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王都騒擾 人形

夏が終わりますね、、、。

「ああ、朝が来てしまう。今日はここらへんでお開きにしようか。」

 少年は窓をみて残念そうに別れを告げる。

「ええ、今日も楽しかったわ。ありがとう。」

「ううん、こちらこそ。今度はお土産持ってくるねメアリちゃん。」

「ええ楽しみにしてるわ。」

 よい夢を。

 少年がそう告げるとメアリはたちまち眠りに落ちる。

 椅子で寝ているメアリをベッドまで運んだ後、少年は開いた窓に足をかける。

「メアリちゃん、また明日。」

 少年の背中からは黒い翼が生え、彼は大空へ羽ばたいていく。












「こうして我らのご先祖様たちは力を合わせ魔王を討伐したのです!」

 客席から拍手喝采が巻き起こる。

 彼女は歓声の中、一回お辞儀をし今回の公演を締めくくる。

 拍手は彼女が舞台からいなくなった後もしばらく続いた。

 これで今日のお仕事は終わりだ。

 舞台裏の椅子に座り込む。

 ここでやっと一息。

 髪が赤色のままだ。緊張や興奮がまだ抜けきってない。

「ヤッパリツカレタァァァ。」

 目の前に水が入った木製のコップが置かれる。

 同僚の女性だ。

「お疲れー。」

「オツカレサマデス。」

 今回はとても大きな仕事だった。

 お互いを労いあう。

「いやーやっぱすごいね。アリスちゃんのその声。」

「アリガトウゴザイマス。」

 その声とはいつもは不自然なほど高いこの声の事だ。

 一度演技や公演の司会に集中できるとその役にあった音程でしゃべれるのだがなぜか普段はそうはいかない。

「髪の色が変わるのもいいなぁ。」

 私の髪はなぜか感情で色が変わる。

 昔これのせいで奴隷商に追われたことがあるので自分ではあまりいいものではないと思ってる。

「イヤアナタダッテセイベツカエレルジャナイデスカ。」

 ここの劇団員はみんな謎の能力を持っている人ばっかだ。

 なんでも劇団長がいろんなとこから集めてきたらしい。

「そうだけどねーこんなの着替えるとき女の子と一緒に着替えれるとかしかできないよー。」

「アナタゼッタイワタシガキガエテルトキ二、コウイシツニハイッテコナイデクダサイネ。」

「ええー」

 外見が女性でも中身が男の人に着替えを見られるのは抵抗がある。

 まぁこの人自分でも男だったか女だったか忘れてしまったらしいが。

「そういやそれ何?」

 彼女が指さしたのはここに来る前拾った鳥かご。

 中に青い花が入っている。

「サァ?」

「いやあんたが拾ってきたんじゃん。」

「アノトキハウゴイテタキガスルンデスケド、、、」

「動いたって何が?」

「コノハナガ。」











 うぉぉぉぉぉぉぉぉ!こっちを見るなぁぁぁぁぁぁ!

 魔物だってばれたら絶対めんどくさいことになるぅぅぅ!

 この体勢つらいぃぃぃぃぃ!

 また知らない人についてっちゃった!お母さんやお父さんにあれだけ知らない人についてっちゃダメって言われたのに!

 いやどっちかというと連れてかれたなんだけど。

 いやいい方法があった。寝てしまえばいいんだ。

 俺花だから自分から何かしない限り大丈夫だろ!

 スキルでも追加しよう!三千やイーザを助けるためにも火属性の魔法覚えてパーっとやろう。

 二人捕まってる時点で鳥かごの中でのんびりしてるわけにはいかねぇ。

 大丈夫スキルポイントはこの前確認したときめっちゃあった。

 よしお休み!

「あっ花びら閉じたよ!シュッてシュッて!」

 しまったぁぁぁぁぁ!

 慌てて花びらを開けて取り繕うとする。

 駄目だなにもするな俺ぇ。

 ここでまたなんかしたら今度こそ終わりだ。

 冷静に冷静に、、、。

 スキルを手に入れるため念じる。


 火炎魔法習得許可  不可

 氷華魔法習得許可  不可

 雷鳴魔法習得許可  不可


 なんで!?

 急いで鑑定で検索。


 ~魔法習得許可

 魔法を覚えるのに必要

 一つの生命に一つしか覚えることができない


 ちくしょうめぇぇぇぇぇ!

 俺はすでに回復魔法習得許可を覚えている。

 え、つまり俺ロクな攻撃方法なし?

 いや俺には必殺の 寄生 がある

 これ使ってゾンビアタックだ。

 幸いにも寄生先はそこらへんに歩き回ってる、、、いや駄目だよ!

 せっかくイーザが召喚した魔物ってことにしてくれたのにそんなことしたら即指名手配だわ!

 あれ?でも待って寄生してる間って体の持ち主とコンタクトとれたよね?

 レイファスからランスロットの体借りて逃げたときもそうだったし。

 これだ!










 周りを見渡す。

 ここは彼女の部屋らしい。

 何やら可愛らしい服がたくさん置いてある。

 花びらを閉じてる間、揺れてる感覚があったから移動したのだろう。

 彼女は寝ており部屋は暗い。

 だがカーテンから光が漏れている。

 まだ昼なのだろう。

 俺は鳥かごを出る。

 するとすごい圧迫感に襲われた。

 これが、、、怒りを無理やり抑えた結果。

 湧き上がる怒りを理性で無理やり抑える。

 なんかの拍子で理性爆発させないようにしないと、、、。

 急いでベッドで寝ている彼女に寄生する。

 ・・・もしもし・・・今あなたの心に直接語り掛けています。

「ン、ダレ?」

 神です。

 寝込みにやるのは気が引けますが聞いてください。

 わたしの仲間が奴隷商に捕まっているのです。多分。だから助けてください。

「ムリ、ゴメンネ。」

 ええぇー即答ー

 いやお願いだってマジで。神だよ?私、神だよ?

「ワタシアシタモコウエンアルノ。ダカラタスケラレナイ。」

 じゃあ今夜だけでも、、、。

「ウーン、、、デモワタシコワイシイキタクナイヨ。」

 あ、、、うんそうだよね。

「ソレニソーユーノハキシダンノシゴト。」

 ああ、そうだわそういや今まで会った人がほとんど戦える人だったから忘れてた。

 この人は一般人で戦える力はないのか。

「ナニカホカニテツダエルコトガアルナラ、、、」

 もう一度部屋を見渡す。

 すると部屋の隅っこに埃をかぶった人間大の木偶人形が置かれていいるのを見つけた。

 あの人形、、、。

「アレハムカシコウエンデツカッテタヤツ。イマハモウツカエルヒトガイナイケド、、、。」












「アレ、、、アノコエハドウナッタンダロウ?」

 部屋の窓が全開になっている。









 人の通らない裏路地を木偶人形はおぼつかない足取りで歩く。

 やっぱ難しいな。

 木偶人形に全体に小さな穴をつなげそこに根を伸ばし触手化で手足のように動かす。

 最初から無理そうな挑戦だったが仕方がない。

 というか手掛かりもなしにどうやって探せばいいのだろう。

 そこんとこ全く考えてなかった。

 おっと。

 強い圧迫感に襲われる。

 一定周期にこれが来る。

 やはり怒りを無理に抑えてるからか。

 何か忘れてる気がする。

 あ、、、鳥かご置いてきちゃった。

 やべぇ怒られるかな、、、。

 まぁいいか。

今回も読んでいただきありがとうございます。



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