ご縁
カイン 30歳 異世界転移済み。コック。 アマチュアサイコメトラー メイス,くない
イナホ 白狐(美女) ボクっ娘 神
ショーン きのこの精霊
メイリン ギルド受付嬢
アベル 聖教国ロウ白狼騎士団 異世界転移者
ニイナ 愛娘。高位治療術師 聖ニノ?
フン!フン!フン!
腕から滴り落ちる汗の雫を朝日に煌めかせながら筋トレに浸る今日この頃……
バトルメイスをもった素振りは何気にいい運動だ。
だが今日の素振りは一味違う!
目的が明確だからだ。
昨日アベルに言われたように酒場の掲示板を見たところ、
騎士団の入団テストの張り紙があった。
騎士団に入ると衣食住は担保されるが給金はないらしい。自由を放棄する代わりに生活に必要なモノは全て支給されるようだ。
もともと転移してきて何も持たない俺はとりあえずニイナに会えそうならなんでも受け入れれる。
入団テストも内容はほぼ身体テストと魔物との戦闘のようだから五体満足ならたぶん問題ないらしい。
日時は毎週日曜日にロウの中にある闘技場で開催されるらしい。日曜日という概念があることにも少し驚いたが、
開催は明後日だ。
今日はできる限りの準備をしたいと思ってる。
ただ……今日はもう一つやりたいことがある。
イナホの捜索だ。
「ショーン。イナホはどうしちまったんだと思う?」
「うーん……自分にもわからないんッス。
本来、自分はイナホ様の眷族なので、いつもならイナホ様の居場所とかは分かるッスけど……
なんか今は全然状況がつかめないんス」
「普通なら感知できるけど、感知できないって事?」
「そうッスね……消滅とかはしちゃうはずないんスけど、
なんか感じるチカラが薄いんす」
「へぇー……ちょっと街の外とかも含めて
範囲広めに捜索してみよっか」
「そうッスね。できればそうさせて欲しいッス。ただ、自分達はもうこの世界の時間にあまり縛られない霊体ッス。
宿主様は今を生きてるんで、今やるべきことを優先するのもいいかもッスよ」
「うん?それはどういうこと?」
「ほら、明後日入団試験なら戦闘訓練とかしとかないとマズくないっすか?
この辺の魔物の情報とかも確認したほうがいいッスし」
「確かに。そうだな、じゃあちょっとギルド行ってみっか。」
ショーンに的確なアドバイスを受け、
俺はギルドに行くことにした。
聖教国ロウであってもギルドは酒場と兼用だった。ただ、ウゴの村と違ってギルドは街の中にいくつかあった。
俺はせっかくだから昨日泊まった宿泊先のギルド受付に行くことにした。
「いらっしゃい!」
満面の笑みで受付嬢が微笑んでる。
「えっ!な、なんで?!」
そこにいたのはメイリンだった。
「メ、メイリンだよね?」
「ふふ。そうよ。ギルドの人事異動でこっちに来ちゃったの。」
「そ、そんなことあるっ!?」
「だって私こっちが地元だもの。
実はカインくんが出立するちょっと前からシルビアさんが身体に負担ならないような職を探してて、ギルド職員やってもらうことになったのよ。
それで人が余ったから地元に帰っていいよってこっちに着たわけ」
「な?なんで俺達より早い?」
「だって馬車だもん。ギルドの下命での移動なら馬車代なんて経費だからね」
おぉ、会社のような考え方……。
ま、どこの世界でも組織ってこんなもんか。
「じゃ、じゃあまたよろしくな!
メイリン。今日はちょっと教えてほしいことがあって来たんだ。この辺の魔物の情報教えてくれないか?」
「いいよ。でも、昼と夜で結構違うけどどうする?」
「うーん。念の為どっちも聞きたいな。」
「オッケー。
昼はね、ワイルドドック、モンスターアリゲータ、スネイプニル、ガルーダ。
夜は、スケルトン、ゾンビ、レイス、ハウンドゾンビ」
ハハハハ。そりゃ昨日ゾンビに会うわ。
「でも、狩りに行くならオススメは昼間よ。
夜のアンデット達は倒したら消滅しちゃうからほとんどの場合、何も残らないし。
あと、昼間でもこの辺りはアンデット化する魔物がいるから気をつけてね」
「なんて土地だ……。分かった。ありがとう。
戦い方とかのマニュアルまとまってる?」
「えぇ、もちろん。この本よ。
また依頼に出るなら声かけてね」
「あぁ、ありがとう。」
とりあえずまずは情報収集か。
昼から依頼一つこなす感じかな。
異世界の異国に来たけどメイリンとか知り合いがいてちょっとよかった。不思議なご縁ってあるもんだねぇ。




