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かぼちゃ祭りだよ.5

ピロリーノの視点



俺は、久しぶりに親父と夜空を見ていた。俺が小さい頃もよくこうして外で星を眺めながら話しをした。

特に女にモテる秘訣とかぼちゃに対する愛情だ。そのせいか俺も女とかぼちゃをこよなく愛するようになった。愛しているのに嫌われた。しかし、村が潤っているのは我が家のかぼちゃの恩恵があってのこと。温泉も引くことが出来たし、これで観光客が来てくれればもっと潤う。


だから、媚を売る村人も女もいたが、寂しかった。その寂しさを埋めるように村娘たちに手を出した。

しかし、孤独が埋まることはなかった。

しかし今日、かぼちゃの親父に説教されて救われた感じになった。本気で俺のために叱って……また、かぼちゃと女の話しになったのはくしょうしたが。

多分、今さら俺のこの性格が変わることはないだろう。だが、もう少し村のために真剣に頑張ってみよう。

クインだってこんな俺に言い寄られて嫌になって出て行った訳だしな。


「……親父?」

「……ああ。もう時間みたいだな」

かぼちゃ親父の身体が透けて来ている。久々に酒を酌み交わせて嬉しかったぜ。照れ臭くて言えないがな。

「ピロリーノ。貴様は俺に似てクズだが、かぼちゃの扱いは中々だ。頑張れよ」

「……親父」

「女の扱いは下手だがな」

「うるせーよ」

小さい頃は厳しくてムカついたこともあった。女癖が悪くて村から追放されて、しばらく帰ってこなくて母親と肩身の狭い生活をしていた。

しかし、親父は帰って来た。かぼちゃの新たな技術を手に入れて。

そのお陰でまた村にいさせてもらえた。そして、その親父がもういなくなる。

「……ちゃんとした嫁を見つけて、かぼちゃを絶やすなよ」

「……ああ」

無理だと思う。

しかし、気づけば元の姿に戻って泣いていた。

「あ、この時計、キーノに返しといてくれ」

最後の台詞がそれかよ。親父は、消えた。なんだったんだろうな。祭りの起こした奇跡でもあるまいに。

しばらく項垂れて悲しみを噛みしめていたら、子供たちの声が聞こえて顔を上げた。ランタンの灯りが見える。



サーナの視点



「とりっくあとりーと!」

村の一軒一軒を訪ねては大人たちから、お菓子を貰うのは嬉しくて幸せ。籠に沢山のお菓子を入れてくれたよ。

「今年は、すげーな!」

興奮気味に村の男の子、クリフがはしゃぐ。いつもはもっと少ないのかな?

「サーナちゃんは、村の命の恩人だもんね」

「そんなことないよー、えへへ~」

レコちゃんに褒められると悪い気がしない。レコちゃんは、宿屋の看板娘でおうちのお手伝いをしているから親近感沸いちゃうな。

「あっちで食べましょう?」

「まった、どうせなら外で食べようぜ?星がきれいなんだ!」

「なに、マセたこと言ってるのよ!サーナちゃんの前で良いかっこしたいだけなんでしょ?」

プリンが、ムッとして言う。クリフが村の外の女の子に優しいから面白くないのた。可愛くて優しい。そして、惹き付ける魅力に幼いながらもプリンは、驚異を感じているとは露知らず。私はプリンちゃんのプルプルした唇を眺める。

(……あれが、女性らしさのパーツか)

「なに、見てんのよ~?」

「う、ううん。なんでもないよ。ね?ホントに外に行くの?外には、魔物がいて危険だよ?魔物と、変態おじさんは怖いんだよ?」

ロッカーがよく注意していたので、それを教えて上げたのだが、子供たちは鼻で笑う。

「ここは、村だぜ?そんなに危険じゃねーよー?いこーぜ!」

サーナの手を掴んで引っ張るので、困ったように着いていく。それにドキドキもしている。

(ちょっとくらいなら大丈夫かな?)


村の外には、秋の涼しいと言うよりも、冷たさが混じるよ。もうすぐ冬なのかな。今年も雪が降るのかな~?

「うわぁ~!星がきれい!」

「だろ~?綺麗だろ?」

そこは、ちょっとした丘の上だったよ。建物や森がない分、星がきらきらと宝石みたいに光ってきれい!なんだかいつまでも見ていたい気分!

オイルトテスからも、沢山の星が見えるけど、いつもよりきれいにみえるのは、空気が澄んでいるからかな。



「こら!こんなとこでなにをやっている!」

突然の怒声にびっくりする。外が静かだから余計にだよ!

「うわっ!ピロリーノだ!」

「え?なに?私たちのこと待ち伏せてたの?変態!」

「プリンちゃん、それは言い過ぎだよ~!」

私が、プリンちゃんを宥めつつピロピロさんをそっと見ると、元の姿に戻っている。良かった。ずっと頭がかぼちゃだったら可哀想だもんね。

なんだろう?どこかスッキリしてる?そして、ホントに私たちを心配そうに見ている。

「そら。夜の魔物は昼間よりも狂暴で怖いこともある。村に帰るんだ!」

「ちぇっ!変態のくせにさ~!いてっ!」

クリフのげんこつが落ちて頭を抱えてる。あわわ、痛そうだよ。

ピロピロさんは、私たちを急かしながら回りを見回している。

いざとなったら私だって戦えるもん。

「いかん!」

ピロピロさんが、立ち止まり私たちをかばう。なにかな?

いつの間に現れたのか、畑の案山子たちが私を囲んでいる。頭には、かぼちゃのお面。

「あれは、イッポンカカシだ!」

「しかも、ハロウィンバージョンだよ!」

レコちゃん、どうしたの?なにそれ?あ、あのお面のことかな?

案山子たちは、一本足で立ってピョンピョン跳ねてくる。まるで、けんけんぱみたいに。

「早く逃げて、お嬢ちゃんの仲間を呼んでこい!」

ピロピロさんは、構えながらも震えている。

どうしよう?でも間に合わないよね。私がなんとかするしか……ない!


「刺々しい女心!」

回りの花たちが伸びて、案山子たちを串刺しにするよ。ごめんね。

しかし、それを上手くかわして来て高く跳ぶよ!?

そして、蹴りを私に狙って……!?突き飛ばされて気づく。

ピロピロさんが、私を助けてくれたんだ。呻き倒れながらも、私に逃げろって言うの。でも、そんなこと出来ないよ。

「葉之雫!」

私が、蹴られたとこを押さえるピロピロさんに回復魔法!

その間にも案山子たちが近づいて、屈む。さっきの蹴りが来る!?どうしよ、どうしよう!?あわわ!



つづく

クリフは、サーナちゃんに一目惚れだよ。

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