vs 冒険者 19
「ねぇ離してよ!私はお父さんのとこ行かなきゃいけないの!」
「落ち着け!ここには君のお父さんはいないんだ、きっと先に王都に着いているさ!だから私が君をお父さんのとこまで連れて行くよ。」
「そんなわけない!お父さんはこの森のどこかにいるの!」
森では怒る少女とそれをなだめる鎧をつけた男がいた。
何を言い聞かせても全く耳を貸さない少女に男は困りはてる。
もちろんこの子の父親が王都にいるというのは嘘だ。
きっと父親の方もこの子を探しているだろう。
またはもう手遅れになっているか。
考えたくはないが多分後者だろう。
魔物の村を襲撃したのだ、そのため森は逃げた魔物で溢れかえっている。
その中で生き抜くというのは戦闘経験のある者しか無理だ。
どれにしろこちらには負傷者もいる、無理矢理にでも連れて行く他ない。
この子には悪いが、、、。
スキルを使い少女を眠らせようとしたその時木の根元に座らせていた仲間が声を上げる。
「おいマーク!周りを見ろ!」
ゴブリンが三匹、こちらに向かって走って来ている。
騒ぎ声でこちらを感知したのだろうか。
「少し数が多いな、、、しかしゴブリンごとき冷静に対処すればどうと言うことはない!」
マークは負傷している仲間とゴブリンの間に入り腰にある鞘から剣を引き抜く。
そして腰に力を入れ剣を横へ薙ぎ払うように振り、すれ違いざまに一匹を斬る。
ゴブリンはごひゅっごひゅっと血の泡を吐きながら空を掴み動かなくなる。
さっきまで襲う側だと思い込んでいた二匹は仲間が一瞬でやられた事に対したじろぎ減速、一匹がもう一匹を盾にするように隠れた。
それを見たマークはここぞとばかりに足に力を入れ全力疾走。
「うおおおおおおお!」
減速し直列に並んだゴブリンに突進し、二匹同時に串刺しにする。
「はぁはぁ、、、ふぅ。」
一息つく。
味方の安全を確認する。
「あれ?女の子はどこに行った?」
少女は森を走る。
不覚にも気絶してしまった。
早くお父さんに会いたい。
兄妹たちは私に託して後を任せてくれたのだ。
絶対にお父さんの役に立ってみせる。
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