かぼちゃ祭りだよ.4
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「いいか、ピロリーノよ。女の尻を追いかけるなとはいわん。
しかし、ちゃんとかぼちゃを広め、財を成してから悪徳貴族みたいに好きにすればいいのだ!」
「な、なるほど。やはり遠回りするしかないと言うことか」
おい。このかぼちゃは説教しに化けて出たんじゃないのか。親が親なら、子も子かなー。村人たちは、そこ台詞を聞かない振りして祭りの準備をしている。
「しかし、お前は人望がない、がさつな男だから、村長にはなれん」
「……そうか。そうだよな。俺は、間違ってたよ」
目標は、どっちにしろ間違ってますよ。こう言う人が村長にはなっては駄目だもんね。
「……あの」
「……ん?貴様はそそる女冒険者だな?こんな目に合わせてなんか用か?」
「そんなこと言ってるから、人望カスなんですよ」
「なんだと!?俺の頭のかぼちゃを食べさせてやろうか?」
「嫌に決まってるでしょ?頭、大丈夫?あ、かぼちゃか、ごめんね」
「ぐぬぬぬぬ!ん?魔法使いの女のなんだ!?俺に惚れたのか?」
ピロピロかぼちゃが、マナを見る。かぼちゃなので怖い。
「あ、あの……こちらのピロピロ父さんに用がありますの」
「ん?わしか?わしの女になりたいのか?」
「ち、違いますよ!その時計から魔族の魔力を感じますの。それは、キーノさんが貴族のお姫様にプレゼントしたのですよね?」
「……わしはその頃にはぽっくり逝ってたからの。ピロリーノや、なんか分かるか?」
「……そうだな。げへへ。確かに王都クレランゼに、げへへ。送られた。げへへ」
「はわわ!」
顔を真っ赤なして胸元を隠すマナ。話しが入ってこないんだけど。
ピロピロがずっと、マナのマスクメロンをガン見してるんだもん。
「あんず」
「にゃん」
「ふにゃあ」
「にゃお」
猫たちが、ピロピロのかぼちゃ頭にじゃれついてる。
「こ、こら、放さんか!野良め!きさま等に餌をやっていたのは誰だと思ってる!」
「……え?まさか?」
「雑貨屋のジェニファーだぞ!」
「て、誰よ?つい、思わずツッコミを入れてしまった」
お前が、やってたのと違うのかー、
「ジェニファーは、ピロリーノの元カノじゃ」
「律儀に教えなくていいから。もういいや。マナ、行こう」
真面目に話しを聞こうとした私が馬鹿だった。マナがペコリと一礼して着いてくる。もちろん、猫たちも。
ともかく、王都に送られた時に罠が仕込まれたと。なんか、王都とか行きたくないなー。
のんびり田舎を散歩がいいよね。
その後は、みんなで村の飾りつけをしたり、クッキーを焼いたりしたよ。私のクッキーは黒焦げになったけど。日焼けサロン男みたい。
「マキちゃん、マナさん!とりっくあとりーと!」
辿々しく慣れない言葉を楽しく言うサーナちゃんと村の子供たち。私とマナで用意したお菓子をプレゼントする。
「ははは、愉快だ!愉快だ!」
ドロンの奴は、村の男たちとなにやら踊っている。村の人たちは特にドロンを見ても避けたりしないので嬉しかったのかもしれない。泥族は珍しいからね。
「あの、マキさん」
「あ、キーノさん。まさか、あなたもナンパですか?」
「は?」
きょとんとする。あ、ごめんなさい。失礼だったね。ナンパしてくる村人が多いから。どこの世界も嫁不足なの?でも、この村は女子が多いと思うけど。
「僕の時計でご迷惑かけて申し訳ない」
「頭を上げて?もう終わったことだよ。でも、その送った相手の方に聞いてみた方がいいよ」
「……そうですね。それとこれ」
差し出してきたのは魔法書?古い感じの奴だけど。
「わ!結構年代物ですの!」
マナがわくわくして見てるよ。
「良ければどうぞ。差し上げます」
「いいんですか?」
「ええ。昔、怪我を負った旅の魔道師を介抱したお礼に置いていったんです」
「わ、私が見てもいいですの?」
「はい。どうぞ」
「わーい!マキちゃんの魔法も見れるし、珍しい魔法書も手に入るし、嬉しいですの!」
な、なんか、興奮してるね。キーノさんが去ると、マナが顔を上げる。
「これ、凄い魔法ですの!」
びっくりした!マナは、声が大きくなったので慌てて口を塞ぐ。
「そんなに凄いの?これは、転移の魔法なのですよ!」
「店員?」
「転移ですの。激レアですよ。王都の宮廷魔道師が使えるか使えないかですの!」
「……つまりこれがあれば、楽できる?」
「もう。マキちゃんたら!」
でも、私は転移よりのんびり散歩したり旅行で歩きたいんだよね。ま、それはそとして便利なのは良いことだよ。
「マキさん、どーぞ」
「え?いいの?」
「だって、マキさんがもらったんですの」
「………うーん。じゃ、遠慮なく」
ここで、譲り合うなんて時間の無駄はしないよ。
貰うものは貰っとく。その代わりお返しはきっちりする。
祭りは進み。猫たちは、かぼちゃと魚の料理をもらっている。
「……で、マナの彼氏ってどんな人なの?」
「な、なんですか、急に?」
「いや、だっているとかなんとか言ってたでしょー?」
「はうう。優しくて、穏やかな人ですの!」
「それで?」
にやにやしながら惚気を聞く。こう言う話しをするのも久しぶりだな。
「あっちの方が得意ですの」
「え?あっち!!」
「そう。魔法の腕がありますの」
そっちか。ホッとして顔を赤くする。
「どうしました?酔ったですの?」
「なんでもないよー。その彼氏は街にいないの?」
「……はい。故郷です」
「そっか。遠距離かー、寂しいね」
「はい。でも私が決めて街を出ましたの」
「ふーん」
なんか、色々と訳ありかな?と、猫たちが集まって来たよ?
「にゃん?」
「ふにゃあご」
「どした?」
猫の言葉は分からないけど、猫使いだからか、気持ちは伝わる。なにか焦ってる?
えと?サーナちゃんがいない?
「おいおい、どうしたマキ?」
「酔っぱらい、サーナちゃん見なかった?」
「サーナ?あいつなら子供たちと村の外に向かっていったぞ?」
「なんで、止めないのドロン!あんず!」
あんずを肩に乗せて走る。他の猫たちも着いてくる。
マナがなにか叫んでいるが、聞いてる暇はない。
「サーナちゃん!返事をして!」
私の声はしかし、静かな夜に吸い込まれていくだけ。
つづく
走れ猫たち!




