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地下迷宮.8

地下迷宮から外へ出ると、空がオレンジに染まっていた。

大通りからは、いい匂いがしたり、夕食を買いに来る人たちがいた。

こういった風景はどこの世界も変わらないのかな。

美味しいご飯の匂いがして、サーナちゃんのお腹が鳴る。かわいい音。

「えへへ。お腹空いたよ」

「そうだね。もう、夕方かー」

「思ったより時間がかかったわね」

「うむ。ガーネット、とっとと帰って夕食にするぞ」

「待ってお兄さん」

そして、私たちの方を見るとにっこり微笑む。

「よければみんなで一緒に食事にしない?」

「な、なんだと!?お前、正気か!?」

「お兄さんが人間をアンポンタンと思うのはご勝手にだけどさー。

今は、仲間なんだし、交流を深めないとね」

「くっ!森を燃やした奴等とだと!?」

「いやいや、私たちなにもしてないし」

思わず口を挟んだら睨まれた。なので、あんずを掲げて顔を隠すと、エメラルドはでれっとなる。

「にゃあん」

「ふん。仕方ない。にゃんにゃんが言うなら一緒ににご飯を食べてやってもいいぞ」

どんだけ、あんずに弱いんだよー。

「なあ、マキマキ。こいつぶん殴っていいか?」

「それは、駄目だよ」

偉そうだけど、お菓子美味しいし。あんずには甘いし。とろとろのあんかけ焼きそばよりとろとろなんだもん。仲悪くなったら、お店の前で門前払いかもだしね。

ギルドに行こうとすると、猫たちが嬉々として集まって来た。

かわいいのでなでなでして上げると、喜んでされるがままのご満悦。



「みんな、後でね」

「にゃあん」

「ふにゃ」

「猫ちゃんたち、かわいいね」

「そうだね」

「それにしても、猫カフェ出来るかなー?」

「かなー?出来るといいけど、世界中見て回りたいよ」

「マキちゃん、散歩好きだもんね」

外に出たからか、サーナちゃんはうきうきして中へ入る。

中には、ギルドマスターたちが待機していて、地図を見ながらなにやら書き込んでいる。


「みんな、こんばんわー」

「マキさん、無事だったんですね!良かったです!」

クインさんがほっとしたように微笑む。

何人かは外に出て報告に出ているようだね。

「マキ、すまねぇ。俺はビビって子鹿のように震えていたようだ」

ゲイン。その表現は自分で言うの?

あんまり、気にしなくてもいいのにね。ヤバい奴がいるだけでも分かったんだしね。

「気にしなくていいよ。今は、休みなよ」

「そうですよ。誰にだってミスはあるんですから」

サーナちゃん、良い子。にっこりと微笑み励ましてる。


エアハルトがやって来て声をかける。なんか、困った顔してる。

「……マキちゃん、あの子なんだい?」

「なんだいと言われましても……」

愛人ですが、とも言えない。見ると、ロナンの前で泣き崩れているソナタをロナンがおろおろしている。

おろおろして、反省するがいい。さすれば、救われ……ないと思うけど。

周りの冒険者たちが冷たい目線で見守り、カナリアがにやにやしてほくそ笑んでいる。

「へへ。光の女神の裁きを受けるが良いぞ」

カナリアさん、怖い。よっぽどロナンにストレス感じていたんだろう。

「……まあ、そっとして置きましょう」

「……にゃん」

あんずは、慰めるように鳴くと地図を見てにゃんと鳴く。

冒険者たちが進んだ場所を確認して羽根ペンみたいのでチェックを入れる。それにしても、まだ地下迷宮までたどり着けていないの?


「おい、そこのパパ活女子!」

ロナンが叫ぶ。私が睨む。ロナンが怯む。あんずが毛を逆立てるっと。

カナリアさんが注意しての追い打ちで心にダメージ。

「……なんですか?」

「な、なんでもないです。で、でもなんでソナタがここにいるのかな~?」

顔にこの下民が~!と、描いている。あんず、引っ掻いちゃえ。

「あなた、その性格直しなさいよねー?あなたのせいで、ソナタさんはぼっちで地下にいたんですからねー?」

エレンが、近づいて睨みつける。あ、今エレンの胸を見た。見たよね?ロナンの奴。

「にゃん」

あんずが頷くように鳴く。


「見て、なにが悪いか!」

「「悪いわ!」」

私や他の女性冒険者の声がハモる。もちろん、カナリアさんもね。

「わしは……わしは!貴族様だぞ!?なぜ、怒られなくてはならん!?」

少しは良いとこあると思ったけど、駄目だこの人。なにも言えないよね。

「……ロナン様。私はもう行くとこがありませんが、今までお世話に鳴りました」

ロナンの妻に追い出されたもんね。逃げるしかない。

なんだか、悲しそうに頭を下げているよ。

「……わしを見捨てないでくれ。わしを束縛する嫁より、お前の方がいい」

なに言ってんのこの人。都合良すぎ。

「あ~な~た~!」

「うひぃぃぃぃ、リリス!」

そこへいつ現れたのか。従者を連れた綺麗な貴婦人がロナンの両耳を引っ張る。あ~、いたそ。ま、いいよね。そんなことよりも。


「ねえ、ソナタさん」

「はい?あ、マキさん。助けていただいてありがとうございます」

ぺこりと頭を下げる。今更だよ。

「それより、ここから逃げた方がいいよ」

ソナタさんが見つかったら血を見るぜ。

「あ……それならご存じです」

「へ?」

そのリリスさんが優雅に歩いてくる。一応、笑顔だけど……。

サーナちゃんが、緊張して私の服の袖を掴む。だ、大丈夫かな?



つづく

エアハルトは、ギルドマスターなのにおろおろして手出し出来なかったんだよ。これでも強いんだよ

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