小さなティマーと.5
昨日は一日でのアクセス数初の1000PVでした!
ありがとうございます!コツコツ行きたいですね!
「よう、サーナちゃん。いつも可愛いね。これをあげよう」
「ありがとう、ゲインさん。えへへ、かわいい♪」
この人、いきなりサーナちゃんに犬の縫いぐるみを上げて周りから睨まれてるよ。
虚ろな瞳が、サーナちゃんを目にした途端明るくなった。
「久しぶりだな、マキだったか?」
「ええ。ゲイン、地下に潜っていたんじゃないの?」
「……ボロ負けしたぜ」
「え?」
悔しそうにうつむいたゲインは、自分の縫いぐるみを眺めてる。道理で元気無さそうだと思った。
「どうしたんだ?縫いぐるみ使いが自分に似合わないことに、ようやっと気づいたのか?」
「ああ。それは分かってる……いや、そんなことは今どうでもいい」
ポツポツと話し始めたのは、地下に現れた迷宮のことだった。
「……他に潜った奴もいたが、みんなやられちまった。あの化け物に……」
「化け物?」
「俺は、命からがら教会のとこまで行って、大司祭に助けてもらったんだ」
あの大司祭、ちゃんと救えるんだと失礼なことを思ってしまった。
しかし、ギルドがざわつく訳だね。
「ふにゃああ」
「あんず?」
あんずかなにかを加えてやってくる。それは、依頼書だった。
依頼 かりん
ハリィが朝からいません。探すのを手伝ってくれませんか?
報酬 銅貨30枚
「ハリィが行方不明だ!大変だよ!」
あわあわしてる。うん、かわいい。
「サーナちゃん落ち着いて」
「あのネズミがいないのか?」
「まずは、話しを聞いてみますの!」
「あ~!みんな、聞いてくれ」
奥から野太い声を発したのは、ギルドマスターのガタイのいいおじさん。タイゼンとか言ったっけ。
一回、ナンパされたけど、冒険者と告げたら、俺は冒険者とは付き合わないとか言われて、何故かこちらがフラれた低になったので、複雑な気分です。まあ、おじさんは年が離れていて無理だけどね。
琴美は、おじさんでもイケメンならいいとか言いそうだ。
「今、ゲインから聞いた通り、幾人もの冒険者が帰ってきていない」
周りがざわつく。もっと戦力を集中して潜ればいいのに思うものの、新米だから、生意気言ったら無視されそう。いや、私の方が強いから、逆にこてんぱんにしてしまいそうだ。
「今から、地下迷宮だけに集中するよ!みんな、お願いします!」
そのエアハルトの言葉に、緊張感が走る。
「よりによって、ロッカーたちがいない時に……」
「クランツさんもいないし」
「俺の筋肉を見せつける依頼の途中なのに?」
「私たちだって、地下アイドルから、地上で歌ってくれって依頼にウキウキしていたのにー?」
犬耳の二人組の冒険者たちが、べそをかいている。べそをかかないの。
「おい、ゲイン!ビビってないでその時の状況を話してくれ!」
「一体、どんな魔物に遭遇したんだ!?」
しかし、冒険者の言葉に、負けたことがショックなのか、うつ向いてばかりだ。うん、これはそっとしておくしかないよね。
「よし。みんな準備をして、一時間後に集合だ!そして、報酬は弾むぞ!」
その言葉に冒険者の士気は高まる。ホントに、命懸けにテンション上げるんだから。
「よし、みんな行くよ」
私たちは、ギルドを出ると外で待っていた猫たちと、かりんの待つ酒場へ。
猫たちも、私たちの緊張感を感じ取ったのか、そっと見守るような感じです。
「あ、みなさん!お忙しいのにすみません!」
酒場はまだ、準備中なのでがらんとしていたけど、そこには落ち着かない様子のかりんがいた。
「ハリィがいなくなったって?」
「にゃあ」
「そうなんです。フェンテさんのとこに行った帰り道にハリィが突然、駆け出して行ってしまったんです!」
「それで、どこへ行ったか分からないですの?」
「そうです。街の至る所を探したんですけど、見つからなかった」
「愛想つか……ぐはっ!」
言いかけたドロンのお腹にボディブロー。
もう、デリカシーないんですけど。
「駄目だ。周りにはいなかったぜ」
酒場の主人は、心配そうに言う。探してくれたんだね。
「にゃん」
「あんず、どうしたの?」
あんずはしばらく歩くと、こっちに振り返る。
「ついてこいってこと?」
「あんずのとこへGO!」
サーナちゃんが、元気よくついて行くので、私たちもその後へ続く。
裏口を出て当然のようについてくる猫たちと一緒にどこへ?
くんくん匂いを嗅いで行く内にそこにたどり着いた。
街の至るところにある地下への入り口なので匂いがいやだー。
「にゃん」
「この先にいるの?」
「ふにゃん」
「あんず、すごーい!偉いよ!」
サーナちゃんに顎を撫でられてご満悦のようだ。私も、頭を撫でてやりながら地下の様子を窺う。
「ここにハリィがいるならすぐに行かないと!」
「待って!しっかり準備しないと……」
地下に入って行きそうだったので、慌てて止める。
「……でも、ハリィは私の大切な家族だから…」
「ええい、落ち着け!」
脳天にチョップをかます。全く、もう。
「いた~い」
「冒険者なんだから、ちゃんと準備しないと駄目でしょ?
ダンジョンで死んだら、ハリィが悲しむよ」
「……はい」
項垂れるかりんの頭を撫でる。
「さっ、気持ち切り換えて行くよ」
「はい!ハリィをきっと助けます!」
「うにゃん」
「にゃおぅ」
「ふにゃあおぅ」
かりんをパーティに加えて新たなクエストに挑むことになった。
あんずも励ますように鳴く。他の猫たちもね、
かりんには、自分の装備を整えてもらうことにして、私たちは、ガレフモキアのとこと、エレンさんの持とへと駆け足で巡る。
つづく
猫たちも新たなミッションでそわそわしていたよ




