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ナーラの村

カイン 主人公30歳 異世界転移済み。

   アマチュアサイコメトラー 錆びた月牙鏟

イナホ 狐+美女 ボクっ娘 神

ニイナ 愛娘、異世界転移済み

モモス 聖教国ロウ行きのキャラバン隊長

ガイ  ウゴの村出身、自衛団隊員

    キャラバン護衛任務中


ああああぁぁぁーーーー。

月牙鏟がぁぁぁぁあああーーー。


想い入れのあるこの武器が……

今日、逝った……

購入してまだ5日目じゃないだろうか……。


俺はもとの世界で、書籍化されてるラノベはもちろん。そうでないラノベも貪り食うように読み漁っていた。


だが、そんな中でも刀や剣がベースになることはやはり多く、自分がせっかく異世界に、来たならマイナー武器を!

と強い想い入れから武器屋の奥にひっそりと立てかけられたこの月牙鏟を購入したのに……。


ま、実際はやっぱりマイナー武器はマイナー武器と言われている理由。

即ち"取り回しづらさ"というデメリットを痛感する日々ではあったが、いかにこの武器の長所を引き出すかを日夜研究していたのに……。


あまりに短命になってしまった最初の武器に嘆かずにはいられなかった。


チーン。


「カイン。そんな暗い顔しないでよ。

今日の失敗を明日に活かすことが何よりも重要だとボクは思うよ」


「おっしゃるとおりです」


「じゃあ反省会するね。カインさぁー。毎日朝イメトレと武器の取り回しの練習いっぱいしてたでしょう?」


「あ、え?はい」


「それ自体はいいことなんだけど、さっきのスライムにやったあの動きは正直ムダが多かった。

あれ、なんかカッコよさそうって思ってなんとなくやったでしょ」


「あ、はい……」


「相手がスライムだったからあんな動きしたのかもしれないけど、シンプルな動きっていうのは1番隙が少ないからみんなが使う洗練された動きになっていくんだよ。

スライムは今日初めて戦った魔物なんだからそこは無難かつ安全に戦う方がいいと思うよ。

前みたいに1日で顔面が戻ることは普通はないからね」


「わかった。認めるよ。完全に油断してた」


「そうッス!あんな動きもう簡便ッス!自分は宿主様の肩にくっついているんで世界がぐるんぐるんして、大変な思いしたッス!」


まぁ、ショーンの言い分は聞かなかったことにして、今回はちゃんと反省しないとダメだな。

正直調子に乗りすぎた。


キャラバンはさっきの休憩所をでてもうそろそろナーラの村が見えてくる頃らしい。


日も傾いてきて、皆の行軍の足も少し早くなっている。

俺は、今回の件を猛省しながらとにかく黙々と歩いていた。


ただ、いつまでも凹んでばかりいられない。ナーラについたらテントの購入と武器屋に行って新しい武器も買わないといけない。


今のうちに買うものの選定ポイントを整理しておかないといけない。

アタマを切り替えよう。


「なぁ、イナホ。

俺、ナーラについたら新しい武器を買わないと行けないんだけど、どうしたらいいと思う?

武器を扱いがまだまだわかってない俺は、誰かの意見を参考にしながら選んだほうがいいかと思ってさ」


「そうだね。

この前はギースがいたから月牙鏟でもなんとなく使い方が学べそうかと思ってあまり言わなかったけど、今回このキャラバンで武器が使えるのはガイか、モモスかボクくらいでしょ?

逆にどんなのがいいの?」


「うーん。

月牙鏟はあんまり使われない武器だからその変則性を活かした立ち回りができるんじゃないかと思って選んだんだ。

動きとかイメージしたりするのもキライじゃないし自分で色んな型とかも作っていきたいと思ってたんだよね」


「ふーん。なるほどね。

カインの今までの行動見てると納得できるね。朝のルーティンやってる時、黄色いキレイなオーラが出てたしね。

うーん、じゃあガイみたいなバトルアックス二刀流やってみる?モモスさんは普通に槍で構えとかも基本に忠実だったからそれなりに参考になると思うけど……」


「そうだな。ガイのバトルアックスは正直筋力的に厳しそうだからもしかしたらイナホとおんなじようなナイフの二刀流を選ぶかもしれないわ。

いずれにしても店においてあるやつから即決しないといけないから、臨機応変に対応できるようしておくわ」


「そうだね。それがいいと思うよ」


「うん。じゃあ、あとテントについてはモモスさんに相談してみようか」


俺達は少し隊列を前に移動してモモスさんのところへ駆け寄る。


「モモスさん。さっきの立ち回り、下手うってすいませんでした」


「あぁカインさん。

いえいえ、カインさんのあの思い切りであっという間にやっつけれたんで私は別にいいんですけど、それより武器の方が大変なんじゃないですか?」


「ハハハ……そうなんです。俺の武器があのスライムの強酸でダメになっちゃいました」


「いつもあの池で休憩しますけど、1匹2匹なら出くわす経験あるんですが流石にあんなに出たことはなかったんで、ちょっと予想外でした。

道中の予備の武器とかはあるんですか?」


「ボウガンなら一応ありますけど、近接武器がないんですよね……」


「そうでしたか。ナーラの村は明日の朝出立予定でしたけど大丈夫ですか?」


「まぁ、仕方ないですよ。今日中に新調して明日の行軍には対応できるようにしますよ。

ただ、ナーラの村ではテントも買いたかったんでその時間が取れるか不安なんですよね」


「そうですか。でしたらちょっと私も協力させてもらえませんか?

さっきスライム11匹倒したんで、スライムのキレイな体液の抽出成分、スライム溶液が手に入ったんです。

あの時カインさんは武器のことでバタバタされてたんで私がカインさんが倒した6匹分の溶液を抽出しておきました」


「あ、そんなことなさってたんですね。

見といたら良かった……。」


「これは、元々カインさんのモノになるんであとで渡そうかと思ってましたが、

私はこれでも行商暦が長いのでよければこのスライム溶液を私にさばかせて頂けませんか?

この素材でいくらかお金にして、それでテントも仕入れとくのなんてどうです?」


「モモスさんの提案なんでそれはギルドでスライム溶液を売るより得ってことですか?」


「フフ。もちろんです。溶液の売却額もテントの仕入れ品の質も私に任せて頂ければいいようにさせてもらいますよ。

カインさんとはあと3日以上一緒にいるんです。変にカモにしたりしませんし、信じてください」


俺はモモスさんが騙そうとしているようには思えなかったが、念の為イナホの顔を見た。


イナホは真剣な顔つきでモモスさんを見ていたが俺と目が合うと無言で頷いた。


やっぱりモモスさんはウソをついたり騙そうとしてはいないようだ。


「わかりました。ありがとうございます。では宜しくお願いします。」


こうして俺はじっくりと武器を選ぶ時間を頂いた。とは、言っても武器屋の店じまいするまでにかけこまないといけないので、あまり時間はないが……。


モモスさんと村での落ち合わせ場所を決めているとようやく村がちかづいてきた。

民家が明かりを灯す時間になってきたので武器屋で武器を選ぶ時間も1時間もなさそうだ。


俺はモモスさんに武器屋の場所も聞き足早に村へ入る手続きを済ませに向かった。


手続きはキャラバンの一向ということですんなりと済み、急いで武器屋へと向かうのだった。


「こんばんわ。まだ大丈夫ですか?」


「あぁ?見ねぇ顔だなぁ。誰だおめぇ?」


「あ、聖教国ロウ行のキャラバン隊で立ち寄ったものです。道中武器を壊しちゃって、新しい武器が選びたくて……」


「なんでぇ。客か。なら早くそういえばいえよ。どんなのがほしいんだ?」


なんか、武器屋の店主もせかせかしてる。

たぶん早く店閉めたいんだろうな……。


「2対のククリナイフみたいなのを探してるんですが。」


「ククリナイフかぁー今うちにはおいてねぇな。2対だと、ライトシックルか、くないか、小太刀ならあるがな」


「くないかぁ……ちなみにくないっていくらですか?」


「くないか?1本銀貨10枚と30枚のがあるな」


「じゃあ、それとあと1つもう少し近接でリーチと威力があって持ち運びがしやすいモノはありませんかね?」


「持ち運びとリーチと威力ねぇ……メイスとかはどうだい?」


「打撃武器かぁ……」


「出縁型って言って軽量化と衝撃の集中を狙ったメイスで何より取り扱いがしやすい。」


「立ち回り以外の技術も一緒に身につけるのは苦労するから今の自分には手頃なのかな?

うん。なんか良さそうに感じてきた!

じゃあメイスにします。いくらですか?」


「メイスは銀貨5枚と銀貨20枚と銀貨40枚、両手持ちなら銀貨80枚の相当な重量の1mくらいなものもあるぞ」


「銀貨40枚のはどんなです?」


見せてもらったそのメイスは横から見ると菱形をしていて結構トゲトゲしい。打撃以外にも使えそうなのと、そこそこの重量もあるので威力もでそうだった。


「うん!これにします!」


俺の新しい武器はくないとメイスに決定した!俺はルンルン気分で金貨1枚店主に渡して颯爽と店を跡にするのだった。



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