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絆のトレーニングノート:始まりの春、強さの種  作者: たまに何かを書く人
【第10章】新しいページの始まりへ

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第五節 最後のテスト、そして春へ

冷たい空気に、かすかに春の香りが混じり始めた、2月目前の放課後。


リンの家のトレーニングルームでは、マラソン大会から数日が経った今も、4人がいつものように汗を流していた。


「ふぅ……さち、ほんと最後まで走りきったね」

ユキがマットに腰を下ろしながら微笑む。


「うん……ちゃんとゴールできたの、ちょっと自信になった」

さちは水をひと口飲み、少し照れたように笑った。


「リンも初挑戦で完走! すごかったよー!」

ハルが明るく声をかけながら、リンの背中を軽くたたく。


「Thanks! あんなに息が白かったのに、ぜんぜん寒くなかった。不思議だった!」


「それは、気持ちが熱かったからだよ」

さちのひとことに、全員が笑った。


トレーニング後、4人はリビングのテーブルに広げた**「絆のトレーニングノート」**を囲む。


ページをめくるたびに、ひとつひとつの記録と思い出がよみがえる。


「これ、海でトレーニングした時だ。泳ぐ予定だったのに、気づいたら砂浜でスクワットしてた」

「しかも、100回超えてたよね(笑)」


「ここは……最初の筋トレ記録。さち、腹筋5回でギブだったんだよ」

「今じゃ、30回連続でいけるもんね」

「しかも、フォームもきれい!」


笑い声が弾む中、ハルがふと、あるページのすみに目を留めた。


「……これ、春の体力テストの記録だ」


そこには、4人が真剣に臨んだテストの結果が残っていた。


「A評価、あとちょっとだったよね」

「Bでもかなり良かったけど……やっぱり、少し悔しかったな」


ハルとユキが同時に口にして、顔を見合わせる。


その時、さちが記録を見つめながら、静かに言った。


「ねぇ……今だったら、どうだろう。少しはAに近づいてるかな」


「え?」


「……やってみない? 小学校最後の“体力テスト”」


その一言に、場の空気が変わる。


「いいね! 今の自分たちで、記録を超えてみよう」

「うん。思い出にもなるし、自分たちの成長を確かめられる」


4人の表情が引き締まり、自然とうなずき合った。



翌日、放課後。


4人は職員室を訪れ、担任の先生のもとへ向かう。


「先生、小学校最後の体力テストを、自分たちでやってみたいんです」

一歩前に出て、ハルがまっすぐに伝えた。


「体育館を放課後に使わせていただけませんか?」


担任は、4人の顔を一人ひとり見つめ、ゆっくり頷いた。


「……君たちが“本気”なのは、十分わかってるよ」


「許可する。でも、ケガだけはしないように」


「はいっ!」


こうして、トレーニングは新たな目標――**「小学校最後の体力テスト」**へと向かい、動き出した。


季節は確かに、冬から春へと移ろい始めていた。


挿絵(By みてみん)

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