表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/379

エルフの依頼.4

うん。書くの難しいよ

いや、もう。こいつ、強い。簡単な依頼かと思ったんだけど、アラクネルより強いなんてね。

トパーズの放つ矢が、的確に私を狙う。それを右に左に避ける。掠めたりもするけれど、制服に傷はない?あのお店いい仕事する。


「貴様のチラリズムなど、効かんぞ!」

「エロ親父」

「エロ親父ではない!確かにエルフは長生きだがな!」

そして、無駄のない動きで、三連射するので、右にステップ。軌道を変えて襲ってくる?それらの矢を手甲で弾き蹴りで叩き落とす。


「……ふん。やるじゃないか。人間の分際で」

あれ、この憎々しい態度、デジャブ?もしかして家族パターンかな。構えを崩さずに問いかける。

「あなた、エメラルドの知り合い?」

「……まあな。エメラルド

ガーネットとは同じ森の出身だったよ」

共に遊び、共に勉強や鍛練をしてお互いを競い合った。あ、なんか語り出したよ。悪者の身の上話しはどうでもいいよ。

「……それが、どうしてこんなことを?」

サーナちゃん、悲しそうに続きを促す。あ、続きを聞くんだ。きくぞうさんなんだ。

「にゃあ?」

二人?には、人質たちの護衛を任せている。相手が残り一人なら、数で押せ押せは好きくないので一対一にするのです。


「……それは、どうでもいいだろ。森を出たことなんて。ただ、あいつら。再会した時に洋菓子店を開いてやがったんだ!俺は、和菓子派なのに!」

「……………えと?この人なに言ってるのかな?」

私の問いを無視して、熱弁しているよ。だから、一気に間合いを詰めて仕留める。

「!貴様!俺はまだ喋ってる途中だぞ!薄汚い人間!!」

カチーン!接近して打ち合う私達。こいつ、遠距離攻撃得意なはずなのに、接近戦もいける?おかしな人なのに。

私の拳をちゃんと受け流してる。そして、私のミドルキックを、跳んでかわして矢を空中で放つのを、私はバックステップで避ける。距離が空けたとこで更に放つ矢の乱れ撃ち。勘弁して!こちらも、乱れ打ちで叩き落とす。


「……やるな、貴様。名前を聞いておこう」

「……マキだよ。盗賊さん。もったいない。もったいないよ!あなたほどの実力者がこんなことするなんて!」


「…そうだな。奴が実は洋菓子店を始めていたなんてことはどうでもいいんだ。それでも俺は和菓子派なんだ」

ホントにそんな理由でなにしてんのこの人?

しかし、うつ向いていたトパーズに殺気が宿る。

「森を焼いたのが人間どもで!同族は森を捨てて逃げ出したんだぞ!それで、のうのうと洋菓子店だと!?赦せるか!」

「ええ!?」

それは、今までで一番速い射速だった。


トパーズのスキル発動!流星之射撃!


こんな時だけ、説明ウインドウ。ログアウト出来ないのにね。

流石にこれはかわせないので、あえて踏み込む。これは、私のスキル当たり屋。いつの間にこんなスキル。

矢のダメージを食らいつつ、トパーズに体当たり!



当たり屋―相手の攻撃を食らってもノックバックを僅かに防ぐ。


チラリズム―相手が男の場合、スカートに視線を釘付けにして隙を生ませる。


「ぐわあああああ!?まさか、この俺が!?薄汚い人間共に負けるだと!?」

大往生だね。こっちも疲れたよ。変なスキルも覚えたし。




「マキちゃん、大丈夫?」

サーナちゃんがとてとてと近づいてきて、魔法を唱える。

「葉の雫!」

それは、癒しの魔法。緑の光りが私を包み頬の傷が治る。うわっ!便利。現実世界にもあればいいのに。

「ありがとう、サーナちゃん」

「うん。後に残らなくて良かったよ」

「さて、と。」

見回すと、人質に取られてた人達も、運搬用の馬車も大丈夫みたいだね。

「君たち、ありがとう。荷物を、取られていたらあの恐いエルフに縛られてムチで叩かれていたよ」

心底ホッとしたように配達人は感謝を述べる。あれ?良く考えたら護衛とかいないのかな?

「あの、護衛とかいないんですか?」

「それが、こいつらが来た途端、逃げ出してしまったよ」

うつむき悔しそうにしてる。それは、なんと言えばいいのか。


「葉の雫!」

縛った後で、トパーズにも癒しの魔法を唱えるサーナちゃん。

「……君は、もしかして……いや、まさかな」

サーナちゃんを見て、なにか考えてる。この人もサーナちゃんの魅力に取り憑かれてるの?

「……どうして、こんなことしたの?」

「……ふん。私が大好きな和菓子を買いに行って戻って来たら、故郷は燃えていたよ」

「そんな、酷い!」

サーナちゃんは、口元を押さえて今にも泣きそうだから、抱き寄せて頭を撫でて上げる。

「……村人は逃げ出したのか行方知れずのまま……呑気に洋菓子店なんてやっているエメラルドとガーネットを見て腹が立ったんだ!人間が、あの森を焼いたのに!」

「………」

なんて言っていいか。いや、花のJk生活していた私にはなにも言えないし。だけど、嫌がらせしていい理由にはならないよ。



「……戻ろっか?」

「はい」

「にゃあん」

配達人にも手伝ってもらって盗賊たちを縛っていると、サーナちゃんは首をかしげた。

「あれ~?」

「どうしたの?」

「このマーク……あれかなぁ?」

盗賊のフードに印されたお団子のマークのことかな?

それは、街にある和菓子屋のマークで、みたらし団子が絶品らしい。

そうか。そうだったのか。和菓子もいいかも……じゃなくてもしかして。


まあ、いいや。荷馬車に乗せてもらいゆらり揺られて帰ることにする。飛脚の靴で飛ばしてきたから分かんなかったけど、オルトテスまで一日はかかるみたい。ゆっくり行きますか。

こんなに走るんじゃなくて、のんびり散歩したいな。



つづく

馬車の馬は、可愛い子を乗せて上機嫌なんだよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ