魔法はいるの?.3
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「わっ!孤高のマナちゃんがら誘って来るなんてすごいね」
はしゃいでる子がいるけど、そうなの?なにやら決意してるよ、マナちゃん。
「誘ってるんじゃないの~?」
トトちゃんは、黙っていようね。そう言おうとしたもののマナちゃんが杖を振るって黙らせる。
マナちゃんが止めてもあいつ、喋り出すんだよね。
「……まあ。魔法使いが仲間になってくれるのは、ありがたいけどね」
「ほんとですの?嬉しいですの!初めて仲間が出来ました!」
喜ぶマキちゃん。えと、初めて?
「初めてなの?」
「はいですの!」
「冒険、出たことないの?」
「はい。ごめんなさい」
「……別に謝らなくていいよ」
「ふにゃあん」
あんずが、ドンマイとばかりに頬擦りしてる。これでまたあんずが好きな人が増えるのかな。
しかし、マナちゃんは長くこの店をやってるっぽい雰囲気だから、冒険も初心者とは。まあ、いっか。すぐに慣れるよね。ね?
「私、冒険者登録はしてますけど、外見が子供みたいで侮られますの」
「そっか」
ふむ。この街はロリの集まりなのに(マキの思い込み)仲間に加えないのはどう言うことかな。サーナちゃんならパーティーに加えそうなのにね。ま、取り敢えずマナちゃんが仲間になったと言うことで。
そして、魔法について教えて、マナ先生。
「マナが先生だなんて、マニアックだな」
「うるさいよ、トトちゃん」
冷えきったマナちゃんの声。えと、これが一人でいる原因かも?
猫使いはなんでも魔法が使えるので、おすすめのと言うか、初心者用の魔法をいくつか持ってくる。
それは、本と言うより羊皮紙をくるくる巻いた物みたいだ。そこまで巻かなくてもいいのに。
「こちらが、おすすめですの」
それは、炎魔法レベル1の書。水魔法レベル1の書。風と土。そして、光と闇。身体強化の書もあるよ。
いくつ、使えてもいいのかもしれないけど、器用貧乏になりそうだから、お試しに炎の魔法と身体強化にしようっと。
その二つを選ぶと、マナは顔を上げる。
「その二つでいいですの?一つ銀貨2枚です」
魔法書は高いのかな。相場が分からない。でも、お金は貯まっていくしね。内緒だよ。商人に話したらがめついだろうしね。
「あの。森ガールの魔法ってあるかな~?」
「森ガールさんは、水と土魔法が使えますの」
そして、初級の巻物を渡してくれるよ。そして、チラリと私を見る。かわいい。大人殺し。
「いいよ。戦略の幅が広がると思うしね」
「わ~い!」
ぴょんぴょんと跳び跳ねるのをにこにこと見つめるマナちゃんは、お近づきの印に少し負けてくれた。
さすが、天使の微笑み。これはある意味気をつけないとね。
「それでこれ、どう覚えるの?」
「そりゃもちろん、脇に挟んでぶるぶる震えながら、私はとんだイカレポンチだよって叫ぶのだよ!」
「トト、うるせーぞ!」
トゲののように尖った言葉が、トトちゃんに突き刺さり押し黙ります。うん。キュートな見た目に騙されてはいけないね。マナちゃんの一瞬の変貌にサーナちゃんもあわあわして私の背後に隠れる。
「……な~んちゃって。てへぺろ」
「…………」
「にゃん」
あんずがもう遅いよとばかりに一声鳴いたよ。
魔法の使い方は、巻物を広げて読むだけでいいんだって。話しを変えて誤魔化すように話してくれたよ。
試しに広げて見る。なにが書いているか分からないけど、文章を見てる内に、色々と頭に魔法が浮かんできたよ。後で、ステータスチェックしてみよう。
「にゃん、にゃん」
あんず、前足でぺちべち私の頬を叩く。かわいい、ちくしょうめ。
「……あんずもなにか覚えたの?」
「うにゃん」
マキが、新しい魔法を覚えました。
サーナが、新しい魔法を覚えました。
昨日よりも可愛くなりました。
あんずが、新しいスキルを覚えました。
マナが、裏表があることが分かりました。
ウインドウに表示されたけど、何気にいじってない?それなのに、ログアウト出来ないし。いんだけど、弟と琴美は心配してるから連絡したいな。
「……マナちゃんが着いてくるなら午後には出るから、すぐに準備してね」
「は、はい~。急ぎますよ」
「じゃあ後でね、マナちゃん。ギルドの前で待ってるよ!」
「はーい。毎度ありがとうですの!」
「このちびすけのこと頼んだぞ痴女ども……ぶっ!」
あ、つい裏拳しちゃった。てへ。良い子のみんなは真似しないでね。
サーナちゃんがキョトンとして尋ねる。
「マキちゃん、ちじょってなに?」
「……知らなくていいことは沢山あるからね」
「う、うん」
あの扉。新しいのに変えた方がいいんじゃないかなと真剣に思うのだった。
つづく
トトちゃんは、裏拳されて心地良いと感じてる自分に気づいたんだよ




