魔法はいるの?.2
少しずつ、成長出来たらなと思います。
「うへへ。良いねーちゃんじゃないか。よだれがとまら………ぐふぉ!」
あ、しまった。いきなりのセクハラ発言についグーパンしちゃった。サーナちゃんは目を丸くしている。よ、よい子のみんなはそんなことしちゃ駄目だよ。
「マキちゃん、強く叩きすぎ!」
「ご、ごめん、つい」
「ついじゃねーよ、このズベ公!いきなりぶっ叩くとはどういう了見だ!」
「あなたが悪い」
ズベ公ってなにか分からないけど、褒めてないよね。
「なんだと!この……」
しかし私が再び構えると、押し黙る扉。てかなんで、扉がしゃべるのよ。
「空き巣対策だと思うよ。この家になにかあったら大声で叫ぶの」
「そうだよ、街でも評判のお嬢さん。気分いいから、おじさんがウインクして上げよう」
バチバチと両目をつぶる。ウインク下手くそ。そして、サーナちゃんに色目使うな。使っていいのは爽やかイケメンの男の子だい。その方が絵になるよ。なるよね。
「もう、騒がしいな~?なんですの~?」
その時、扉が内側から開いて出て来たのは小柄な女の子?頭にとんがり帽子を被り黒いローブを纏っている。髪はピンク色。うん。現実と違って染めてないね。地毛だよ。
アニメとかのキャラの髪の色って、カラフルで不思議だなと思っていた。そして、ダイナマイトな胸。
サーナちゃん、感心したように眺めているよ。
まだ眠そうなのか、大きなあくび。扉を見て、私たちを見る。
「あ、サーナちゃん、こんにちわ」
ペコリとするので、こちらもペコリ。ペコリ。
「おはよう、マナちゃん。また夜中まで魔法書読んでたんでしょ?」
「あはは。まあね。こちらの美人さんは、どなた?」
あら、嬉しい。なにかお菓子でも上げようかな。
「私は、マキ。で、こっちがあんずだよ。ども」
「にゃあん」
「はい。魔女のマナです。と言ってもまだまだ、未熟な冒険者ですけどね」
えへへと笑ってはにかむ。子供みたいでかわいいね。
「このマキって奴、エロそうな格好してるだろ?お前といい勝負だな」
「…………」
マナは慌てて杖を振るうと、扉は黙る。そして、ペコリと頭を下げる。
「ご、ごめんなさい。トトちゃん口が悪くて」
「トトちゃん?」
「この扉の名前です~。死んだ両親が私のために作ってくれた魔道具なんですよ~。でもなぜかエロくなっちゃったんです。ごめんなさい」
親の話しを聞いたら怒れないよ。それに、マナちゃんが悪い訳でもないし。トトちゃんが悪いんだ。トトちゃんがね。
「マキちゃん、握りこぶしを作らないで」
「うにゃにゃ」
「はい」
二人に怒られたかな?まあ、いいや。用件を済ませよう。
「あの。私たち魔法書が欲しいんだけど…」
今日旅立つので、早く来たことを説明すると快く店内へ、招いてくれた。
「早く入りやがれ。アバズレ」
トトちゃんがまた、なにかしゃべったので、ちょっと強めに閉めてやる。
「いて、なにしやがる!コスプレ女!」
「……はは。ごめんなさい」
「いいのよ。マナちゃんが悪いわけではないからね」
中は、魔法書と巻物みたいのが棚に、所狭しと並べられているよ。それに、魔道具かな?それがたくさん山積みになっている。片付け苦手かな。
「わあ~!相変わらず沢山ですね。でも、ごっちゃになってますよ、マナさん」
咎めるように言うサーナにマナは、苦笑する。
「魔法の研究で忙しいですからね~。どうしても片付けは後回しになってしまいます」
そして、カウンターの向こうに回り椅子の上に飛び乗る。ちっこいからね。にこりと笑いしゃべるよ。
「それで、お客様。どのような魔法がお好みですの?おじんにモテモテな魔法ですの?それとも、鼻息荒いおじさんたちが言い寄って来るおじさまを引き寄せる魔法ですの?」
「そんな魔法があってたまるか!」
あ、と。思わず突っ込んじゃったよ。でもマナがこうだから、トトちゃんもああなったのだろうか?そもそも変なNPC多過ぎだよ!
「もう。マナちゃんの冗談は変だよ!」
サーナちゃんの言う通りです。くすくす笑っているね。
「ごめん、ごめんですの。えへへ。それで、マキさんは職種はなんですの?」
「猫使い」
「へ?」
「猫使い」
「そ、そんなのあるんだ」
「にゃん」
あんずが、得意気に私の肩で胸を張る。まあ、レア職種だからね。しかも、変更不可。もっと他の職業とか選択したかった。
「……猫使いっと」
マナは、杖を振るうと、本棚の中から一冊の本を取り出す。
フワフワと浮いて、マナの頭上にポトリと落ちる。
「いてて。もう、逆らうなですの」
ぶつぶつ文句を言いながらページをめくる。どうやら、失敗を責任転嫁するタイプ?まあ、いいや。
「あった。ありましたですの」
どうやら、この世界の職業辞典の本らしい。
猫使い―レア度最高潮の職業。特徴は猫とすぐに仲良くなれる。猫と遊ぶことによって、猫ゲージが溜まり、猫必殺技を発動できる。ちなみに犬を可愛がると猫ゲージが下がる。魔法全般覚えられる。魔法は使う者のバトルスタイルによって幾千にも変化する。
「おお、これはすごいね」
「これは是非間近で見て見たいですの!」
「はあ。え?」
興奮してるよ。わくわくしてるよ。
この流れはアレだね、アレ。フラグ立ったよね。
「私を、仲間にして欲しいですの!」
やっぱりね。猫使いの魔法を見てみたいということですね。
まあ、この子が仲間になってくれるなら………大丈夫かな?
そんなうるうるした瞳で見ないの。
つづく
マナは、小柄だから幼く見えるけど、18才だよ。
冒険者登録してるんだけど、ムキムキな野郎共に口説かれるので、気後れして、パーティー組めてないんだよ。




