王都騒擾 ナカマ
ギャアギャアと鳴きながらどんどん集まっていく「何か」。
すでにその数は空を覆い尽くすほどでありもはや騎士団だけでは対応出来なくなっていた。
「クソッ 人探しも進まないしこいつらは一体何が目的だ!? 」
「何か」の羽ばたきで砂が舞い上がり形成された砂煙で周りがよく見えない。
目的のわからない襲撃ほど怖いものはない。
ランスロットは経験でそれを知っている。
住民を食料として狙っているのか?
誰かが故意に呼んだのか?
恨みを買う様な事をしたのか?
何か奴らの気を引くものがここにあるのか?
それともただの娯楽としてか?
騎士団の仕事は大抵 守る 戦いだ。
守る戦いにて守る対象がわからない。
それは補いきれない弱点となる。
「騎士長!おかしいです! 」
異変に気づいた騎士の一人が声を上げる。
「何がだ! 」
「奴ら、さっきから攻撃して来ません! 」
確かにそうだ。
ギャアギャアと集まるだけ集まって攻撃をしてこない。
「ランスロットォ! 」
ストラテジーが慌てた様子で砂煙の中こちらに向かってくる。
常に悪い顔色が青を通り越して白になっておりそれが事の重大さを物語っていた。
「ハァハァ クヒヒ、やられた。」
薄くなりつつある砂煙の中それは遅すぎた報告だった。
「奴ら クヒヒ 何したのかわからないが声だけここに置いていった。」
声が喉で詰まる。
「わからないか? クヒヒ つまり魔法か何かで奴らの声や羽ばたく音だけここに残してどっか行ったって事だよ。」
弱点を突かれた、、、!
砂煙は収まり空には月が見えている。
奴らの影などどこにもない。
「追うぞ!」
「待て!」
すぐさま走り出そうとするランスロットに制止の声がかかる。
「ランスロットォ クヒヒ 人探しはどうするつもりだ?」
「、、、。」
答えられない。
無論、ストラテジーはそれをわかって聞いたのだ。
「ランスロットォ クヒヒ 良ければ俺に騎士の半分を預けてくれないか? 」
「、、、どうするつもりだ? ストラテジー。」
「簡単な事 クヒヒ 奴らをここから追い払う。そのための作戦を思いついたのさ。」
なんでだろう。
やっとランスロットに追いつけたと思ったら空飛んでたんだけど。
高度は多分ビルの4、5階くらい。
そして現在黒っぽい翼の生えた人達に人形の四肢を捕まれ拉致られ中。
なんでいつも俺は拉致られるんだろうね。
「ナカマ! ナカマ、ミつけた! 」
え、ナカマって何?
仲間なら知ってるけどもしかして新しい食べ物?
俺食われるの?
言っとくけどこれ木偶人形だから食べても美味しくないよ?
それとも本体の俺のこと言ってる?
「ナカマ! 」
「ナカマ! 」
「ナカマ! 」
怖ッ!何この集団ヒステリー!
やめて!巻き込まないで!
「オレタチとオマエ、テキがイッショだからナカマ。」
テキって俺の敵は三千やルティアさん攫った奴だぞ?
って聞こえないのか。
そういえば植物種の声は限られた種族にしか聞こえないのだった。
「オマエのアクイのホコサキ、ムけてるのがオレタチとイッショ! つまりナカマ! 」
それでも俺の知りたい事をこいつらは教えてくれる。
つまり俺が追ってる奴とこいつらの言うテキというのは同じ人物、又は同じグループらしい。
それにしてもカタコトな話し方でまるで子供みたいだな。
まぁでもいいか。
俺の恨みがはらせて三千もルティアも助けれるなら。
また、鳥かごの反動で心臓が痛む。
まるで捻られている様な感覚。
心臓ないけど。
恨みをはらせば心臓の痛みも引くだろう。
「イた!」
一匹が騒ぐと他も騒ぎ始める。
「イた!」
「イたぞ!」
「コロせ!」
ギャアギャア騒ぎ始めもはや聴き取れない。
でも下に何かいることは分かっている。
高さの恐怖に負けないように下を覗くと何かコソコソと馬車に木箱をのせている者がいる。
あれは、、、宿で喧嘩売って来た小太りのおっさん。
あいつが関係しているのか?
ふと、人形の手足が自由になっているのに気がついた。
あれ?
四肢を掴んでいた彼らはすでに馬車に向かって進行を始めており、その仲間みたいな奴らも続いていく。
え? は? うおおおおおおおおおお!?
気付いた時には周りには誰もおらず俺は重力に任せ落下するしか無かった。
今回も読んでいただきありがとうございます。




