁそりゃやりたくないかと言えばウソだが」
「だよねー。じゃあホテルでしっぽりと……」
「俺にはコイツ等がいるから」
とジュリエットとグラディオに視線を送る。
「あらあら」
「あはは。照れるな」
相変わらずジュリエットは爽やかに笑って、グラディオは照れたように笑った。
「なわけで諦めてくれ」
「えー。私でもいいじゃん」
「よくねーっつってんだよ」
「レイトさんはドS?」
「いや、性癖は普通」
「でも私に乗らないし」
「社長。どうにかしてくださいよ」
「カレンちゃんの気持ちもわかるからね」
俺の気持ちもわかるだろ。
「レイトちゃんはカレンちゃんはダメな感じ?」
「まぁ今更グラドルにしてもらわなくてもいいかな」
「これでもそこそこ女体には自信があるんだけど……」
まぁさすがグラビアアイドルって感じだが。
「なんで。もっと可愛くなってから言ってくれ」
「むー。レイトさんの意地悪」
それで意地悪認定されるなら願ったりだよ。
「さて、後は親に顔を見せるか」
「それが異世界に行く条件でしたしね」
グラディオが苦笑する。親に顔を見せる。確かにそれが条件なのだ。




