サバイバル 1
カイン 主人公30歳 異世界転移済み。 アマチュアサイコメトラー メイス,くない
イナホ 狐+美女 ボクっ娘 神
ショーン きのこの精霊
モモス 聖教国ロウ行きのキャラバン隊長
ガイ ウゴの村出身、自衛団隊員
キャラバン護衛任務中
武器を買い終えた俺たちはモモスさんとの街合わせポイントに向かった。街合わせ場所は村の入口入ってすぐだった。
「モモスさん!すいません。遅くなりました!」
「いいや、私も今ついたところですよ。納得がいくもの買えましたか?」
「そうですね。閉店間際だったんで振ったりはあんまりできませんでしたけど、それなりに納得のいく買い物してきましたよ」
「そうですか。それはよかった。こちらも無事にテントの購入できましたよ」
モモスさんの右脇には明るい茶色をした個人用テントが畳まれて束ねられている。
「これが、カインさん達の個人用テントです。村の外で広げてみましょう」
広げてみると形状はもとの世界のテントとほとんど同じだった。薄い動物性の革を素材にしてるようだ。
俺はどこに立てればいいかあまりわからなかったので、キャラバン共用テントの見えるところに自分のテントを張った。
程よい感覚をとったつもりだったが……
「あ、あれ?」
「どうしたッスか?」
「いや、なんか、ペグが刺さんないんだ」
ペグとは、テントを貼るときに重要になる地面に突き刺す杭だ。俺は適当なところにテントを貼ろうとしたが、テントを貼るための知識が必要なのかもしれない。
「宿主様、そこら辺は土がかなり固められてるッス。元々家でも、立ってたんじゃないッスか?
もっと土が柔らかそうなとこにするッス。
あっ!ダメダメ草の上はテントの下が濡れちゃうッス。乾いてるほうが宿主様やイナホ様は寝やすいと思いますよ。
あっ!そこはテントの下地引く前に小石どけとかないと一晩中ゴツゴツに悩まされるッスよ」
テント奉行現る……だ。
想像以上にショーンがテント知識をもってるようで基本を学びながら設営ができた。
とりあえず今晩はこれでいいだろう。
食事に関してはモモスが共用テント近くで炊き出しのような大鍋でスープを作っていた。
米粉で作ったパンと大鍋のスープが今日の献立だった。スープはしょうゆベースの和風ダシが効いたスープだ。ミネストローネを和風で味付けした感じだった。
どうもナーラ近くの川で取れる魚が入っているようでタンパク質も入った栄養満点スープだ。
どうやらキャラバンではモモスが炊き出しのようなことを毎食しており、銅貨5枚程度で1食たべれる。
俺は自分とイナホの分を買って自分達のテントに戻った。
ゆっくりと夜空を見ながらの夕食は何かかけがえのない経験ができているようで、数日前の自分からは考えられない変化だった。
しみじみとそんなことを感じながらメシを平らげ、後は就寝の準備をするだけとなった。俺はかばんの底から、大きな本を取り出しておもむろに読みだした。
なんだか懐かしい……日本語の本だ。
「カイン?どうしたの?いきなり本なんか読み出して、なんの本?」
「フフフフフ。よくぞ聞いてくれました!この本が役立つ日を今か今かと待ってましたがようやく日の目を見ることになりました!
この本はもとの世界から持ち込んだ神器の1つサバイバル大辞典!
今日みたいなテント設営のあれこれとか、様々なことが記載された辞典なのです!」
「へぇー。楽しそうだね。別にショーンに聞いてもいいんじゃない?野外のエキスパートの精霊だよ」
「ぬぬぬ。でもこの辞典の方がきっと優秀なこと書いてあるはずなんで、明日の野宿は手際よく素敵なテントライフをお楽しみ頂けるよう頑張りますよ!」
「そう?期待してるぅーーー」
明らかに期待してなさそうな返事をイナホから貰いつつだが、俺は宣言したように明日からのテントライフに重要になるであろうあれこれを学びだした。
1. テントを立てるときの風の吹いてる向き
風がテントに入り込むように立てると無駄にホコリとか色んなものをテントに入れ込むことになる。単純にそんなとこで寝るのはイヤなので風を背にしてテントを建てるのがポイントだ。
2. 野宿の時大切なトイレ事情
トイレはプライベート空間でするのがいいと思われる。ただ、完全な野宿ではそんな場所ない。
そのため、テントの下に敷く湿気をテント内に入れないようにするためのグランドシートをかぶってトイレを済ます
3. 安全な水の確保方法
海水、雪、生水を飲む場合の対処法。
例えば、ピシッと張ったテント上のタープの片面を少しだけ緩め、中央部分から雨水が流れ落ちるのを利用して、そこに容器を置き、雨水を効率よく集める方法や川の上流の水は有効ですが動物が住み着くエリアは尿が混ざる可能性があるので流れのある川をチョイスする方法、雪を溶かしたり、海水を鍋に入れて中華鍋を重ねて水だけを蒸留する方法など。
ありとあらゆる水の確保技術の記載があった。
どれも明日から使える話なので早速使ってみよう!と心に決めた時……
気づけばイナホはスゥースゥー寝息をたてていた。
どうも気合い入れすぎて独学に邁進しすぎたようだ……。
ということで明日から本格的に異世界サバイバル生活が始まるのにワクワクして寝付きが悪い俺であった。




