森の迷宮.3
文章力ほしいですよ。
愛しのあの人を追いかけて、ダンジョンの奥へ。なんちって。
小悪党を追いかけなくてはならないなんて。ゆっくりしたいなぁ。
サーナちゃんの握る手が少し強いのは怖いのを我慢してるからだよね。
ごめんね。気づかなくて。
「ギャギャ!」
またゴブリンか。自動生成される時にこいつらも生成されてるのかしら?まあいいや。はあ!
裸族が棍棒を振り下ろすより早く踏み込んで正拳突き!そしてもう一匹を回し蹴り!
壁に叩きつけられて消失すると、合成用の石ころと腰蓑を落とす。腰蓑いらない。
私の幸運が高いからかも知れない。アイテム袋に吸わせてサーナちゃんを見る。うつ向いてる。
「サーナちゃん?」
「………………」
「サーナ!」
「………………!はっ!ごめんなさい!私、ボ~ッとしちゃって!」
明るさで押さえていたけど、初めてのダンジョン。怖いよね。
「ううん。大丈夫かな?」
「は、はい。急に足が震えてきちゃって」
「うん、いいよ。むしろごめんね。気づかなくて」
サーナちゃんを抱きしめて頭をなでなでしてあげる。
サーナちゃんは、環境では私より恵まれてる。でも、辛いことは辛いだろうな。いくら一攫千金とは言え、一歩間違えれば死んでしまうんだ。
あんずが静かに、ぺろぺろと頬をなめる。あんずなりに慰めているんだね。
「にゃん」
「くすぐったいよ~、えへへ」
少しは元気出たのかな。ハンカチで涙を拭いて笑顔を見せる。
「ごめんなさい、心配かけて。もう大丈夫です♪」
「そう?もっと弱いとこ見せていいよ」
「……はい。ママが亡くなってから私が、笑顔で頑張んなきゃって。そう考えて頑張って来たから……」
「我慢の限界がここで来たと」
「うん」
「そっか。これからは無理しないで。あなたのお父さんもきっと心配してるよ」
「はい……私がしっかりしないとパパ、そこそこだから」
茶化して言うと立ち上がるサーナちゃんは、くるりと振り返ると微笑んだ。天使!
「さあ、ろくでなしたちを助けに行きましょ」
「はいはい」
暗い迷宮はどこまでも続くわけなく、初期ステータスの高さに感謝しつつ私たちは、奥へ進む。
「あ、マキちゃん宝箱!」
ちゃん付けされて呼ばれたので照れてしまい反応が遅れた!
宝箱に近づくサーナちゃんを狙って宝箱がぱっくり大口を開ける。
あれは、ミミック!?弟が居間でロープレしてる時になんとなく眺めたら宝箱に襲われていたのをふと、思い出す。宝箱がなんでおそいかかって来るのよと、思っていたのでなんとなく覚えてる。
大口をカツカツ叩いてサーナちゃんを狙うので、ダッシュ!かばいつつ踏み込んで正拳突き!
ん?力を込めたら、オーラみたいなのを纏っている?
ま、いいか。そのまま打ち抜ける!
「かたっ!」
ベロで、なめてきた!きもっ!気のせいか動きが鈍る。素早さを低下させる技!?序盤は力押しでクリアさせなさいよ!ミミックのべろべろを跳んでかわしてかかと落とし!
ミミックは、声に鳴らない声を上げてバッキバキに粉微塵になって消えた。そして、皮袋を落とすよ。
「サーナちゃん、大丈夫?反応が遅れてごめん」
「ううん。私こそ、宝箱に目が眩んでごめんなさい」
シュンするサーナちゃんも可愛い……じゃなくて。怪我はなさそうね。
「なんのアイテムですか?」
そんなことより、皮袋の中身が気になるみたいね。苦笑しつつ開けてみると、それはとげとげした小手?それと、長い布……薄い青いリボンかな?
表示を見てみると。
ブルーリボン―可愛いあの子をめろめろにしよう。
魅力アップ。魅了耐性アップ。DFF+2
切り裂きの小手―植物系の魔物に効果。STR+83
説明アバウト。そしてなぜか私の装備は、威力高め。チートって奴なのかな?でもこの小手。危ないから気をつけて使わないとね。
「大丈夫です。後で武器同士を合成すれば、攻撃力も上がりますよ?」
サーナちゃんは、なんでも知ってるね。サーナちゃんそのものがチートなんじゃあ……ま、いいや。
「リボンは、サーナちゃん装備していいよ」
「え、でも。マキちゃんが倒してくれたんだし」
でも、めっちゃほしそうに見ている。甘やかしてやる。甘やかしてやる。
「ほら、子供が遠慮しないの」
サーナちゃんの背後に回りリボンをつける。まあ、かわいい!
「えへへ、どうかな?」
「うん、可愛いよ。どんな男もイチコロだね」
よ、かわいさチート!
「もう、マキちゃんおじさんみたいな発言!」
「うっ!」
それは地味にダメージだけど、私の小手はと。見た目普通の緑色の小手。はめてみて拳を振るう。
「!」
拳を振った瞬間だけとげとげが出るので、それで切り裂きの小手か。怖いな。ま、取り敢えずこれで行こう。
私たちは、信頼を築きつつ奥へと向かうよ。
つづく
ミミックは、初の出番でわくわくが止まらなかったんだよ。




