おはかとおそうしき
森に死体を埋めるなら、結構深く埋めなきゃいけないんだっけ?
そうしないと野犬とかに掘られちゃうし、この日本で人が足を踏み入れないとこなんてほとんどないから、車で運べるようなとこは何だかんだで発覚リスクがあるから。
でも深く穴を掘るのは想像以上に大変なのでみんな途中であきらめてしまうと。その話は本当だな、そりゃそうなるよね、と身をもって実感している。
「よいしょ、よいしょ――」
風香ちゃんは一生懸命掘ってくれてるけど、スコップでせっかくすくった土の半分ぐらいがまた穴の中に入ってしまっている。スコップの角度がね……。
「あのね……、そっちじゃなくて――」
康行ががんばって風香ちゃんに掘り方と土の捨て方を教えてくれている。初日はもじもじして口数が少なかったけど、ちょっとは慣れたかな。まあまあ年の差もあるんだし、少しは異性と話すの慣れてもらわないと。もう小学生なんだから。
割と重労働。汗がにじんでくるけど時折吹く風がひんやりしているので気持ちいい。
あっ、また土が靴に入った……。
「すみません、えっと真野さん」
空くんはまじめにコツコツと掘ってくれている。
「お姉ちゃんでいいよ」
「あの……真野お姉ちゃん、すみません、風香の思いつきを手伝ってもらって」
「いいのいいの。それにただの思い付きじゃないでしょ?」
風香ちゃんが「おはかを作っておそうしきしよう」と言い出した時はびっくりしたけど、気持ちは分からないでもない。




