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突然の依頼が舞い込んだ

          *



「ヒヤアアッ」

「――また驚かせてしまったようだな」

 だって、だって、ドアを開けたらいきなりウサギがいたのだから。しかも目の前に。

「ヒッ、ヒッ……、へ、へへ」

 状況は何とか呑み込めたし、息も落ち着いてきたけどみっともなく腰は抜けたままだ。せっかく自分の部屋で平和に過ごしていたのに。

「すまない。間が悪かったな」

 相変わらずうさぎのぬいぐるみにしか見えないラビは――被害妄想だけど――あきれたような顔をしている気がする。ぬいぐるみだからそんな細かい表情の変化はないはずだけど。というか前もこんな感じになっていたと思う。成長していない。

 それにしても――口元はわずかに動いているが、物理的にどうやって声を出しているのか。

 このラビ、と名付けた奇妙な生き物は、姿はぬいぐるみを利用して愛らしいが中身も声もいやに落ち着いて、かわいらしさのかけらもない。そして私と海くんに報酬と引き換えに不思議で厄介な依頼をしてくる。

「な、なんで……。また何かしなきゃいけないの? あ、あと、浮かんでた?」

 不思議な力とかで結構何でもできそうだけどつい質問していた。

「いや、ノックをするためにいったん飛び上がっていただけだ。扉の下の方をノックしただけでは音がうまく響かないのでね」

「なるほど……」

 その飛び上がって最高到達点の瞬間に私が扉を開けてしまった訳だ。本当に間が悪い。心臓にも悪い。

「さて、時間がないので本題に入らせてもらう。ここから20kmほど先にある白霧湖は知っているか?」

「あっ、はい。――というか今日その近くに行きます」

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