サーナちゃんお休み.3
説明書には、薬師はいるものの病院みたいな施設は、王都しかないみたい。お貴族様の特権ですって。ただ、教会に多額の寄付をすれば、病気を治療してくれる魔法を唱えてくれるみたい。門外不出の魔法でぼろ儲けしてるのね。罰当たりじゃないのかな?
そんなことを、ギルドの受付の列にならびながら考えた。
並んでいる間も、サーナちゃんの様子を聞かれまくってめんどくさいんですけど。
「そうですか。分かりました。サーナちゃんにお大事にとお伝え下さい」
クインさんは、心配そうに頷く。ギルドの受付嬢の人だよ。
依頼の報告が遅れても大丈夫かと聞いて見たら。依頼内容によるけれど、今回の依頼は初ダンジョンだったので、私がダンジョンに潜った感想とか伝えると一ヶ月は平気みたい。
出来るだけ細かく伝えて、外に出ると一匹の猫が待っていた。
まあ、遠巻きに他の猫もいるんだけどね。少し遊んで上げようかな。
路地裏に入ると、その辺の枯れ木をパタパタさせるとねこたちがじゃれついてくる。
「うにゃにゃ!」
「にゃにゃ~ん」
「ごろにゃ~ん」
あんずも混じって遊んでるので微笑ましい。至福……あ、私服買わなきゃ。
ある程度猫たちと遊んだ後、私が立ち上がり行こうとすると、猫たちは満足したのかついては来なかった。ちよっと寂しい。いやいや、あんずがいるもんね。
ちなみに、ステータスを確認すると猫ゲージが少し貯まっていた。
石畳の街を歩いていると、洋服、洋服……と。あれかな?一軒のオシャレなお店。
戸を開けて中を覗いてみる。ふむ。良い感じ。
「あ、いらっしゃいませ!」
元気な犬っぽい亜人の女の子が出迎えてくれる。ほっ。何回かお店に入ると、キツく当たられたからこの子は、優しそうかな?
「わぁっ!綺麗な人だ!もしかして、勝負服ですか?それとも勝負下着ですか?」
なに言ってるの?こ、ここの子も少し変わってるのね。まあ、ドロンみたいにムカつかないでいいか。あのエルフとか。エルフとか。あと、あのエルフとか!
「あの、服の修繕とか出来ますか?」
「もちですよ。もちもちのモチくらいのもちろんです!」
「………」
「ああ、待って!踵を返さないで!もっと私を見て!」
「………変なので帰ります!」
「あはは!お客様初めてだったので、緊張してると思ってつい和ませようとしたんです~」
そうは思えないけど、強い力で引き留められる。あのおばあさんを思い出すよ。
「もう帰らないで下さいよ。私この店の店主エレナです。でも、その可愛い服傷だらけですね。彼氏さん激しいんですか?」
「は?」
「あ、いえ。ざっと見たとこ三日位かかるかな?」
「早いですね……あ、私はマキです」
「どもども~」
まあ、詳しくないけどそれがホントなら早いよ。たぶんね。性格はアレだけど。こんな若いのにもう、店主なんだ。見たとこ私のいっこ上か二つ上くらいかな?
「じろじろ見て。そっち系?」
どっち系?この人はともかく、良いデザインの服もあるみたい。
「服、見ても良い?」
「もちろんですよ。どのようなものがお好みですか?ノーマルか、アブノーマルとか?」
「………ノーマルで」
「これなんかどうですか?」
なんか、ハンガーからかわいいワンピを持ってくるよ。こっちの世界の服も可愛いのあるね。まあ、普段なら良いけど、ね。
「あの、私冒険者なので、防御力低いのは困るかな」
「凄い!こんなに美しいのに冒険者なんて、素敵!ま、私もだけど」
「あ、そうなんですか?」
「動きやすいのもいいけど、かわいいのもいいでしょ?制服で冒険してたんだし……おじさん受けするためかな?」
最後の台詞はスルーするとして。確かに、何着か合った方がいいかな。飛脚の靴の効果で、金貨も何枚か貯まってるし。私が、そこそこお金あるとは思わないだろう。
「じゃあ、試着させてね」
「はい、こっちよ」
試着室に案内してもらえる。なんか、明るい人だ。
「さ、さ、早く脱いで♪ひんむいちゃうぞ?」
「は、はあ」
変なノリについていけず試着室に入って着替える。
そして、出てみるとエレナは、ぽーっとしている。
「やっぱりスタイル良いから似合いますね~」
営業的な褒め言葉かもしれないけれど、褒められれば嬉しい。今の時代褒めて伸ばすのだよ。
「ありがとう。これ頂くわ」
「嬉し。ありがとうございます!」
他にも動きやすい服を試着して決める。さきほどのワンピだけは、特殊効果がついていたので少し高めだったよ。
黄色ののワンピース―明るさで男どもを釘付け。
SKILL テンションアップ―自分と周りのテンションを上げる。
もしかして、明るい色柄のおかげかな?素材も良いものだし。
「お客様、こちらの制服は合成は、どうなさいます?」
「え?ここでも合成出来るんですか?」
「はい。武器と防具屋は、武器と防具を。こちらでは、洋服と帽子が合成出来ますよ~」
「それじゃあ、頼もうかな?」
「オッケー!」
にこにこしてるエレナに皮袋から取り出した素材や魔石を見せる。
「わぉ!レアなやつもありますね」
エレナさん興奮してる?吟味して、制服を合成してくれるならありがたいな。
エレナさんは、出入口のとこで頭を下げる。
「ありがとうございました!制服の方は、三日目に取りに来て下さいね!」
「うん。じゃあまた」
なんだか疲れたけど、制服が戻って来るまで、合成屋は後にしよう。
気が滅入るけど、転職しに行こうかな。あいつ、腹が立つけどね。こんないい子に対して失礼なんだもん。
大通りをゆっくり歩く。サーナちゃんのことは心配だけど、散歩も必要。こっちの方が空気が綺麗だしね。いつかあの遠くに見える険しい山にでも行ってもいいかな。あ、でも散歩じゃないか。
つづく
あんずは、最近沢山の猫友が出来たんだよ。うにゃん!




