エルフの依頼.5
帰りながら、ステータスを確認してみる。やっぱり、当たり屋とチラリズムは合ったよ
マキ
人間 17才
職業 猫使い
称号 猫大好き、親父受け
Lv.13
HP 380
SP 262
STR 301+99
DFF 154+147
SPD 309+100
LUK 3880
猫ゲージ.3
SKILL 格闘技Lv2 長距離ランナーLv.1
猫大好き 鑑定眼 Lv.1オーラナックルLv.2 当たり屋 チラリズム 猫ゲージLv.1
装備
切り裂きの小手+2
学生服+1(ブレザー)(深緑)
飛脚の靴
サーナちゃん
人間10才
称号ちやほやちゃん
職業 モリガール
Lv.10
HP80
SP97+36
STR15
DFF33+30
SPD31
LUK20
SKILL 森の癒しLv.2 看板娘 天使の微笑み
薬草の知識Lv.2 植物魔法Lv.2家事手伝いLv.4
リア充
装備
ブエラの杖+2
ひまわりの旅人服+2
皮の靴+1
ブルーリボン +2
「あ、サーナちゃん、レベル10だよ。転職出来るよ?」
「ホントだ、わ~い♪ちゃらんぽらんにでも転職しようかな?」
「え?なにそれ?」
「ふふ。冗談ですよ!そんな駄目人間の職業はお断りです」
うーん。世の中には知らない職業があるもんだ。
「私は、ヒーラーとかぬいぐるみ使いとかいいなぁ~♪」
え。あのゲインさんみたいになっちゃうの。サーナちゃんはぬいぐるみは似合うけどね。それが似合わない人もいるからね~。
馬車に揺られてたどり着いたとこは、小さな村。のどかで静かで良い感じです。まあ、賑やかな村もどうかと思うけど。村に詰めてる兵士に捕らえた盗賊たちを預けて、私達は宿屋に行くよ。
配送人の人が、宿を取ってくれたみたい。のどかでこじんまりとしていて、日本の古民家的な?
まあ、西洋風の作りなので、あくまでイメージだけどね。
「ホントにいいんですか?宿をとってもらって」
「はい。助けてもらったお礼です。それともお礼は口笛がいいですか?」
そう言ってきれいな音色を奏でる。わ、凄い上手。
「わぁ!お兄さん凄いね!」
「ありがとうよ、お嬢さん。昔はこの口笛で旅芸人してたんだぜ」
自慢された。それで、食べていけるのだろうか。まあ、いいけど。
「あの、エルフのお兄さんとかやっぱり、市中で引きずり回されるの?」
物騒な言葉知ってるね。配送人もぎょっとしてるよ。
「いやいや、打ち首じゃあ!奴は、見た目イケメンだったからなぁ!」
イケメンに恨みでもあるかのような配送人は、目が血走ってるよ。襲われたりしないよね?ね?
「あ、はは……」
サーナちゃん、ビビってんじゃん。デコピンをかます。
「あはは。悪ノリが過ぎました。すんません。詰所に突き出してその後の判断は、国に任せることになるね」
まあ、悪いことしたんだから仕方ないよね。あのエルフの兄弟がどう思うかな。
素朴な村の料理を堪能した後、明日のために早く寝ることにした。泊まりになっちゃったけど、ロッカーさん心配してるよね。
静かな夜。天井を見上げて考える。琴美も心配してるかな?いつまでもこの世界にいるから。
ロッカーの視点
「はぁ………めんどくさ」
娘たちが帰ってこないので、ギルドに確認してみたらギルドの依頼で、配送人の捜索をしているようだ。範囲は広いので泊まりはまだな。もう少し大きくなってからだな。
床に転がるフードを目深に被った男を軽く蹴る。いわゆる暗殺者である。こっちがいくら興味ないと伝えても襲って来たから、王都から遠くまで逃げてきたのにまた、こんなとこまで追っかけて来てご苦労なこった。煙草を吹かして煙が広がる。娘がいるときは吸わない煙草も今はこっそり吸える。ま、娘がいないときで良かったぜ。詰所に突き出しておくか。後は、クランツに任せよう。明日の仕込みもあるしな。はあ……一晩娘がいないと思うと寂しいな。そこでいつまでも覗きをしているじじいの方に顔を向ける。
「ついにまたきおったか」
「じいさん、なにしてんだよ」
「サーナがいるかと思ってな」
この変態じじい。窓から覗いてたのに気づかないなんてな。近所の制服好きなじじい。昔からの知り合いではある。
「ふん。サーナなら依頼中だ。今晩帰れなくて寂しいんだ」
「そんなことよりこいつらはアレだろ?」
「………だろうな」
「サーナの隠れファンめらが」
忌々しそうに憤慨するじじいは、いつまで窓から覗いているんだよ。
サーナが心配だ。王都から離れてこんなとこまで来たのによ。ま、マキに任せて置けば大丈夫か。パンチ……じゃなくて、あのレベルであの動きが出来るなんてな。
「……サーナ。今頃なにしてるんだろうな。不安になってなければいいか」
「親バカ」
「うるさい、変態」
「わしは、変態ではない!言っとくがな、あの子はわしの孫に似ておるのじゃ!じゃから、見てみたい!あの子の制服姿を!」
「……飲むか、変態じじい」
「やかましいわい!」
家のとっておきのワインを空けて、お互いの家族の冥福を祈った。そんな夜だった。
マキの視点
街の振動は気になるものの、久々の休日。朝起きて散歩する。
現実世界では、おじいさんみたいって琴美に言われてたものだ。
でも、散歩は好きだから。この世界でも朝の空気は気持ちよくて歩いていて気持ちいい。
朝だから、大通りには人は少ないけど、同じように散歩していた猫たちが集まって来て一緒に歩く。
「にゃあ」
「ふにゃあ」
あんずと猫たちがすりすりしているので、見ていて微笑ましい。
「おお……なぜ、朝は制服じゃあないんじゃ!」
「……おはよう」
若干引き気味にあいさつすると、近所のおじさんはがっくりしてる。
まあ、あそこまで分かりやすい変態ならいいんだけどね。危険なら対処出来るし。
毎朝、私は動きやすい格好してるからね。年がら年中花のJkの格好ではないよ。
大通りをしばらく進んで曲がるとその先に、和菓子店がある。
エメラルドの依頼の時の盗賊は、ここの店の用心棒的な人達だったと兵士が後々教えてくれた。
エルフの洋菓子店のお菓子の美味しさに嫉妬したらしい。だから、閉店になってしまっている。和菓子食べたいのに。あのトパーズも、故郷が焼かれたのに見捨てて呑気にお店を開いてるからエメラルドとガーネットに憎しみを開いたと言っていた。
犯した罪は消えないけれど、同じ故郷の仲間が仲悪いのはなんか、悲しいな。
うちみたいに冷えきった関係にならないでほしいよ。
「生娘」
「おい」
道の先にエメラルドがいた。猫を見ると一瞬デレッとしたけどまたすぐにムスッとした表情。
「今回は、迷惑かけたな」
「まあ、ギルドの依頼だからね」
「ほれ」
投げて渡したのは、お菓子の箱?わぁい。緩みそうになった表情を我慢する。
「なにこれ?」
「見て分からんのか?うちのアイスだ」
「そうじゃなくて」
「うちの同胞が迷惑かけたからな。そのお詫びだ」
そう言ってサッサと行こうとするので呼び止める。
「ねえ。あのトパーズとは仲直り出来そう?」
「………分からん。しかし、私があいつを嫌うことはない」
「そっか」
「貴様等人間は違うがな」
余計な一言だ。こいつ、友達いないよね。私も、琴美しかいないけどね。
「……それと。あのサーナには気を配っておけよ」
「え?なにそれ?」
「フン」
フンじゃないよ、もう。行っちゃった。
見上げた青空は、どこまでも澄んでいて温暖な地方かと思っていたけど、秋風みたいな冷たい風が吹いていた。
この世界にもハロウィンとかあるのかな?
つづく
ちなみにサーナちゃんは、村の子供たちにすぐに好かれて夜は、枕投げをしてたんだよ




