エルフの依頼.1
まだまだ未熟だから、有名なるのは先ですね。コツコツと……ブクマ少し増えてました!ありがとうです!
ガレフモキアさんに手を振り、ギルドへ。大通りはいつものように人で賑わっているよ。旅人や商人。そして、冒険者まで。
「にゃあ」
あんずが、近くにいる猫とすりすりするのを眺めてると、また地面が揺れる。
「きゃっ!」
「また、凄い揺れ……でも」
しがみつくサーナちゃんの頭をなでなでしつつ考える。なんか、不自然な揺れ。ゲームだから?
いや、なんか。自然現象とは違う?上手く言えないけれど。
知らない旅人たちは、何事かとざわついている。
まあ、ギルドへ行ってみるしかないよね。
「マキ、凄い自信だったね。誰かの貧乏揺すりかい?」
食料品店のおばちゃんが、特に気にしない感じで聞いてくる。
「はは。それはそれで、怖いよ」
「それよりマキ。また掃除頼むよ」
近所のおじさんが、通りすがりに話しかけてきた。依頼で何度か掃除しているおじさんだよ。
「サーナちゃん。制服姿でお酌してくれないかい?」
「それは駄目!」
サーナちゃんが堪える前に強く否定するから。大分、街の人とも慣れてきたかも。
「サーナちゃん、巨人の貧乏揺すり怖かったね!」
「うん。おっきかったね!また学校でね!」
それは、同じ年頃の子供たち。友だちかな?
「巨人の貧乏揺すり?」
「うん。地面が揺れるのをそう呼ぶのよ」
「あの子達は、友だちかな?」
「うん。一緒に読み書きを習いに行く友だちだよ」
いいな。リア充は。私は、近寄りがたかったかのか。琴美以外友だちいなかったし。ま、いいや。
いつものようにギルドの戸を開けて入ると、冒険者たちはいた。
今の大地の揺れにおかしいなと思いつつも、依頼を受けているよ。
「おはよう、サーナちゃん」
「おはよ。今日もかわいいね!」
「はい。おはようございます!」
やはり、サーナちゃんの街の人気は不動で、誰からもあいさつされる。
「マキ、おはよう!」
「昨日は、うちの親が喜んでたぞ」
きっと。片付けられないおばあさんのお家をそうじしたからかな。
かくいう私も、少しづつ冒険者の人たちと仲良くなっていってるよ。
「うん、おはよ」
私たちは、提示版を見てみる。まだまだランクはFなので、魔物退治も弱い。そして、レベルが上がるごとにお金や素材は変わらないけど、経験値は減っていくのだ。さて、なにを受けようかな。ゴブリン退治は裸族だから、精神的に苦手だったりする。しかも大家族みたいだし。
「薬草採取にする?」
「う~ん。それも必要かなと思うんだけど、外に行った時に摘みたいです」
確かにその依頼だけ受けるよりは、魔物退治のついでに採取した方が効率はいいかな。
「にゃん」
肩に飛び乗ったあんずが前足で、ちょいちょいとつついたのは、一つの依頼。あ、これ地下に潜る奴だ。汚れるから駄目だよ。地震の調査みたい。
あんずの訴えかける目……うう。仕方無い受ける……かと思った時。
サーナちゃんが一枚の依頼書を剥がす。
「これなんて、どうですかね?」
おずおずと差し出して来たのは、洋菓子店の依頼だったよ。
依頼主 おこりんぼうエルフの妹ガーネット
依頼内容 頼んだ荷物が届きません。誰か、確認してきてくれませんか?
報酬 銀貨5枚 スイーツの詰め合わせ
「これにしよう」
「にゃ!?」
銀貨もそうだけど、スイーツの詰め合わせだよね。甘いもの♪
「いいの?私の依頼で?」
「うん。ごめん、あんず。まだ、地下に潜る勇気ないんだ」
いや、なにかあった訳でもないんだけど、地下なんて暗くて怖いし。
サーナちゃんを地下なんて連れて行けません。あ、でもダンジョンには潜ったっけ。
「わーい!ありがとうございます♪あんず、ごめんね?」
「にゃん」
サーナちゃんの上目遣いにま、いいかと鳴くあんず。サーナちゃんのテクニック。恐ろしい子。
「へっへっへ!なら、この地下の依頼は俺が受けるぜ」
背後からの酒臭さは、ゲインの旦那。旦那、酒臭いですぜ。
「あ、ぬいぐるみおじさん」
「ゲインだ、ゲイン!なんだぁ?また制服着て、パパ活か?」
うん。ぐーで殴ってもいいかな?駄目?冗談です。
「ゲインさんこそ、また、酔っぱらって。お酒もほどほどですよ?」
「……うう」
あらら。小さい子に注意されてるよ。手に持つぬいぐるみも悲しそうだ。
「仕方無いんだ。シラフでこんなこっこしていられるか」
なぜ、私を睨むの。ヤなら、やめればいいのに。好きでぬいぐるみ使いじゃないんだね。
「まあまあ。ワンちゃんが悲しみますよ?」
サーナちゃんは、優しくぬいぐるみの頭を撫でている。
「ありがとうよ。サーナちゃんだけだ。ぬいぐるみ使いを馬鹿にしないのは」
ぬいぐるみ使いを馬鹿にしてる人はいないと思うけど。いかつい人がぬいぐるみ使ってるからかもよ……なんて、かわいそうで言えないよ。
サーナちゃんに手を振りながら行ってしまう。
「ゲインさん、一人で地下に潜るのかな?」
「え?あの人Dランクでしょ?他のパーティーは?」
「うーん。今までは、戦士として活躍してたんですよ?でも、ちょっと前くらいから、突然ぬいぐるみ使いに転職してしまったの」
サーナちゃんはまだ慣れないのか、敬語とため口の間をうろうろしている。ま、かわいいんだけどね。
「そうなんだ。ま、地下から無事帰ってくるのを待とうよ」
「……マキちゃん、他人事?」
「そ、そんなことないよ~」
「ん~?」
「にゃあ~?」
二人して、首をかしげ私を見ないでね。
「さ、洋菓子店に行こうよ」
「あ、話し反らした!」
「うにゃあにゃん」
カウンターの列に並んで少しすると、順番が来たんだけど。
「あ。マキさん。依頼を、受けますか?」
「うん。そうだよ」
なんだか、元気ない?いつもの営業スマイルではあるけれど、どこか無理してる。
クインさんは依頼を、受領すると私に渡してくれる。
「なんか、ありましたか、クインさん?」
「にゃん」
あんずが、カウンターに降りると、前足でちょいちょい触っているよ。
「あんず、サーナちゃん。なんでもないのよ」
「そうですか?」
「うん。それより、マキちゃんと冒険出来るんだから、そっちに気をつけなさい」
あんずの顎の下を、なでなでして苦笑いする。
「…でも」
「それじゃあ、行くね」
「はい。気を付けてね」
尚も心配して話しを聞きたそうなサーナちゃんを遮って私は言う。
クインさんは、いつもの営業スマイルで私たちを、お見送りだよ。
つづく
あんずは、地下に行きたい理由があったんだよ。




