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地下迷宮.1

「やっと来おったか。遅いぞ?」

「えと、どうも」

鍛冶屋に着いたら、ガレフモキアさんが怒ってるよ。

なんで、怒鳴られるのかが分からないです。

「おじいちゃん、怒っちゃめっだよー」

「む。サーナが言うなら仕方あるまい」

おい、じいさん。でも、ドワーフって寿命長いから、ホントにじいさんか分からない。


「ほれほれ、装備してみぃ」

そんなに急かさないで。

「……あれ?小手の形変わってる?」

「うむ。お主の銀鉱石と、わしの独断で火の魔石を合成したら、武器進化しおった」

「赤くてかっこいいですの」

「でも、俺ほどじゃないだろ?」

ドロンの言葉は、見事にスルーされた。紅い炎をかたどった手甲。


激烈之手甲―火の魔力が込められた業物。拳を振るう度に炎が散る。


はめると手に馴染みます。一振り二振り。うん、軽い。

「マキちゃん、似合う!」

「ありがとう」

サーナちゃんは、良い子だ。後で、お小遣いを上げよう。

は!こうやって、サーナちゃんを甘やかす大人が多いのかも。でも、仕方ない。サーナちゃんのリア充には抗えないのです。魅力カンストしてるから。

そして、飛脚の靴も合成して進化していた。


ヘルメスブーツ―折れない心でどこまでも駆けられる。

歩く度に銅貨2枚が手に入る。たまに銀貨。

なんか、モデルの人が履いていそうな靴もだね。



「俺は、こいつを使うぜ」

「え?」

それは、一振りの小振りのハンマー。なにかっこつけてんの?


バトルハンマー―小振りで使いやすい槌。

そして、バトルアーマーと、バトルガントレットとバトルレッグ。バトルヘルム。

スチール系の装備と合成してあるみたい。フル装備だね。


「あなた、泥団子しか投げてないじゃない?」

「俺の職業は、片手槌と片手斧。そして、鉄球がある」

粘土細工師の装備じゃないよねー。

「ドロンさんは、器用なんだね!」

「サーナちゃんの杖は出来てますの?」

マナの台詞ににやりと笑い、ガレフモキアが差し出したのは、魔法の鉢植え。いや、杖じゃないんですけど。

「あれー?おじいちゃん、杖はー?」

「うむ。サーナがモリガールじゃからか、鉢植えに進化したようだ」


その鉢植えは、魔力を植えて花を咲かして特殊な効果があると言う。


魔法の鉢植え―魔力が高ければ高いほど、威力が高まる。


「わ~い!きれいな花を咲かして上げるね!」

魔法の鉢植えを掲げ喜ぶサーナちゃん。かわいい。

「私のはありますの?」

「ほれ、感電するなよ」

注意深く渡されたのは黄色い杖で、握ると魔力が高まるのか、マナは瞳をキラキラさせる。短めのスラッとした杖である。


雷撃のロッド―ほとばしる魔力があなたをびりびり感電させちゃうぞ♪

それは、一目惚れした時と同じ感覚。雷系の魔法の威力を少し上げる。


「ふう。全ての武器が進化するとは、鉱石のおかげかの。良い仕事をしたぞ」

ガレフモキアは、満足そうに頷く。多分、私のLUKが高いのが原因かもしれないね。

お代を渡すと私たちを鼓舞するように励ます。

「ギルドでのことは聞いておる。わしも行きたいとこじゃが、みんなの武具を手入れしなければならんからな。ここから、見守らせてもらおう」

「はい。頑張るよー!」

「にゃん」

サーナちゃんに続いてあんずも鳴く。前も地下に行きたそうにしていたからなにか、目的があるのかも。

みんなの防具も鍛えてもらってあるのでパワーアップしたよ。


マナの魔法屋へ向かう途中。あの人に出会った。

「あ、先生、こんにちわ」

ラナン大司祭とカナリア司祭だ。こんなとこでどうしたんだろ?

サーナちゃんの丁寧な挨拶にムスッとしていたラナンはほくほく顔だね。やはり、ロリなのだろうか?でも、愛人がいるしね。

「やあ、サーナちゃん。これからお出掛けかの?」

「みんなで、クエスト受けます」

「なんと!?それは危険ではないのか?」

そりゃ、慌てるよね。小さい子がダンジョンに潜る訳だしね。

「でもでも、街の人に危険が及ぶから頑張ります」

「おお、そうか。関心なサーナちゃんにはこれを上げようね」

ロナンがアイテム袋から取り出したのは、一つの小瓶。

「なんだい、そりゃあ?お前さんの精力剤か?」

「ば、馬鹿を言うでない!泥まみれが!小さい子の前でなにを言うか!」

ロナンが、カッカッしてる。でも、その意見には同意します。

デリカシーがなくて、てれてしまうよ。マナもかあっと言う間に顔が赤くなっている。

「聖水ですよ。地下にはゴーストなんかも出ますしね」

変わりにカナリアが説明してくれる。そして、ロナンを見てクスリと笑う。

「ロナン様も地下に潜ってはいかがですか?初心に帰れば、心も浄化されることでしょう」

「き、貴様!上司に向かって!」

「上司でも尊敬出来なければ、辛辣にもなりますよ」

なんだか、カナリアさんて凄いなと思う。普通上司にガンガン言えないよね。私は言うけど。

「うるさい!なれば貴様が地下へ行ってこい!サーナちゃんをしっかり守れよ、この下民共と一緒に!」

やかましい。むかつくー。

「ふぅぅぅぅぅぅ!」

あんずたちが毛を逆立てて威嚇する。

「くっ!どら猫共がー!かわいくない奴!」

なんか、捨て台詞を言ってさって言ったよ。

カナリアが、にこやかな笑顔で手を振り見送る。あれ?

「カナリアさんは一緒に行かないんですか?」

「ええ。じじ……ラナン様と目的地は一緒ですから。あなた方と行きます」

「えと、どこへ?」

「冒険者ギルドまで」

話しを聞くとギルドで、治療班として待機してくれるみたい。

それは、とても心強いな。安心して頑張れるよ。

「でもその前に、魔法屋へ行くよ」

「はい」

私たちが、魔法屋へ向かうことにした。

そこに待っていたのは、見覚えのある男。領主代理の息子だった。



つづく

猫たちも、あんずの無事を祈ってるんだよ

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