夢か現か……
「こ、ここは……?」
「パ……パパ……」
俺の目の前に現れたのは、目に涙をいっぱいにためた表情でベッドに横たわる俺を見つめる。
彼女は行方不明になり長く会えなかった最愛の娘、ニイナだった……。
「ニ……ニイナ……」
ど、どうなってんだ?
「頑張ったと思うよ。今日まで。
ボクは君がここまで頑張るとは正直思っていなかったさ」
「え?!イ、イナホか??
お、お前今までどこにいたんだよ!?」
「言ってくれるねぇ。キミの最愛の娘さんを連れてきてあげたのにその物言いとは。」
「へ?」
「パパ……私から話すわ。
イナホさんは私を迎えに来てくれたの。パパに合わせるって危険を顧みず、私のもとに来てくれたわ」
「え?あ、じゃあイナホは、あの時姿を消してから……」
「そ。ニイナさんを探してたんだ。でも、それより厄介な現状を知ってしまって連れ出しちゃったんだよ。」
「え?どういうこと?」
「カインもさっき気絶する前に会ったでしょ?トカゲの人間……彼らはねレプティリアンっていうんだよ。ボクは狐から進化した人種って説明したと思うけど、彼らは爬虫類から進化したと言われてる。
実は聖教国ロウはそんなレプティリアンの国なんだ……。
ボクはキミと別れた日、あの周辺の波動の低さでうなされていたけど、波動の低いところは恨みとかの念が多くてね。
ロウの近くは案の定アンデットが多数出てくる環境だと思う。
実はね、レプティリアンは負の波動をエサにしてるんだよ。だから、アンデットが出やすい環境をつくる習慣や文化を流行らさせてる……
治療術師を多く抱えるのも、戦争を起こしてその奇跡の術で信者を増やしたりなんかで、この負の連鎖を循環させるための必要なピースなんだ。」
俄に信じがたいイナホの説明に、ニイナも無言で頷く。おそらく俺が起きる前に二人で色々話をしていたんだろう……
だが……今日は言葉よりもまず優先したいことがある。
「カイン。分かるよ。今は説明は要らないね……今晩、夜はもう少しあるから、二人の時間をつくるね。でも、危なくなったら二人を連れて遠隔転移するから、そのつもりしておいて。」
俺の心を読んでくれたようで、わざわざ口に出す必要がなくなった。
ガチャ。
イナホが去ったあと、俺は無言で手を開いた……
ニイナも無言でこちらへ近づく。
「ただ、ただ会いたかった……ずっと何よりも大切なニイナに会えなくて……やっと出会えたね……」
涙が頬をつたいながら、その顔を隠すわけでもなく、晒しながら、それでも娘に会えたことを一心に喜んで……。
娘も無言で俺の胸に頭を埋め、ハグをする……。




