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誤解しないで欲しい。

(いた!)


息を切らしてたどり着いた先は学園の中庭だった。

中庭には美しい花々が咲き誇っており、ベンチや噴水がある。

アマリアは一人ベンチに座り、俯いた表情をしていた。


きっと彼女を傷つけてしまった。

彼女の誤解を解いて、すぐに謝らないと。

そう思い、私はアマリアに近づく。


「あの…アマリアさん…」

「あなたは…」


彼女は振り向き、私の顔を見て小さく驚く。

それもそうだろう。

まさか王子の婚約者が誰も自分を追ってくるなんて思わないのだから。


「先程は失礼しました。お見苦しいところを見せてしまいまして」


アマリアはベンチから立ち上がり、私に頭を下げる。

そんな彼女に私は慌てて言った。


「そんな気にしないで!あなたは全然悪くないから!」

「寛大な心遣いありがとうございます。それと王子様の好意に甘えてしまい、大変申し訳ございませんでした…。私、まさか王子様に婚約者がいるとは知らず…。もう二度と王子様に近づかないとお約束致しますので…」


アマリアは悲しそうな顔をしながら私にそう言った。


どうしよう。

思いっきり勘違いしている!

取り敢えず、彼女に私がユーリ様のことを想っていないことを理解してもらわないと!


「そんなに気にしないで…。ええっと、あなたとお話がしたいの。取り敢えず座りましょう」

「は、はい…」


私の言葉にアマリアは不安そうにしながらもベンチに座ってくれた。

心做しか怯えられている。


まさか、悪役令嬢みたいに「アンタ私の婚約者に手を出して分かってるの!!」みたいなことを言われるのではないかと不安に思ってるのかもしれない。

まずは彼女を安心させなきゃ!!


「アマリアさん」

私は真剣な顔で彼女の顔をじっと見つめる。

そんな私をアマリアは緊張した面持ちで見た。

「な、何でしょう…」


「私はユーリ様の婚約者だけど、それは親同士が決めた政略結婚だから!彼のことは何とも思ってないから誤解しないで欲しいの!」


「えっ…でも、先程お二人共良い感じになられていましたよ…ね?」


戸惑うように訊ねるアマリアに私は必死になって誤魔化す。

「あれは、目に入ったゴミを取ってもらっていただけだから!」


我ながらかなり苦しい言い訳。

だけど、あの距離で私とユーリ様の会話をアマリアには聞かれてないはずだ。

ここはかなり強引だけど、これで押し通すしかない!


「そ、そうなのですね」

アマリアは少しだけ納得したようにほっとした表情をする。

これがきっと他の令嬢なら絶対疑われていたのかもしれないし、根掘り葉掘り色々聞かれていたかもしれない。


アマリアは純粋で穏やかな人魚姫だ。

彼女ならきっと大丈夫かもしれないと思った。


私は彼女の手をそっと握って、ずいっと顔を近づけながら言った。


「もし、あなたがユーリ様のことを好きなら全面的に協力させてもらうわ!私はいつでも婚約破棄して大丈夫だから!絶対にお似合いだと思うの。あなたたち!」


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