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王都騒擾

 ルティアの足元が凍り霜が降り始める。

 誰も気づかないほど徐々にだが。

 花びらが魔力を帯びる。

 その魔力が野次馬達に悪寒を走らせる。

 準備が完了すると同時に二人は「待機」から「実行」に移り変わるだろう。

「すまない、私達の客に何か用だろうか。」

 その場全員が声の主に釘付けになる。

 第1騎士団副長アンリ。

 彼のその立場はそこらの成金などゆうに凌ぐ。

 そして男なのに可愛いとの理由から人気が高くとても有名である。

 そんな彼をこの男は知らないはずがない。

 目を大きく開き驚愕し、その顔から弱者を軽蔑するような腹たつ笑みが崩れ落ちる。

「は、はぁ!副長殿のお客様でありましたか!いえ、迷子かと思いましてでは私はこれで、、、!」

 ベラベラと言い訳をしたと思ったら男はあっという間に姿を消す。

 なんかぶつけるべき怒りとぶつける相手がいなくなっちゃったな、、、。

「すみません。エメラルとの戦いで剣や鎧がダメになっていて手続きに時間がかかってしまいました。」

 どうやら剣や鎧が騎士団の証明証みたいな役割をしていたらしい。

 ランスロットには悪い事をしたなぁ。

 まぁ命に比べれば安いもんか。

「お、お父さん、もう怒ってない?」

 心配そうな顔をし、恐る恐る機嫌を確かめようとする三千。

 あぁ、もう怒ってないよ。

 というかうちの子の心配する顔もめっちゃ可愛いわ。

「え、えへへー。」

 デレる娘。

 あぁ!可愛い!

「お花さんさん、そろそろ良いですか?」

 あ、はい。

 なにこの人笑顔なのに超怖い。

 もしかしてさっきのことでまだイライラしてる?

 いやいやルティアさんはそんな人じゃない。

「三千ちゃん、とりあえずお部屋に入りましょ?」

 三千に対しての笑顔は恐怖など微塵も感じなかった。




 ある豪邸の地下室に怒号が鳴り響く。

「クソッこのゴードン・アポリウスに恥をかかせおってぇぇぇぇぇ!!」

 怒りのままに少女を殴る。

 手足を鎖で繋がれた少女は吹き飛ぶこともできず殴られ続ける。

 殴られて殴られて殴られて、、、絶望しきった少女は声を出すこともしなかった。

「もしもーし!ゴードンさーん?」

 いつもの気味の悪い声が聞こえる?

 それはいつのまにか後ろに立っていた。

 最初は驚いたがもう慣れたものだ。

「なんだ、もう来たのか。」

「おや、まだ出来上がっていないので?」

 怪訝そうな声で問いかけるそれは黒いコートに不気味なお面をつけていた。

「ふん!今から作るところだ。いつも通り五匹で良いのだな?」

「ええ、後メスが入っていると値段が上がりますよ?」

 周りから見たらその会話は悪趣味極まりないだろう。

 だが二人にとっては金を稼ぐ大切な商談。

「メスは次のを産む材料だからダメだ。まぁ余ったら売ってやっても良いがな。」

「壊れた中古なんていりませんよ、、、。では1時間後に。」

 そう言い一階に上がる階段を上っていくコートの男。




 一人また一人と子供が産まれる。

 その光景は「異常」、そうとしか言い表せない。

 一人の女性からボトボトと産まれた子供はみるみる成長し、7歳児くらいの大きさになる。

「オス3にメス3か、、、ちと少ないな。殴り過ぎたか?仕方ない。メス一匹残して残りは売ろう。信頼というものは商談で一番大事だからなぁ。」

 パチパチと拍手が上がる。

 いつのまにか階段にコートの男が立っていた。

「いやぁーお見事。母体の死体処理はこちらでするとして、、、今回少し数が少ないですがちゃんと五匹売ってもらえますよね?」

「あぁ仕方な、、、いや待て。お前情報も売り買いしていたよな?」

「はぁ、やっていますが?」

 ゴードンの頭に妙案が浮かぶ。

 そう、メスを売らずになおかつ自分に恥をかかせたあの3人に復讐する方法が。

「金羊の宿にとてつもなく顔の良いメスのガキがいる。首には青い花をつけていて髪は緑。ついでに近くにはエルフの女もいる。これも顔がいい。どうだ?もし成功して分け前をいくらかくれるのなら支援の金は出してやるぞ?」





今回も読んでいただきありがとうございます。

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